本日12月21日は遠距離恋愛の日だ。マジで。そんな記念日あるんだね。何を隠そう私(中澤)は遠距離恋愛経験者だ。そのため、遠恋者の話を聞くと妙にシンパシーを感じたりする。
しかし、昔の遠恋者の話は今と全然違った。今の遠恋では必要不可欠なアレがないのである! え? それ成り立つんスか?
・昔の遠恋体験者は語る
体験談を聞かせてくれたのは、私の先輩にあたるロケットニュース24記者・佐藤英典だ。2020年で47歳となる佐藤英典は24歳の頃遠距離恋愛をしていたという。
佐藤英典「俺は当時まだ島根県に住んでたんだけど、東京で大学生やってた彼女が夏休みで里帰りしてきて、そこで知り合ったんだ。で、帰省している間に仲が深まって付き合うようになった」
──始まった時から遠距離になることは見えてたんですね。
佐藤英典「そうだな。彼女が東京に戻ることは分かってたから、最初から遠距離恋愛覚悟で付き合った感じだよ。多分相手もそうだったんじゃないかな」
・佐藤英典が羨ましいこと
東京~島根は遠い。私(中澤)は東京~大阪だったわけだが、それでも遠かったくらいだから中国地方は相当だろう。遠距離恋愛ってどこからが遠距離なのかよくわからないところがあるが、佐藤英典のケースはガチの遠恋だと思う。そんな佐藤英典は、今の遠恋が羨ましいという。一体なぜ?
佐藤英典「だって、LINEがあるでしょ。俺の時代は、あんなタダで電話できるアプリはなかったし、携帯電話も普及し始めで通話料が高かったから、家の電話と手紙が主流だった。
メールもガラケーだし、必然的に時間も決められるし、連絡を取ること自体がメチャクチャ大変だったんだ。今はそこらへん楽そうで羨ましいよ」
──とのこと。結局、1年くらいで喧嘩別れになったそうだ。
そうか。確かにLINEがあるとないとで遠恋の世界が違うのかもしれない。が、しかし、LINE登場以降の遠恋者である私は、むしろ佐藤英典の話が羨ましかった。
・LINE登場以降の遠恋体験談
だって考えてみて欲しい。簡単に連絡を取れるということは、「なんで連絡しないの?」って話に超なりやすいのである。メッセージも既読がつくからスルーしたりしたらバレバレ。我々は、その勢いだけでなんとなく相手が自分のことをどう思ってるのか読むレベルにまでなってしまっている。なんなら未読でも「未読スルーかな?」と考えてしまう。
要は、連絡手段が発達したことにより、リアルタイム性がメチャクチャ求められるようになったのだ。そして、遠恋はそれがずっと続く。
しかし、離れていれば、日々の時間の流れにズレが生じるのは当然のこと。リアルタイムになったことで、そのズレは大きく我々の目の前に横たわる。私の遠恋が終わった理由はその肥大したズレにお互い疲れたからだ。
・どんな技術も使うのは人
そう考えると、佐藤英典が語る昔の遠恋は、今より自分のペースが守れる分楽そうに感じられる。この20数年の携帯の発達は素晴らしいものがあるが、なんでもスムーズになることが良いこととは限らないのだ。それを使うのは人間だから。
とは言え、佐藤英典いわく「当時、50通くらい手紙を書いたけどあんまり返事が来なくてズレを感じた」とのこと。どっちにせよ遠恋って難しいのかもしれない。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.