「テレワークを阻む印鑑文化」などと言うとなんだか悪者のように聞こえるが、ハンコの活用場面は職場だけじゃない。遊びごころあふれるオリジナルスタンプを作れる『Stamp Designer』というサービスを発見。手描きのイラストはもちろん、自分やペットの写真まで、なんでもハンコにできてしまうのだ。
データ入稿ができるハンコ屋さんはたくさんあると思うが、Illustratorのような本格的なソフトが求められたり、少なくともパソコンは必要で、個人が楽しむにはなかなかハードルが高い。今回ご紹介するのは、スマホアプリでデザインから注文までできるお手軽なサービスだ。さっそく作ってみよう!
・作成手順
まずはアプリをインストールする。iOS、Androidともに対応している。
アプリを起動したら、好きなイラストや写真を読み込む。その場で撮影してもOK。手書きイラストの場合は必然的に写真になるだろう。周囲をなるべくスッキリさせるか、白い背景が良さそう。
今回は我らがロケットマークをスタンプ化してみよう!
画像を白黒化する。このときに比率をスライダーで調整できるので、何度かやり直してちょうどいい割合を見つける。アプリ内の事例集を見ると、どれくらいの濃さがよいかイメージできた。
読み込み時に入ってしまった余計な部分は消しゴムツールで消す。逆に手書き文字などを書き足してもOK。
割ときれいに白黒化されたと思う。
お好みによりフレームをつける。消印風のものやフキダシになっているもの、「おめでとう」「よくできました」など文字入りもある。
さらに、お好みにより文字を入れる。フォントも選択できた。あまり小さいと、つぶれてしまうだろうから加減して……。
できた! 実はこの時点でデザインを端末に保存することができる。アイコンなどとして活用できるぞ。なんと、ここまではいくつ作っても無料!
物理的なスタンプにしたい場合は注文画面に進もう。製作は「はんこ堂ドットコム」という岐阜県のハンコ屋さん。
もっとも自由度が高いのが「ゴム印面のみ」または「のべ台」のパターン。正方形でも長方形でも自由なサイズにでき、サイズによって価格が変わる。
実際にどれくらいのサイズになるのかイメージがわかないので、書いてみるとよいと思う。筆者は最初30mm×30mmと思ったのだが、書いてみたら大き過ぎるということに気づき、20mm×20mmにした。価格は税抜460円。もっとも安価な「印面のみ」にしたためだが、驚きのワンコインだ。
・わずか3日後
ビックリするくらいすぐに届いた。今回は印面だけで、ごく薄い仕上がりなので封筒に入ってポストイン。受け取りの手間もいらず簡単でよかったが、商品のサイズによると思う。
両面テープが同封されていたので、自分で好きな持ち手をつける。カピバラにしたのに特に深い意味はないが、思い出のあるお土産品だ。では、押してみよう!
おおっ、いいんじゃないかな?
狙いどおり切手みたいになった。インクのかすれ具合も雰囲気がある。文字もつぶれずにきちんと読めた。このアナログ感がよい! 自分の作ったものが市販品のように製品化されるって想像以上に嬉しいぞ!
・アプリの操作感には難点も
出来上がった製品には大満足だが、アプリの操作感にはやや難点もあった。メインの画像は、読み込み後に拡大縮小や移動・回転ができないようだ(表示の拡大縮小はできるが、画像そのもののサイズが変わっているわけではない)。
文字やフレームと合わせたらバランスが悪くなった、という場合には画像の読み込みからやり直さないといけない。写真の再撮影の手間を省くために、公式ブログでは最初から余白を多く取ることをお勧めしていた。
また、指先でタップするのでどうしても限界はあるのだが、複数の文字列が重なったときに目的のものを選択しにくかったり、ドラッグ操作が上手くいかないことがあった。
フリーのペイントアプリでもレイヤー機能を備えている昨今では、『Stamp Designer』は編集機能面でやや弱いところがある。自由自在にデザインできるというよりも、あくまで簡易ツールと言えそうだ。
・手軽でよい
本格デザインとはいかないが、スマホだけで作成からオーダーまで済ませられる手軽さは大変よい。ワンポイントで名刺に押したらきっとインパクトがあるし、自分の名前で本格的に印鑑を作ってもGOOD。商品ラインナップにはインク内蔵のネームスタンプもあるぞ。
公式ブログでは、ネットショップやフリマアプリ用に「お買い上げありがとうございました」のメッセージスタンプを紹介していた。何度も同じ文面を書くような場面こそハンコの本領発揮。スケジュール帳やカレンダーに使うミニスタンプもいいなぁ。
アイディア次第でいろいろなことができそうなので、ぜひともアプリのバージョンアップを願いたい。新しいフレームデザインの追加や、あらかじめ用意されたパーツを自由なサイズで重ねられる、いわゆる「スタンプ機能」などがあればなおよし! 今後の発展を期待している。
参考リンク:Stamp Designer、はんこ堂ドットコム公式ブログ
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Stamp Designer(iOS)