お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんが脚本・原作・製作総指揮を務めた映画『えんとつ町のプペル』が、最近ネット上で話題になっている。何が話題になっているのかは詳しく知らない。だが、1度は見てておこうと思っていた私(佐藤)は、2021年1月某日に鑑賞してみることにした

ということで、実際に見た率直な感想をネタバレなしでお伝えしたいと思う。

・予備知識なしで見た

この作品は、2016年に西野さんが制作に携わった同名の絵本が原作になっており、2020年12月に放映が始まっている。私自身はそれ以上のことを特に知らない。制作の背景や賛否の声を確かめるよりも、自分の目で見た方が作品に正直に向き合えると思い、余計な情報を得ずに映画作品を見た。


あくまでいち視聴者の感想だが、見終わった直後はめちゃくちゃ疲れたのひとこと。何が理由なのかわからないけど、これほどまでに体力を削られた作品は初めてかもしれない。とくに冒頭20分は、場面展開やキャラの動きがあわただしすぎて、スクリーンから目をそむけたくなった。

おっさんの私がこれほどまでに疲れるということは、幼い子どもにはキツイかも? と心配になったほどだ。とはいえ忙しいのは序盤だけで、中盤から後半にかけては割と穏やかだった。


また、全体を通して画がキレイで、緻密な背景は「スゴイ」の一言に尽きる。あとは、主人公ルビッチ役を演じる芦田愛菜さんの演技は、素晴らしいとしか言いようがない


良かったと思うところは以上だ。


正直なレビューだから、「良くなかった」と思う部分も触れていきたい。私の場合、物語の内容を理解するのに時間がかかり、率直なところあまり感情移入できなかった。序盤が目まぐるしかったために、キャラや設定を理解するのに少々手間取ったからだ。

加えて、「なんで?」と思う場面がしばしばあり、解決しない疑問を抱えたまま終盤のドラマチックパートに突入していくため、若干消化不良になってしまった

これはおそらく、私が心の歪んだ大人であるせいだろう。他の来場者がハンカチで目頭を押さえる様子が見えたが、心の歪んだ私は1粒の涙さえも出てこなかった。その事実にむしろ泣きたくなったくらいだ


・メッセージが強い

あとはキャラを通してめちゃくちゃ強いメッセージが発せられている。「それをそのキャラが言うの?」と思うところが、後半に向けて続々と畳みかけてくる。あまりの熱量の高さに、ファンタジー作品ではなくてスポーツ根性モノ(スポ根)のアニメ作品だったか? と錯覚するほどだ

もしも私が大学卒業間際の大学生で、将来に大きな夢を抱き、ビッグになってやる! と思っていたとしから、「西野さん、すげえええええええ!」ってなった気がする。残念だが私は人生終盤戦に突入し、老眼で間近の見えないオッサンである。胸に響くモノは少なかった。なくはなかったけどね……。

ということで、画がキレイで芦田愛菜さんの演技がスゴイ作品だから、気になる人は見てみるといいだろう。

参考リンク:映画『えんとつ町のプペル
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24