「それはあまりにも無茶だろう」と。「アメフト部の合宿か」と。「男塾か」と。……心の中でつい突っ込んでしまった私は、その時点でお店の術中にハマッてしまったように思う。
だが1つ言い訳をさせてもらうなら、このトラップから逃れるのはほぼ不可能だ。多くの人が、私と同じように気になってしまうに違いない。なにせ店名が……
『トンテキとハンバーグは飲み物。』
「無茶言うなって!」……と思った人、正直に手を挙げてくれ。おそらく結構な数の手があがっていることだろ。そう、そういうことだ。「ハンバーグはトロトロにしたらギリいけるかもだけど、トンテキ飲むのは無理やろ」と考えてしまった時点で負けなのだ。
もし勝てる人がいるとしたら、「あ〜はいはい。前からある『カレーは飲み物。』とか『焼きそばは飲み物。』とかと同じ運営会社がやってる店ね。今回はトンテキも含めるパターンできたのね」と冷静に考えられることが必須条件。
だが、冷静になった人でも「飲めるほど柔らかいって、どんなトンテキやねん」と気になった時点で負けである。さらに、「出来たてならまだしも、テイクアウトで “飲める” ほどの柔らかさをキープするのは無理やろ!」となってしまったら完敗と言っていい。
私なんて、お店から家が近いこともあり、「飲めるレベルの檄ヤワなトンテキを自宅で味わえるのか〜」と期待しながら持ち帰ってしまったのだから、見事に転がされたと言っていい。
・実食
そんなわけで、食料品買い出しのついでに『トンテキとハンバーグは飲み物。』に立ち寄り、ハンバーグとトンテキのセットを購入した。
価格は1500円ほど。個人的な感覚を言わせてもらえばかなり高いが、店名の通り飲めるほど柔らかいのかを確かめてみたら……
ぜんぜん飲めなかった。
だけど、ひと口食べると飲めるかどうかなんてどうでもよくなった。ただただ、美味かったからだ。
濃い目のタレが絡んだトンテキは、飲めるレベルではないにせよ柔らかい。これだけで十分なところに、ハンバーグまでついてくるのだから贅沢である。
このハンバーグがまた絶品で、噛むと “焼いた肉の香ばしさ” が鼻孔を抜けていく。実にいい匂いである。この “匂い” こそ、手作りの特権だろう。「コンビニのハンバーグ弁当ではどうしても出せないもの」と言っていいのではないか?
トンテキもそうだか、特にハンバーグはこの “匂い” がたまらない。いっそのこと『トンテキとハンバーグは(鼻から)吸う物。』に改名してもいいかもしれないと思ったほどだ。
・秋葉原にある新店
ちなみに、こちらのお店は東京・秋葉原にある。もう少し詳しく説明するなら「秋葉原UDXの向かい」というのがわかりやすいだろうか。
店員さんによると最近オープンしたばかりで、現在はプレオープン中だそうだ。近々グランドオープンの予定……らしいが、ご存じの通り今は新型コロナウイルスが猛威を振るっている。いちおう外出自粛要請が解除されるタイミングでのグランドオープンを考えているそうだが、状況を考えたらどうなるか分からないと言っていいだろう。
また、営業時間も国の要請などによって変更になる可能性があるという。つまり、新型コロナウイルスのせいで、色々と未定なことが多いのだ。
・いま行けない人は覚えておこう
ただ、アキバ周辺でテイクアウトを探している人にとっては、なかなかの優良物件かと思う。当然ながら「いまは行けないなぁ〜」という人も多いだろうが、そんな人は新型コロナが収束したときのお楽しみに取っておいてくれ。
大丈夫。忘れなければいいだけだ。幸いにも、めちゃくちゃ記憶に残る店名なのだから。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 トンテキとハンバーグは飲み物。
住所 東京都千代田区外神田4-4
時間 11:00~16:00、17:30〜20:00 ※国や都の要請次第で変更になる可能性あるそうだ。また、グランドオープン後は営業時間をのばす予定とのこと。
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼プラス100円で「マシマシにんにくミルク煮」のオプションをつけ、合計金額は1650円だった。
▼こちらのライスは普通盛りだが、無料で大盛りや山盛りも可。
▼テイクアウトしたが、いちおう店内でも食べられる