終息が見えない新型コロナウイルス。そんな中、安倍首相の辞任も発表された。普段は世間の流れに疎い私(中澤)でもさすがに思う。「日本の経済大丈夫かな」と。株価ヤバイんじゃないだろうか。そこでふと気づいた。
あれ? これ、逆に考えると株の買い時なのでは? 全体的に安くなったタイミングで買っておいたら、潰れさえしなければいつかは儲かるはず。というわけで、ノー知識だけど株式市場に殴り込みをかけることにした。
・証券会社に口座開設
どうやら、株を買うためには証券会社に証券口座を作る必要があるようである。証券会社がいっぱいあるので、どこにするか迷うところだが、私は楽天証券に口座を作った。理由は簡単で、昔の知り合いが「楽天証券はなかなか良い」的なことを言っていたのである。
当時、私は株に一切興味がなかったため、その言葉以外覚えていないのだが、まあ、取引さえできれば会社はどこでも良い。楽天証券に口座を作ってみると、口座開設は10分くらいで終わった。必要な情報を記載し、本人確認書類をスマホのカメラで撮って送信するだけなのである。便利な世の中になったものだ。
・ガチ素人
そして、私が具体的な株取引の方法をちゃんと理解したのはこの時。要するに、証券口座に入金して、その口座のお金で株を売買するのだ。そして、証券口座に貯蓄されているお金は普通の口座に移すことにより換金される。
よく考えたら、証券口座を作らないといけない時点で、そういう仕組みなことは分かるのだが、初歩的な話すぎて逆に知らなかった。そもそも株取引自体が、ただ生活しているだけではリアルに触れることの少ない社会に潜った世界なのである。私のような人は他にもきっといるだろう。
・リスキーなイメージのある株取引
で、なぜ株価の下落とかが大々的に報じられる株取引が、ここまで潜った世界になっているかと言うと、リスキーなイメージがあるからだと思う。株で大損的な話は世の中にあふれている。つい最近も、前澤社長が44億円損失を出したって自分のTwitterで言っていたし。
そのため私も当初借金を抱えてしまったらどうしようと怯えていた。ただこれは1日目で分かったのだが、まあ普通は損失が出ても借金を抱えることはない。なぜなら、証券口座に入金したお金で株を買う現物取引は、貯蓄されているお金以上の株は買えないから。
借金云々の可能性があるとすれば、証券会社に自分の元手以上のものを借りて株を買う信用取引の方だ。株取引全体に漂うリスキーなイメージはここから来ていると思われる。そこで、とりあえず私は現物取引だけしかしない。
・ここ最近の株価の変動
そう決めて、まずは株の値動きを見てみたところ、やはりどの会社も緊急事態宣言が出る前の3月辺りは株価のグラフがべコーンと大きくへこんでいる。対して、安倍首相が辞任を発表した8月末は今のところさほど影響がないように感じた。まあ、これから下がるのかもしれないが。
・ワンタッチで14万円が飛んでいく世界
とりあえず、証券口座に40万円入金し、約14万円分株を購入。株は基本的に100株単位での購入となるため、例えば株価が600円なら最低6万円が必要になる。というわけで、約14万円で購入できたのは2社の株100株ずつだ。
それにしても、14万円は普段の私なら使うのを躊躇するほどの大金。にもかかわらず、アプリでワンタッチで「使ったなあ」という実感もない。これは後から考えるとなかなか衝撃的な感覚だ。手軽なのは嬉しい反面、実感の無さが恐ろしくもある。ガンガン買ってしまいそうで。気をつけよう。
・株を買って良かった点
さて置き、選んだのは個人的に応援している会社。私は技術がないためその会社に入ることはできないが、「一緒に大きくなりたい」と思えるところの株を購入した。いざ、お金を払って株を買うと、そこはかとなく運命を共にするような連帯感を感じるから不思議である。
株価が下がると「頑張れー!」と思うし、上がると割とガチで嬉しい。他人事ではないだけに、株価のグラフに一喜一憂してしまう。明日は株価上がるかな?
株式市場は平日9時~15時しか開いていないため、夜寝る前に明日が来るのが楽しみになったし、必然的に寝るのも早くなった。これは株を始めて非常に良かったポイントである。株楽しー! だがしかし、3日後、私は思ってしまった……
「取引してなくね?」と。株価がそこまで変わらないのと、そもそも投資目的なので売るタイミングがないのである。1回取引らしいことをしてみたい! っていうか、株を売って儲けてみたい!!
・張り付けばイケるのではないか
幸い、楽天証券のアプリは1分ごとに値動きがグラフで見れて分かりやすい。ちょっとデイトレードするくらいなら十分可能だ。そこで値動きの激しいA社の株に張り付き、株価が谷になったと思ったタイミングで約10万円分購入。あとは、上がった瞬間に売れば絶対儲かるはず。そう思い張り付いてグラフを見ていると……速攻で10円以上上がった! 今だ!! 売り注文ポチッとな。
まず、注文をした状態となるアプリの表示。ここから、実際売り付けが執行されるまでに少しのタイムラグがあるが、あとは待つだけ。買い付けの際は1時間以内に執行されたため、それくらいで執行されるだろう。100株なので、1000円くらいの儲けしかでないけど、とりあえずこれで良い。
・マジかよ
数分で1000円はデカイ。余裕だなコレ。1日コツコツやり続けたら日給で5万円くらいはいけるんじゃないだろうか? だがしかし……
1時間経っても……
2時間経っても……
全然執行にならず……
そして株式市場が閉まる15時……
注文状況が「出来無」のステータスに。
売れなかった……!
・売れなかった理由
そうか、よく考えたら株は買う人がいないと売買が成り立たない。そして、みんな安い時に買いたいし高い時に売りたいのである。分かりやすく乱高下している株のピークなんて、下がるのが分かりきっているんだから売れにくいのは当然かもしれない。門外漢だった頃は、そうは言っても大体売れるもんだと思っていたけど普通に売れないんだな。やらかした。
・個人投資家が陥りがちな失敗
ちなみに、A社の株価は翌日キューンと下がって、乱高下を繰り返しながらまだちょっとずつ下がっており、損を承知で売るかどうしようかという感じだ。こういう状態を「塩漬け株」と呼ぶようで、塩漬け株を抱えるのは個人投資家が陥りがちなアカンパターンみたいである。
10万円は授業料として高くついてしまったが、まあ、株は資産なのでゼロになったわけではないし切り替えていきたい。現在の資産は39万2203円で損益は「-7797円」。とりあえず、100万円を目標に続けていこうと思っているが……明日はどっちだ。
参考リンク:楽天証券、Twitter @yousuck2020
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.