春は別れの季節。スシローにもひそかに別れが訪れている。冬の間頑張っていたどデカイぶりがひとまずさよならしたことは以前の記事でお伝えした通り。
だが、別れがあれば出会いがあるように、また新しい「2貫100円皿」の高コスパネタが出ているはず。そこで回転寿司マニアに4月のオススメを聞いてみた。
・キャンペーンについて
話を伺ったのは、30年前に回転寿司の魅力に憑りつかれて以来、週1~3回は回転寿司に通う会社員・鮮魚久良々(せんぎょくらら)さん。回転寿司に愛され、回転寿司を愛する彼はスシローの4月をどう見ているのか?
鮮魚久良々「キャンペーンで言うと4月7日から18日まで『大九州展』が開始されますが、これの馬刺し食べ比べは良いですね。大皿系は個人的にはあんまりなんですが、最初、馬刺しねぎとろに釣られて注文したら、とろも赤身もウマイ! 馬刺しの歯ごたえとトロけるような脂の共存は3貫580円(税抜)の価値は十分にあると思います」
鮮魚久良々「あと、濃厚うに包みが登場しているのも見逃せません。スシローでは2013年から、うにが定番メニューではなくなったんですが、なぜ定番から外したのかと言うと、品質のいいうにを提供するためなんです。
すなわち、うにが出ているということはスシロー納得のクオリティーであるという証。価格も1貫100円(都市型店舗は120円)なので、私は見かけたらとりあえずひと皿食べるようにしています」
──なるほど。キャンペーンは相変わらず注目なようですね。では、キャンペーン外の2貫100円皿(都市型店舗は120円)はいかがでしょうか。今月は高コスパなものは登場していますか?
・キャンペーン外の2貫100円皿
鮮魚久良々「印象としては、冬のぶりほどの掘り出し物はないです。まあ、冬は魚が美味しい季節ですから。時期柄こういうこともあるでしょう。ただ、そこはさすがスシロー。工夫でカバーしてる感じですね。これまで同様、店舗によって販売されていなかったりするかもしれませんが、それでも良ければオススメさせていただきます」
──よろしくお願いします!
・助走
鮮魚久良々「ではまずは、まぐろユッケですね。スシローのユッケダレは一部でウマイことが知られていますが、卵黄のまろやかさとマグロとの相性は抜群ですよ」
──食べてみたところ、当たり前にウマイ。まあ、鮪と卵黄だから合わないわけはないのだが、スシローの鮪のキレのある味にユッケダレのコクがぴったり合っている。これがスシローの工夫……!
鮮魚久良々「いえいえ、これはまだ様子見のジャブです。助走と言い換えてもいいかもしれません。テイクオフするのはこれからですよ」
・テイクオフ
──そう言ってタッチパネルを操作する鮮魚さん。そして、レーンに流れてきたのは……
ミートボールマヨ軍艦……!
えええ!? ミートボールですか? 確かに寿司からはテイクオフしちゃってますね。っていうか、酢飯大丈夫なんですかコレ。タレもあんかけだし。
鮮魚久良々「まあ、正直そう思う人も多いでしょうが、味の違和感がないんですよね。むしろ、ジューシーな肉の旨味がして一部マニアの間では人気なんですよ。今だけの復活とのことなので、私はこの機会に食べまくってます」
──そこで食べてみたところ、ミートボールが柔らかくて激ウマ。酢飯の味も、そんなミートボールの旨みを邪魔することはなく、むしろミートボールだけ食べるよりウマく感じてしまうのが謎だ。しかも思ったほどジャンクではなく肉の味を強く感じる。癖になる味だ。
・大空へ
「テイクオフしましたね? では、慣れてきたところでコイツで空の彼方までぶっ飛びましょう」そう言って、鮮魚さんが最後に注文したのは……
炙りチャーシューねぎまみれ。
チャーシューとねぎはまあ良いとして、どろソースとマヨネーズがかかっているのは酢飯的にアリなのか? 一瞬そんな問いが頭をよぎったが食べてみると……悔しいけどウマイ。
考えれば、豚とどろソースとマヨネーズのコンビネーションなんてウマイに決まってる。問題はそれが酢飯に合わせられていることなのだが、酢飯は言ってしまえば炭水化物なので、口の中でお好み焼きみたいな味になるのだ。豚玉である。
鮮魚久良々「スシローの本社は大阪。普通、寿司で大阪と言えばバッテラなどの上方寿司になりますが、炙りチャーシューねぎまみれは、上方寿司ではないにもかかわらず猛烈に大阪の血を感じます。寿司にとらわれない発想はスシローの魅力の1つですね」
──とのこと。改めて言おう。これが工夫……。食べてみたらちゃんとウマイのもスシローの良いところの1つだと思う。
・スシローの魅力
というわけで、いつものオススメとは少し違うものをオススメしてきた回転寿司マニア。伝統にとらわれない発想も、素材やシャリへのこだわりと同じくらいスシローの本質ということなのかもしれない。寿司の空の広大さを感じさせる4月のスシロー。気になる方はテイクオフ!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.