「プリンパン」とは何なのか? 名前は知っていてもその正しい定義を知らない。そこでいろいろなプリンパンを探し求めて、行ける範囲で旅をする「プリンパンを探す旅」。その第2回は、当サイトの読者に教えて頂いた店だ。東京の「吉田パン」亀有本店。
こちらでは月替わり商品で「プリンサンド」を販売しているらしいので、さっそく食べに行ってみたぞ!
・プリンパンはレッドリスト
この旅の第1回では、千歳烏山の「木村屋」の商品を紹介した。その記事で「プリンパンのあるお店を教えてください」と募った訳だが、当初私(佐藤)はジャンジャン情報を頂けるものだと思っていた。しかし、寄せられた情報は予想に反して少なかった……。
それだけ提供するお店が少ないということなのだろうか? もはや絶滅危惧種なのか? プリンパンはベーカリー界の “レッドリスト”……だとしたら、私はますます使命感に駆られてしまう。急いで保護しなければ!
ということで、JR亀有駅に降り立った。この街は言うまでもなく名作漫画『こち亀』の舞台になった場所だ。駅前には両さんたちの像。ここだけでなく、街のあちこちに両さんが立っている。
目的のお店・吉田パンは、そんな亀有の駅南口を出て徒歩約3分のところにある。
お店には絶えずお客さんの姿があった。1人が出ていくとまた1人、また1人出ると次の人がお店に来る。どうやら地元に根付いた人気店のようだ。
メニューを見ると、甘いおやつ系コッペパンが19種。総菜を挟んだおかず系のコッペパンが13種。さらにアレンジ可能なオリジナル野菜サンドのコッペパンがある。とても種類が豊富だ。あえて言おう、「コッペパンのサブウェイ」や~!!
私が頼むのは当然プリンサンド(税込350円)のみ! 5月の期間限定、しかも数量限定の商品だ。幸い訪ねた時間(12時前)はまだ注文が可能だった。せっかく亀有まで来たのに、食えなかったらどうしようかと思ったよ。ホッ……。
・収納型プリンパン
駅北側の亀有公園でさっそく食べるとしよう。袋には、「プリンサンド」と印字された小さなシールが貼ってある。もっと大きなシールを貼ればいいのにね。お店の控えめな姿勢が伺えるような小さなシールだ。
パンは、とってもふんわりしている。まるで小さなクッションのよう。触り心地がとても良い。ふわっふわだよ。
中を見ると、たっぷりの生クリームに細長いプリンが入っている。なるほど、収まりを良くするためにプリンをスティックタイプにアレンジした訳だな。強いて言えば、「収納型のプリンパン」ということになるな。
プリンパンに形式はなく、定義もいまだに存在しない。ということは、「丸いプリンでなければいけない」というルールは存在しないのである。コレを見て私はこう思った! プリンパンにはまだ開発の余地があり、それぞれが自由に発想していい。プリンパンは自由なんだ! と。
食べると、パンの存在を強く感じる。ふわふわのコッペパンはそのまま食べても十分に美味しい。一方で、プリンはそこまで主張していない。プリン好きの私からすると、プリンはもっとあっていい。今の量の倍くらいプリンが入っていてもいいくらいだ。
とはいえ、味には満足している。プリンパン好きにも納得してもらえる美味さだろう。できれば5月のみの販売ではなく、レギュラーメニュー入りを果たしてくれることを願う。
改めて皆さんにお願いだ。もしプリンパンを提供しているお店を知っていたら、教えて欲しい。プリンパンが何なのか、それを見極めるまで旅は続く……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 吉田パン亀有本店
住所 東京都葛飾区亀有3-27-4
時間 7:30~15:00(短縮営業中)
定休日 不定休