リアル志向のシャープな造形ながら、どこか心が震えるノスタルジックなテーマばかり攻めてくる大人向けフィギュアメーカー「ケンエレファント」。次にどんな作品が生み出されるかいつも予想がつかないのだが、今回のテーマは「THE 保存」だ。
タイトルだけではどんなアイテムかイメージできないだろう。無理もない。ガチャリと回してみたら、時空の向こうから実家がよみがえるようなエモいラインナップだった。「THE 保存」とは、記憶の保存のことだったのか……! 今から一緒に見ていこう。
・「THE 保存」 ミニチュアフィギュア(400円)
正確には食品の保存……「保存容器」がテーマのカプセルトイだ。記憶の保存だなんて誰もいっていない。
まずはこちら「アデリア貯蔵びん」! 1962年の酒税法改正で、家庭で果実酒を漬けられるようになったのを機に「日本で最初のガラス製果実酒びんとして製造」とのこと。
「抗菌」と書かれた中栓も完全再現。ポコッと膨らんでいるところはキャップで、実物には丸い注ぎ口がある。レードルがなくても、びんから直接注げるらしい。しかもキャップが脱落しないよう、中栓とつながっているのだ。使いやすさへの配慮がロングセラーの秘密。
中紙が入っているこの状態は、店頭で陳列されている姿。
この中紙、裏返してみてびっくり! ただの白紙じゃない。レシピらしきものがびっしり書かれている! 肉眼では読むことができないけれど、おそらく実物のとおり。
中紙を取り出して、「青梅+氷砂糖」パーツを入れると梅酒を漬けている状態に! 母親が毎年、自家製の梅酒を作っていた記憶が一気によみがえった。「実家にあった」「ばーちゃんちにあった」という人も多いのでは?
続いては野田琺瑯(のだホウロウ)の「WhiteSeries レクタングル」。これは使ったことないなぁ。実家にも現在の自宅にもない。
もちろん1つ1つフタを開閉できる。底面には「NODA HORO」のロゴ入り。
調理バットやカントリー風アイテムなど時代によって主力商品は移り変わったが、真っ白い「WhiteSeries」はグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞。発売当初の「白いホウロウは売れない」という予想を裏切る結果だそう。
おなじみ「ジップロック コンテナー」。もうこれは日々の生活に欠かせない。冷凍からレンジ調理まで、なんでもござれ。
同梱の紙パッケージで包むと、店頭で販売されている状態を再現できる。
筆者は入手できなかったのだが、本当はすごく欲しかったのが「トンボつけもの容器」。取り外し可能な白菜パーツが付属し、漬け込んでいる状態を再現できるとのこと。これもたしかに実家にあった! なんで覚えているかというと、この特徴的な「漬物石」を持ち上げて遊んだ記憶が強烈にあるからだ。子どもだったから食べなかったのだが、母はなにを作っていたのだろう?
・ラインナップは全6種
ご紹介できなかったのは梅干しが詰まった「漬物瓶」と、ピクルスなどを作る「セラーメイト密封びん」の2種。
1年中すぐに食べ物が手に入る時代だから、手間ひまかけて食品を保存するって行為がぐっと減ったと思うが、保存食には先人の知恵が詰まっている。「THE 保存」は全国のカプセルトイ売り場のほか、オンラインショップで「12個入りBOX」も販売中だ!
参考リンク:株式会社ケンエレファント
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.