何でも揚げるかつや。かつ丼チェーンの覇者でありながら、コーンフレークやラーメンを揚げていく攻めの姿勢は全くもって天晴だ。その背中は戦場の最前線を突っ走っていくかのようである。彼方にこそ栄えあり。
そんな征服王かつやが、密かに天丼チェーンの姉妹店を展開しているのをご存知だろうか。その名も江戸前天丼『はま田』である。現在2店舗が展開されているこの天丼チェーン。その全貌は謎に包まれている。私(中澤)は調査のために埼玉県西大宮へと飛んだ。
・私は見た
JR西大宮駅のロータリーから辺りを見渡してもそれらしい気配は感じられない。グーグルマップを頼りに北に進むと太い道路にぶつかった。川のような道路の周りに建物は少なく、久しぶりにこんなに広い空を見た気がする。だが、今だ『はま田』の影すら見えない。
……と、その時!
突然姿を現す『はま田』!!
広大なる空の下、雄大な駐車場に佇む『はま田』。空と大地と『はま田』。そんな圧巻の光景に一瞬言葉を失った。これが埼玉……。
・地元民の人気スポット
とは言え、広い駐車場は車でいっぱいだ。同じ場所に大きいカフェもあり、駅からは少し離れているが、地元民の人気スポットとなっているのかもしれない。店外メニューを見てみると、価格帯は税抜き1000円から1500円くらい。
天丼チェーンの覇者『てんや』の価格を考えると少し高めにも感じるが、その分、メニュー写真からも分かる通り非常にボリューミーだ。1500円の「江戸前天丼」なんて、天ぷらが丼からあふれ出すようではないか。
・あえての天丼
だが、私はあえて1000円の天丼を注文する。なぜなら、「もう一度来たい」と思えるかどうかは基本のレベルが高いかどうかだと思うからだ。江戸前天丼が豪華なことはメニューを見たら分かったが、写真が載っていない最安の天丼はどうなのか? 入店して注文したところ……
あふれそうなのが来た。
・味は
しかも、ナス、エビ、イカのかき揚げ、しし唐までは分かるとして、卵の天ぷらが入っているのはポイントが高い。さすが1000円。普通の天丼でも十分豪華。試しに海老天丼を食べてみたところ……
フハッ! やりおるわ!!
海老は開いて天ぷらにされており幅広なのだが、それでもふわふわの肉感を存分に感じられるくらい厚い。そんな海老が揚げたてのサクサクな衣と共に口いっぱいに広がる。卵の天ぷらも半熟で、白身がトロッとしており黄身の甘みが天つゆとご飯に混じってコク深い。ウンメ~!
さらに、地味にポイントが高いのは、天つゆが自由に使える形で席に用意されていること。お高めの天丼屋ではないことも多い、好みの味の調整がきかせられるところに、チェーン店の考え方のようなものが見え隠れする。さすがかつやの姉妹店だ。1000円でも十分満足な味と庶民が居心地の良い温度感を併せ持っていると言えるだろう。
・近所に欲しい
その証拠に、昼時には満員御礼となる『はま田』。揚げたてを提供しているため速攻で出てくるわけではないのだが、それも納得であることは、その賑わいっぷりが証明している。
なお、『はま田』は2020年10月30日現在、東京の練馬関町店と埼玉のさいたま西大宮店の2店舗のみ。ぜひ広まって近所にできて欲しい店である。
・今回紹介した店舗の情報
店名 江戸前天丼 はま田 さいたま西大宮店
住所 埼玉県さいたま市西区西大宮2-1-4
営業時間 10:30~ラストオーダー22:00
定休日 無休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼ちなみに、小壺の中身は生姜とニンジンの漬物的なヤツ
▼デリバリーやGoToイートにも対応している