福岡県北九州市の門司港といえば、レトロな雰囲気を満喫できる人気観光スポットだ。大正ロマン漂う歴史的建築物が多く、タイムスリップ気分で街並みを散策できる。さて、そんな門司港レトロ地区の外れに……静かな倉庫街があるのはご存知だろうか。

レトロを通り越してチョイ不気味。夜明け前の倉庫街はファイナルファイトのメトロシティみたいな雰囲気で近寄り難いのだが……実は、地元トラック運転手や港湾作業員が出入りするコスパ最強食堂が存在する。今回は、知る人ぞ知るコンテナ飯をこっそり教えちゃいます。

・安全入船食堂

お店の名前は「安全入船(いりふね)食堂」。地元では “門司のコンテナ食堂” として知られている。観光エリアから離れているうえに倉庫街の奥まった場所にあるため、観光ついでに立ち寄る猛者はほぼ見かけない。ちなみに外観は赤いコンテナなのだが……

中に入ったら、ちゃんと食堂だ。名物の朝定食は330円で、昼定食は380円。安い。しかもボリュームもあるから人気ってわけである。この日は昼前に訪れたので、昼定食を注文。地元が誇るパワー飯、みんな静かにがっつき、足早に去っていくようだ。

・コスパに優れた昼定食

さてさて、やかんに入ったお茶を飲みながら待つ……間もなくスグに料理が完成した。よし、パパッと食べてササッと仕事に戻ろう。

ご飯はモリモリ、揚げ物にはマヨネーズがチューっとかかっている。美味しそう。これが「うちの食べ方」ってことか。そして、懐かしい楕円形の銀皿はレトロな雰囲気丸出しで……

ご飯茶碗はちょっと欠けている。なんというか、とても家庭的。ザ・母ちゃんの飯って感じで良いですね。あらためて歴史の重みを感じながら……いただきます!

さあ、マヨがかかった柔らかいフライでご飯をかき込む。うむ、あっさりした味付けだ。うまい! この家庭料理のような気取らない美味しさがグッド

景気がいい時代の定食には、このなんとも言えない安心感がある。60年以上変わらない「昭和レトロな味」だから、きっと昔からの常連客も多いのだろう。元気が出る。


シンプルなワカメの味噌汁も超家庭的。たしかに職場が近くだったら毎日食べたい。「帰ってきたい」と思える食堂である。お店の雰囲気も料理も “外食” って感じがしないのだ。ほっと落ち着く大衆食堂で、お腹も心も満足できたぞ。

・ちゃんとエアコンも完備

ちなみにコンテナといえば「夏は暑くて冬は寒い」なんてイメージがあるかもしれないが、しっかりエアコンも効いていて快適だった。レトロな街の片隅で営業を続けるコンテナ食堂、機会があればぜひ1度足を運んでみてほしい。ああ〜居心地の良い店だったなぁ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 安全入船食堂
住所 福岡県北九州市門司区東港町5
時間 6:00〜13:00(月曜日〜土曜日) / 6:00〜10:00(日曜祝日)
休日 第1、3日曜日

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.