近所にあったら便利なスーパーマーケット・ライフ。食材、惣菜だけではなく、生活雑貨に消耗品まで揃うのが良いところで、私(中澤)はめちゃくちゃお世話になっている。お世話になりすぎて近所のライフの休館日が告知されると焦るレベル。もはや依存していると言っても過言ではない。
ある日、そんなライフをぶらぶらしていると、見慣れないカップ麺を発見した。天ぷらそばなのだが、どん兵衛でも緑のたぬきでもない。それでいて税抜き88円とカップ麺にしたって相当安い。安いから食べてみることにしたぞ。
・衝撃の味
商品名などはなく、パッケージに「天ぷらそば」と大きく書かれているこのカップ麺。商品棚のポップによると、ブランド名は『スターセレクト』で、ライフとスーパーのヤオコーが共同開発しているプライベートブランドとのこと。
プライベートブランドなら88円と他より割安なのも納得である。ただ、気になるのは味だ。どん兵衛と緑のたぬきという絶対的2トップが支配する戦場で、スターセレクトはどういった立ち回りをするつもりなのか。作って食べてみると……マ、マジかよ……!
緑のたぬきとほぼ同じ味やんッ!
特に、麺の味と天ぷらのサクサク感なんて全く同じな気がする。つゆも、どん兵衛ほどかつお出汁が強くないところが緑のたぬきを思わせる。
・食べ比べてみた
単品で食べた感想としては全く同じ。しかしながら、私は緑のたぬきの専門家ではないため、実際に食べ比べてみたら結構違うかもしれない。そこで、改めて緑のたぬきとスターセレクトの天ぷらそばを用意し食べ比べてみたところ……
いや似すぎだろッ……!! 並んだら天ぷらにねぎの緑が入ってるかどうかでしか見分けがつかない。アニメキャラの双子かよ。
さらに、思った通り麺の味と天ぷらのサクサク感は食べ比べても区別がつかないくらい全く同じである。つゆにおいても味の方向性自体は同じ。強いて違いを挙げるなら、緑のたぬきの方がつゆが少し濃いというくらいである。
一体何が起こっているのか。前述の通り、『スターセレクト』はライフ×ヤオコーのブランド商品なので、東洋水産の緑のたぬきは関係ないはず。
そう思いながらも、念のためスターセレクトのパッケージをチェックしていると謎の記載を発見した。製品情報にこう書かれていたのである。
「販売者:東洋水産株式会社」
──と。ついに掴んだたぬきの尻尾。東洋水産の記載があるということは、勝手にパクッているわけではなさそうだが、販売者ってどういう意味だろうか?
製造者ならわかりやすいが、販売者はどこまでかかわっているのかいまいちピンとこない表記だ。ちなみに、製造所には『株式会社酒悦 房総工場』って書かれている。製造所は別会社みたいだ。
・東洋水産に聞いてみた
結局、東洋水産は開発にかかわってるの? かかわってないの? 気になったため、パッケージに記載されていた東洋水産のお客様相談室に電話して真相を確認してみた。ライフPBスターセレクトの天ぷらそばって東洋水産が開発してるんですか?
東洋水産お客様相談室「さようでございます。ライフと東洋水産株式会社の共同開発で、ライフでのみ取り扱われている商品となります」
──製造所に株式会社酒悦房総工場と記載されていますが、これはどういった会社なんでしょうか?
東洋水産お客様相談室「酒悦は東洋水産のグループ会社ですね」
──なるほど。ということは、緑のたぬきもここで作られているんですか?
東洋水産お客様相談室「さようでございます」
──以上。要するに、表記は違えど開発も作ってる工場も緑のたぬきと同じ。味がほぼ同じことにも納得だ。この2つは兄弟のようなものなのである。量的にも、101gの緑のたぬきに対し、スターセレクトの天ぷらそばは99gとほぼ変わらない。
・10円安い緑のたぬき
ちなみに、私の近所のライフでは緑のたぬきは税抜き98円で販売されている。すなわち、味も量もほぼ緑のたぬきなのに、スターセレクトの天ぷらそばの方が10円安いのだ。
もちろん、ほぼ同じとは言え、前述の通り、つゆに多少の違いは感じられる。しかし、これも食べ比べなければ区別がつかないレベルのもの。そう考えると、10円安く緑のたぬきが味わえるスターセレクトの天ぷらそばはお得なだけに思えるのだがいかがだろうか。ぜひ、自身の舌でそのコスパを確認してみてくれ。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.