外出自粛が続いている。政府は2020年5月6日まで、全国を対象とした緊急事態宣言を発出し、不要不急の外出を控えるように呼びかけている。感染拡大を防ぐためには、できるだけ自宅にいるように努める必要がある。とはいえ、誰とも話さずに過ごすのは寂しいものだ。
そこで最近オンライン飲み会を開いた私(佐藤)は、さらに面白そうなイベントに参加してみた。それは、東京・世田谷区のカフェバーが主催するオンライン100人飲み会だ。100人もオンラインで集まったら、どうなっちゃうの!?
ということで、オンライン会議サービス『Remo(リモ)』の使い方をお伝えすると共に、オンライン100人飲み会について紹介しよう。
・カフェバーが主催
今回イベントの存在は、知人が共有したFacebookの投稿で知った。100人でオンライン! そんなことできるの!?
4月17日に開催された100人飲み会。主催していたのは、池尻大橋の飲食店『Whims coffee and bar』だ。運営元の株式会社コンストラクトフィルムワークスの代表取締役の三宅恭平さんがFacebookでイベントを立ち上げたことを機にお店の常連さんが集まり、すでに何回かテスト開催を重ねていたそうだ。
ちなみに同社は、野外で映画鑑賞を行いながらキャンプする『無人島シネマキャンプ』も主催している。
・Remoの設定
さて、今回のイベントで使われていたRemoについて、パソコンでの登録および利用方法をお伝えする。
まずはRemoのページにアクセスし、画面右上(もしくは左下)の「Start Free Trial」をクリックする。フリートライアルとあるが、参加するだけであれば無料だ。
続いて名前・メールアドレス・パスワードを入力する。Googleアカウントを持っている場合は、そのアカウントでサインインが可能だ。
Googleアカウントで利用する場合は、使用するアカウントを選択する。
アカウント登録が完了したら、次は名前と写真の設定。「COMPANY PROFILE」は個人名など何かを入れておけば問題ない。名前と写真を指定して、保存(SAVE)すれば使用開始前の設定は完了だ。
さっそくRemoに入ると、何もない空っぽの状態である。イベントを自分で開催するか、開催中(開催予定)のイベントに参加しないと、何もできることはない。なお、画面左上の「R」をクリックすると、サイドバーにメニューが表示される。
過去に参加したイベントについては、「JOINED EVENTS」で確認することができる。
・カメラ、マイクの設定
次にカメラとマイクの設定について。事前にサイドバーから「SETTING」を呼び出して設定もでき、イベント参加時の設定も可能だ。
初回設定時は、使用しているブラウザがカメラやマイクの使用権限を求めてくるので許可しよう。許可してあっても、カメラやマイクをオフにしてイベントに参加することも可能だ。
プレビュー画面で、カメラの距離や角度、マイクの感度を確認しておこう。
・テーブルレイアウトが面白い!
準備が整ったところで、開始から約1時間遅れで会場に入ってみると、すでに大勢の人がテーブルを囲んで、オンライン飲み会を行っているのがわかる。Remoの面白いところは、テーブルレイアウトになっているところだ。
上部にステージがあり、中央のフロアに6人掛けのテーブルが10卓以上ある。テーブルをダブルクリックして席に着くと、そのテーブルの人たちとオンラインでおしゃべりできるようになっている。仮想イベント会場といったところだろうか。緑の丸で囲われたアイコンが、参加者の存在を示している。私が入場した段階でほとんどのテーブルが埋まっていた。
・飲み会の風景
画面上部に、テーブルについている人のカメラ映像が表示される。そのテーブルに参加していなければ、他の参加者は会話を聞けないようになっている。
画面下部のメニューから「TILE VIEW」に切り替えると、カメラ映像がタイル状に表示され、より見やすくなる。
そのほかチャット機能(全体・テーブル・参加者個別)やスクリーン共有、ホワイトボードなどの機能が備えられている。今回は飲み会だったが、会議に必要なツールもほぼすべて用意されているといって良いだろう。
・大人数オンライン飲み会の感想
初めて参加してみた率直な感想は、「楽しい!」だ。出会う人のほとんどが初めて顔を合わせる人たちだったが、リアルな飲み会とそれほど違いがないように感じられた。見知らぬお店に紛れ込んで、常連さんたちとお話するのとそれほど違いはない。
自宅で好きなものを飲み食いして、自分のタイミングで退席すればいい。しかも帰りの足を心配する必要もない。こんなにイイ飲み会、今まで味わったことがないぞ! 宅飲みの宴会、最高じゃないか!
とはいえ、飲食店が開催するには課題がある。仮にコレと同じような形で運営するとして、どこで収益を上げたら良いのか?
飲食を提供せず、会場を提供しているだけではお店としての魅力がそがれてしまう。テイクアウトやデリバリーで対応するとしても、小さなお店では届けられるエリアは広くない。難しいところだ。
出来れば、そのようなことに悩まなくて済むように、つまり なるべく早く気軽にお店へ行ける状況になって欲しいと、切に願う。
取材協力:Whims coffee and bar
参考リンク:Remo
Report:佐藤英典
Screenshot:Remo