以前からずっと食べてみたいものがあった。全国的に知られている滋賀県のご当地パン、「サラダパン」だ。サラダと名がついているのに、中には刻んだたくあんとマヨネーズが入っている。テレビでよく取り上げられており、その存在自体は知っている。でも食べたことがない。どんな味なんだ? サラダ味ってことなの? でもたくあんでしょ? どんな味?

もはや予断を許さないほど気になったので、実際に食べてみたら……これサラダじゃないよね? でもウマい! さすがご当地パンとして名が知られているだけあって、その味が愛される理由がわかったぞ。

・ご当地パンが集結

食べたいとはいっても滋賀県のパンである。近くで購入することができない。だが幸いなことに、新宿・京王百貨店で「Keioパンフェスティバル」を開催していた。このイベントは2014年より開催しており、今回も約150種のパンが全国から勢ぞろいしている。もちろんサラダパンも来ている!


全国各地の魅力的なパンが並んでいる中で、サラダパンの黄色いパッケージはかなり目をひく。


ご当地パンが集まる催しで何度もサラダパンを目にしていたけど、いつも買うか迷って断念していた。だがしかし、このままサラダパンを知らない人生を送る訳にいかない! 今日は買うぞ!! ということで、サラダパンと他県の一風変わったパンを購入したので、それぞれ紹介しよう


・力あんぱん 税込180円(岩手県)

最初に紹介するのは、岩手県・オリオンベーカリーの「力あんぱん」だ。力士のイラストからとても力強い印象を受けるこの商品には、中にあんこと餅が入っている。


パンはキレイな円柱形。もっと武骨なあんぱんの形を想像していたけど、見た目はちょっとオシャレで、パンケーキみたいに見える。余談だが「力(ちから)」は、餅を表す言葉のひとつである。したがって、力うどんといったら大抵は餅が入っているものを指す。


さて、パンを半割りにすると、あんこがギッシリ!


餅はあんこを巻くような形で入っており、食べるともっちりとした歯ごたえを感じる。あんことの相性が良く、パンの中に大福が入っているようだ。軽く焼いても美味しいかもしれない。


・ネギパン 税込270円(熊本県)

続いては熊本県の高岡製パン工場の「ネギパン」である。数ある野菜のなかで、パンともっとも縁がなさそうなのがネギではないだろうか。それをパンに入れるとどうなるのか? 合うのかな?


パンの形はオムレツ状で、表面に刻んだネギが散りばめられている。


食べてみると、これはパンというよりもお好み焼き? いや、ネギ焼きに近い味!! 中にはソースたっぷりのかつお節が入っている。パン生地はモチモチしていて、ネギのシャキっとした食感がアクセントになっているじゃないか!


これは意外な発見だ。ネギとパンはあり得る組み合わせだった。もしかすると、ご飯のおかずにもイケるかもしれないな。


・サラダパン 税込230円(滋賀県)

そして今回の本題であるサラダパン。滋賀県の有限会社つるやの看板商品だ。実は東京・渋谷ヒカリエ「8階d47 design travel store」で、毎月第4土曜日に販売している。つまり、都内でも購入自体は可能だ。


袋から取り出すと、たくあん漬けの香りがふわりと広がる。ここまで匂うのか! 思った以上にたくあんの主張は強いな。パンの具材だから、味も匂いも控えめだと思っていた。


パンを開いてみると、刻みたくあんがたっぷり。いまさらながら「たくあんパン」という名前でも良かった気がするんだけど……。


さて、実際に食べてみると、これはやっぱりサラダではないと思う……


でもウマい!


たくあんは歯ごたえがしっかりしていて、噛むとガリリと口の中で弾ける。パンは柔らかくほんのり甘い。たくあんの酸味と相まって、パンがより甘く感じられる。初めて食べているはずなのに、なぜかとても懐かしい。

不思議と、作る人の優しさが伝わってくるような気がした。この優しい味わいが人々を魅了して、長らく愛されているんだろうな。滋賀のご当地パンとして、サラダパンが親しまれる理由が分かった気がした。


なお、Keioパンフェスティバルの会場には、このほかにも全国から数多くのご当地パンが集結している。どれも「地元の味」として親しまれるだけあって、個性的で美味しい品々がそろっているぞ。催しは14日まで。バレンタインのチョコレートもいいけど、パンフェスでパンを買うのもオススメだ。

・イベント詳細

名称 Keioパンフェスティバル
場所 京王百貨店新宿店7F 大催場(東京都新宿区西新宿1丁目1-4)
期間 2021年2月10~14日
時間 10:00~19:00(最終日は18:00閉場)

参照元:PRTIMES
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24