突然だが、あなたには好きなコンビニはあるだろうか? 私(中澤)は特になかったので、利用率が高いのは最寄りのコンビニであるミニストップだった。その次に近いのがローソンで、ファミリーマートとセブンイレブンはちょっと遠い。行くのが面倒くさいくらい。
だがしかし、最近、離れたセブンイレブンに頻繁に通っている。こうなったのは、2度目の緊急事態宣言が発出されてからのことだ。
・コンビニでいいか
2021年1月に再発出された緊急事態宣言から、飲食店は20時で閉店するようになった。これにより、個人的に爆増したのがコンビニ飯。20時リミットに間に合わずに作るのもしんどいので、「もうコンビニでいいか」という感じで夕飯を済ませることが多くなったのである。
もちろん、この対策に関して不満があるわけではない。個人的には食べられるだけマシだと思う。むしろ、店を開いてくれているコンビニに感謝しているくらい。命綱をありがとうございます。
とは言え、この食生活で壁になったのが「飽きる」ということ。弁当系に一瞬で飽きてしまった私が、一品惣菜を手に取るまで時間はかからなかった。ここで急浮上してきたのがセブンイレブンである。
・キッカケ
最初に「ちょっと違う」と思わされたのは『TOFU BAR(税抜き128円)』だ。豆腐を棒状にしたこの商品は、たんぱく質10gを謳っているもので、パッケージを剥いてそのままいけるタイプ。いわゆる、サラダチキンなどと同じヘルシー志向のメニューなのだが、なんと……
普通の豆腐よりウマイのである。
木綿豆腐よりも硬めの歯ざわりはギュッと濃縮還元されたような濃密な豆腐の味がする。さらに、染み出す和風だしは高野豆腐のようだ。こういう系ってたんぱく質のオプション抜きにしたら、普通の料理の方がウマイっていうのがお約束じゃなかったの!? ちなみに、柚子胡椒風味もある。
・他の一品を買った結果
どうせ豆腐を買うなら、もうセブンイレブンで夕飯を揃えた方が早い。そこで、この豆腐を買うついでに夕飯を組み立ててみたところ……
ゆで卵は固め以外に「半熟とろっとゆでたまご(税抜き80円)」があるし……
サラダは、キャベツ主体以外に、レタス系のサラダも数種類用意されているし……
袋系の1品には「ほぐしさば(税抜き228円)」なんてものまであるし……
「キャベツの浅漬け(税抜き198円)」は量が多いし……
コールスローがめちゃんこウマイ。
コンビニで買う食べ物と言えば、弁当、パンが主体だったが、セブンイレブンがそれ以外をここまで充実させていようとは。20時以降の夕飯に求める「サラッとお腹を満たせる」系の豊富さが他のコンビニの比ではない。というわけで、セブンイレブンにあまり行かなかった私ですら、夕飯セブンイレブン率が爆上がりしているというわけだ。
・コロナ禍を見据えていたのか?
それにしても、私のような夕飯難民にあつらえたようなセブンイレブンのラインナップ。これってひょっとして、今の状況を見据えてのものなのだろうか? そこでセブンイレブンの広報に聞いてみたところ……
セブンイレブン広報「セブンイレブンは『近くて便利』というテーマを持ってまして。近くて便利なお店であるために、例えば、働く女性が罪悪感を持たずに利用できるように、または忙しい中でも食卓を充実させることができるように、パックじゃない野菜などにも力を入れてきました。ですので、サラダや一品が充実していることは、基本的にはその流れです。
ただ、コロナ禍になってから、+1品の商品の売り上げは確かに伸長しております。元々あったものの、使われ方が変わって今伸びているという事実はあるかもしれません」
──とのこと。どうやら、時代がセブンに追いついたパターンのようだ。この数カ月で「コンビニでいいや」から「セブンイレブンが良い」に変わった私のような人は多いのかもしれない。
事実、ここ最近は自炊するよりも食が豊かになった。侮りがたいセブンイレブンの一品メニュー。オリジナリティーを貫いたセブンイレブンの勝利と言えるだろう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.