アニメと言えばNetflix。そう言われる時代が来るかもしれない。私(中澤)がそう実感したのは、Netflixで公開されている『GREAT PRETENDER(グレートプリテンダー)』を見た時だ。

2020年7月8日からフジテレビで放送開始予定のこのアニメ。ひと足早くNetflixで14話までが公開されているのだが、まさに新しい時代が到来しつつあることを予感させる内容なのである

・『GREAT PRETENDER』とは

世界を股にかける詐欺集団の活躍を描くこのアニメ。キャラデザインはエヴァンゲリオンの貞本義行さんで、私はそこから興味を持って視聴したのだが一気にその世界観に惹きこまれた。

『オーシャンズ11』を思わせるチームのクールさもさることながら特に惹かれたのは背景。ポップアートのようなカラフルな色彩なのだが、話の内容や雰囲気と合わさるとそれがアダルトでお洒落に見えてくる。色合いやキャラは全然違うも、個人的には『カウボーイビバップ』に通じるお洒落さを感じた。

・フジテレビだけど

とは言え、ここまでなら超絶出来が良いというだけの話。私が本作で感じた新時代とは、「アニメが本格的にNetflixの時代になりつつある」ということだ。

こう言うと、「アニメのNetflix配信なんて普通」という反論があるかもしれない。だが、このアニメはただ配信されるだけではなく、Netflixとフジテレビがガッチリ手を組んでいるオリジナルアニメだ

その証拠が、日本でのテレビ放送に先駆けたNetflixの独占先行配信である。フジテレビなのにNetflix。さらに、オープニングには「IN ASSOCIATION WITH NETFLIX」という文字がアニメーションで入る。

これは2019年から始まったフジテレビの新しいアニメ枠「+Ultra」の作品に共通することで、『revisions』『キャロル&チューズデイ』『空挺ドラゴンズ』『BNA』などもそうだった。「高品質で世界基準のアニメ作品を、全世界に向けて発信する」というコンセプトに基づいた枠なのである。

・Netflix基準

そんな本作は、まずは6月2日に5話までが配信され、次に9日に10話までが、16日に14話までが配信されている。そして、このスケジュールが発表されたのは5月8日。

新型コロナの影響で今期のテレビアニメが延期や休止に追い込まれまくっている現状を見るに、ただのテレビアニメよりも色んな意味で大分余裕を持って作られていることは明白だ。

つまり、この余裕がフジテレビの考える世界基準であり、それすなわちNetflix基準。Netflixのオリジナルアニメもまた全て本作のように一気に公開されるからだ。正直、私はもはやテレビアニメとは違うジャンルのようにさえ感じ始めている。Netflixは世界に向けたメディアミックスなのかもしれない。

新型コロナで今までの世界に変革が求められている。もし、『GREAT PRETENDER』が今夏話題を呼べば、Netflixがアニメの主流になっていく可能性はあるだろう。

・最後に

最後に、14話まで見た上で個人的な予測を申し上げると話題になるんじゃないかと思う。というか、話題になって欲しいと思えるアニメである。

繰り返すが、そんな本作のテレビ放送開始は7月8日24時55分からフジテレビにて。はたして『GREAT PRETENDER』は世界を変えるか? 注目である。

参照元:GREAT PRETENDER+Ultra
執筆:中澤星児
Photo:©WIT STUDIO/Great Pretenders

▼TVアニメ「GREAT PRETENDER」(グレートプリテンダー)メインPV第1弾