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世の中でもとりわけ肩身の狭い、ワシ(佐藤)のようなオジサンがいかにささやかな日常を快適に過ごすか。そのチエを紹介するのがこの「オジサンのチエ袋」である。

今回は怒り心頭に発し、どうにも収まらない時のオジサンのチエを紹介しよう。手っ取り早いのが肉を食うことである。それもできるだけ分厚くボリュームのある肉が良いだろう。ガツガツ肉を食らうに限る。するとどうだろう、たちどころに怒りが消えるとは言わないが、いくぶん和らぐに違いないだろう。

・劇的に人生は変わらない

この歳(42歳)になると、劇的に人生が変わるなんて1ミリも思っていない。ある日突然金持ちになったり、そう遠くない日に自分がスターになるだなんて到底かなわぬことであり、まして望んでもいないのだ。若い時には思っていた、いつか猛烈な金持ちになって、マジで一時のヒルズ族みたいになるんじゃないかって。

・せめて静かに暮らしたい……

そんな訳ない、そんな訳がないのである。できるだけ波風立てぬように、静かに暮らしていくことの何と心地良いことか。それこそが幸せなのではないかと考えるようになってからワシは「静かに暮らしたい」、「できるだけこの日常を乱したくない」、そう思う毎日である。ところが……。

・心にもないことをぬかすな……

そんなワシの平穏を乱すヤツがいる。たとえば仕事の事情で出会った女子とかが、年齢の話になって「42歳です」というと、「ウッソー! 意外です。32歳かと思いました」と、嬉々としていう。そんなことでワシが喜ぶと思っているのか? 多少嬉しく思わんでもないが、心にもないことをぬかすでないぞ……。

・挨拶後に空気扱い

まあここまでは許そう。挨拶代わりだ。それにも増して許せんことがある。それは、挨拶だけ済ませたら、一切目も合わそうとしないことだ。ふざけんなよ!! さっきお前お世辞みたいなことぬかしてたのに、もうワシは景色か!? 空気か!? 存在さえなきことにすんなよ、マジでふざけんなよ! 

「ウッソー! 意外です。32歳かと思いました」、なんのためにコレ言ったんだよ。お前のお世辞は全然嬉しくなかったけど、その後に空気扱いされたことでダブルでショックだわ。空気にお世辞をいうヤツ、初めてみたわ。何のメリットがあんねん! コラァアッ!!

・肉を食うなら東京トンテキに行け

という訳で、怒りを鎮めるのに、肉はうってつけである。分厚い肉を食いたいのなら、東京・渋谷の「東京トンテキ」に行くが良い。ここはその名の通り、トンテキを食わせる店。注文するのは、トンテキ定食の並(200グラム 1050円)ではない。大(300グラム 1250円)ではない。

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男は黙って特大(500グラム 2300円)じゃい! アツアツの鉄板にグローブのような肉塊がのって出てくるぞ。これを見ただけで、アツい血潮の滾(たぎ)りを感じるに違いないだろう。

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・かぶりつけ! 食らいつけ!!

ニンニクのきいたソースにヒタヒタに浸かったトンテキ。コレを切り分けてかぶりつく! 食らいつく! するとどうだろう。先ほどまで怒りで脈打っていたコメカミが次第に落ち着き、脳内に何か気持ちのいい感じのホルモンが分泌している気がする。めまいがするほど腹立たしいことがあったら、ぜひとも肉を食ってくれ。オジサンのチエ袋は、生きるチエでパンパンだ。これからもいろいろ紹介していくぞ。

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・今回紹介した店舗の情報

店名 東京トンテキ
住所 東京都渋谷区渋谷2-22-10 タキザワビル2F
営業時間 11:00~15:30、18:00~23:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼トンテキ定食の特大(2300円)は、焼き上がるのに15分程度かかる
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▼グローブ状のドデカい肉に、興奮を禁じ得ない!
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▼ご飯にドーンと肉を乗せて豚丼にして食らうもヨシッ!!
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