ついにこの日がやって来た。いや、来てしまったと言うべきか。先日発表され話題になった「かつや」の新メニュー『王道ロースカツ定食(税抜1030円)』と『王道とん汁定食(税抜990円)』が昨日2021年5月12日、いよいよこの日本列島に解き放たれたのだ。

カツをおかずにカツ丼を食らうというほぼバグみたいな基本コンセプト。そしてそれに『王道』と名付ける謎のセンス。既存メニューをただ組み合わせただけにもかかわらず、ここには「かつや」の狂気のすべてが詰まっていると言っても過言ではない。

全国の “かつや者” たちよ、この狂気を受け止める覚悟はできているか? 私(あひるねこ)は当然できている……!

・かつや新商品

覚悟ができたのでさっそく最寄り店舗を訪れたぞ。基本情報については前回お伝えした通り。『ロースカツ定食』と『とん汁定食』のご飯が、どういうワケかカツ丼になってしまったというのが今回の新メニュー最大の特徴だ。私は『王道ロースカツ定食』をチョイス。

さて、ここで気になるのがカツ丼の大きさである。定食のご飯がカツ丼になったということは、カツ丼がお茶碗サイズという可能性も十分あり得るのではないか。

仮にもしそうだった場合、画面のインパクト的にぶっちゃけどうなのよ? と、待っている間やや心配になったりもしたのだが、結論から言ってしまうと……


それはまったくの杞憂だった。

・フルスイング

真ん中に陣取る120グラムのロースカツ。その隣で待機するのは、残念ながら全力でカツ丼である。これから戦争でも始まるんか……? 定食として、いや普通の人間の食事として、明らかに何かが狂っていると言わざるを得ない。「かつや」の野郎、マジでやりやがった……!

一体どこから箸をつければいいのか迷いつつ、まずは揚げたてのロースカツを一口。うん、ウマい。それでは続いて白いご飯……といきたいところだが。

隣で待機するのは、先ほども書いた通り全力のカツ丼。つまり我々は、ロースカツをソースで食べた直後、その足で再びカツを食べに赴くことになるのだ。まさにカツ to カツ。カツの強制ハシゴ。この世界にはカツ以外の食料は存在しないのか?

・供給過多

最初は盆と正月が一緒に来たような気分で楽しかったのだが、次第に私はこの『王道ロースカツ定食』の本当の恐ろしさを肌で感じるようになった。その筆頭が、圧倒的なまでのカツの物量だ。カツ丼にのったカツをいくら頑張って食べたところで……


横からスッと現れるロースカツの魔の手。


そう、逃げ場がない。


・死闘

それはまるで冒険者を待ち受けるダンジョン。豚の魔物に追われ命からがら逃げこんだ部屋で、別の豚の魔物に遭遇しました的な絶望感である。ま、また豚……ッ! ええい、何かアイテムはないのか!? 周囲を見渡すと、なんと部屋の隅に味噌汁を発見! た、助かったァァァァアアア!!


と思ったらとん汁かよ!

・豚から逃げられない

いや、お前も豚なのかよ! このダンジョンは豚しか出ねーのか!! ロースカツ、カツ丼、そしてとん汁によって三方向から同時多発的にボコられ、もはや私のHPは限りなくゼロに等しい。タコ殴りならぬブタ殴りである。

そんな私の最後の生命線が千切りキャベツだった。そう、『王道ロースカツ定食』は口直しの要素がマジでキャベツしかないのだ。豚しか出ないこのダンジョンにおいてキャベツは薬草の役割を果たしており、キャベツがなくなる、それ即ち私の死を意味する。

これまで様々な定食を食べてきたが、キャベツの残量をあんなに気にしながら食べ進めたのは生まれて初めてかもしれぬ。カツよりもキャベツが欲しい──。そんな年齢に私もなりましたよお母さん。でもたぶん、あんま年齢関係ないっすよお母さん。たぶん誰でもこうなりますよお母さん。

・心折れ……

実は当初の予定では、まず店内で『王道ロースカツ定食』を食べてから、テイクアウトが可能な『王道とん汁定食』を家に持ち帰って撮影するつもりだった。ところが、『王道ロースカツ定食』を完食した段階でそんな余裕は消失。もう豚は見たくないんじゃあ……というモードになってしまったのだ。

・続編あり

よって『王道とん汁定食』については、明日の記事で詳しくお伝えしようと思います。そう、まさかの前後編である。一つの記事で完結させるには、この定食はちとカロリーが高すぎる。分割しなければとてもじゃないが消化できないので、どうかお付き合いいただきたい。ではまた後編で。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」

▼食べた直後。