1週間ほど前から、止まらない咳と息苦しさに苛(さいな)まれていた筆者。このご時世である。コロナか? ついにコロナにやられたのか? しかし症状が出るのは決まって家。夜に帰宅し、自宅のPC前にて作業をしている時に限られる。
外に出ている時は咳も出ず、呼吸もスムーズだ。明らかに原因は自宅内部にある。いったい何が起きているのか……? 当初は全くわからなかったのだが、半日かけて原因を突き止めることに成功。まさかこんなことが起きるとは……。
・異臭
結論を先に書いてしまうが、自室のカーペットの裏側がバイオハザードな状態になっていたのだ。1週間も違和感を覚えながらも原因を特定できなかったは、外見からは全くわからなかったから。
特定できたきっかけは、あまりの暑さに起動したサーキュレーター。室内に上下の空気の流れが生み出され、そこで不快な臭いを探知したのである。なんだろう? 色々と考えてみたが、臭いの出どころがよくわからない。
しかしこの臭いこそ、忌々しい呼吸器の異常の原因だろうという直感があった。なんというか、臭いを吸った時の喉から気管にかけて生じる不快感が、帰宅してから徐々に息苦しくなっていく過程に通じるものがあったからだ。
・判明した出どころ
そして、症状が出るのがPC机の周辺という経験から、恐らくその辺りだろうと目星をつけた筆者。周辺の壁や床の臭いをかいで、カーペットをひっくり返して裏をチェックして回った結果、どうもPCの真下が怪しいという結論に。
筆者の使用しているPCは自作のデスクトップで、ケースのサイズはフルタワー。要はそこそこデカくて重い。普段はその他の周辺機器やゲーム機もろともPCラックに乗せたままで、動かすことはほぼ無い。ラック全体はそれなりの重さゆえ、床が傷つかないよう下にサイズに合うようカットしたタイルカーペットを、何枚か並べて敷いてあった。
しかしその部分のカーペットは床にほぼ密着しているため、その下の床は密閉されているも同然と言えよう。表面の埃などは定期的に掃除機で吸っているし、見た目には特に何も汚れた所など見当たらない。いささか自信が持てないまま、ラックからPCを下ろし、ラックも移動。
すると、不快な臭いが強まったではないか。ここにきて疑惑は確信に変化。完全に密閉状態だったはずのカーペットの下で、何かが起きているのだ。それではその正体を暴こうではないか。いざカーペットをひっくり返そうとすると……
剥がれない。
・バイオハザード
謎の吸着力でくっついている。あー、これはシリアスなパターンだわ。相当にキている感がある。とっかかりを求めてフチの部分をなぞっていくと、床にくっついていない部分もあることが判明。そこを掴んでベリベリっと引きはがした結果……
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ヒュー、こいつは酷ぇ
正体は不明だが、バイオハザードな事態が進行している。そして臭い。マジで完全に密閉状態だったと思うのだが、一体何がどうなってこんなことになったのか。それとも密閉状態が良かったのだろうか?
よく見るとカーペットの底部分の樹脂は劣化してボロボロに崩れつつあった。その割れ目にそって白と茶色の、微妙に湿った何かが蔓延っているようなのだ。表面から見ると特に問題があるようには見えないのだが、裏側は完全にやられている。
なお、床の方も表面はかなりやられているように見えたが、洗剤でゴシゴシやってみると、若干ワックスが剥げた程度で木材は無事だった。この後は徹底的に消毒液を撒いて一体を殺菌。近くの無事なカーペットも、万が一を考えて全て破棄することに。
ちなみにカーペットを買って上にPCラックを乗せたのは昨年の7月なので、まだ1年経っていないことになる。何年も手付かずで放置していたならわかるのだが、1年未満でこの結果というのは……何が起きたのか正直よく分からない。
確かなのは、上から相当な重さのPCラックを乗せられて密閉されたカーペットと床の間で、この1年弱の間におぞましい事態が進行していたことだけだ。そして恐らく、この何かがカーペットの表面越しに空気中にろくでもないものをまき散らしており、筆者は日々それに呼吸器をやられていたのだろう。
これを書いている今は、周辺に撒きまくった消毒液の臭いに包まれている。これもそれなりに不快ではあるが、正体がわかっている分まだマシだ。ともあれ、皆さんも急に家にいる時に限って咳や息苦しさが生じるという場合は、カーペットの裏をチェックしてみると良いかも知れない。現場からは以上です。
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.