「チョイ足し」すると美味しくなる組み合わせは多数ある。そのうちの1つが、以前ロケットニュースでも取り上げた「カップ麺に日本酒をチョイ足し」だ。試してみたところ、確かに風味が増して美味しくなった。

しかしそこで、気になってしまったのだ。「チョイ足し」ではなく「全入れ」したら更に美味しくなるのでは──と。つまり、カップ麺をお湯ではなく、日本酒オンリーで作ってみたらどうなるのか──と。同じことを考えた人は多いかと思うが、結論を言うとやめておいた方がいい! なぜなら、どう頑張っても美味しくならなかったからである。

注意喚起の意味を込めて、実際にやってみた結果を紹介したい。

・アルコール最強説

今回の検証はとてもシンプル。カップ麺を作る際のお湯を日本酒にして作るだけだ。カップ麺も日本酒もコンビニに売っていたため、思い立ってすぐに調達出来た。

筆者はお酒初心者のほぼ下戸だが、恐らく加熱する際にアルコールが全て飛ぶはずなので大丈夫……と考えたのがそもそもの誤りだった。ちなみに、試しに少し飲んでみたら香りも味も良い。お酒自体には何の問題もなかったのだが、その組み合わせに無理があったのだ。

さて、まずは日本酒を加熱していく。アルコールをしっかりと飛ばすため、沸騰してからも10分間加熱。加熱している最中に少し変なニオイがしている気がするものの、これはアルコールが飛んでいるニオイなのだろう、多分。

しっかりと加熱した日本酒をカップ麺に注いだ時点では、お湯を入れたものと見た目に差はなかった。──が、やっぱり日本酒を注いだ側から変なニオイが漂ってきている。しかし今更どうしようもないのでそのまま5分待ち、完成〜!

5分経過しても相変わらず日本酒カップ麺から異臭がするが、通常カップ麺よりもお揚げの見た目がふっくら仕上がっている!

美味しいものと美味しいものを足し合わせたところで、さらに美味しくなっているに決まっている。初めまして日本酒カップ麺、いただきます!

うわ〜、めっちゃくちゃ美味しくない!! 美味しいカップ麺に美味しい日本酒を入れたのにどうして。しかも、アルコールが全く飛んでない! 見た目は美味しそうだが、加熱した際にお酒の風味が変質してしまったのか、消毒用アルコールに麺を突っ込んだみたいだ。異臭の原因も加熱か……

調べてみたところ、お酒に含まれているアルコール分を完全に飛ばすのは難しいようで、蒸発しきるギリギリまでアルコール分が残っているという説もあるようだ。ならば、全て蒸発させたら美味しくなるはず……! 美味しくなれ、と願いを込めながら炒めてみる。

食材を無駄にするわけにはいかないし、何よりこのまま「美味しくない」で終わるのはなんか悔しい。大きめのフライパンでじっくりと炒め、確実に水分を蒸発させていく。

完全に水分を蒸発させたところで、器に戻してみる。おお、混ぜそばにジョブチェンジしたみたいだ。異臭も消えたし、なにより美味しそうじゃないか日本酒カップ麺・改! いざ、食べてみると……

やっぱり美味しくない!! アルコールは感じられなくなったものの、今度は日本酒が持っていた甘みが凝縮されてしまったのか、カップ麺だと思えない程ひたすら甘い。しょっぱさを求めてお醤油をかけてみたが、それくらいではビクともしない甘さ。一体私は何を食べているんだろうか、と意識が遠のく味だ。

美味しくなるはずだったカップ麺と美味しかった日本酒に、心の中でひたすら謝りながら食べた。ある意味「罪な味」だ。生み出してしまった者の責任として完食したが、もう二度と作ることはないだろう。ごめんね……。

・教訓を得た

「美味しいものに美味しいものを足し合わせたら美味しくなる」なんてウマイ話はなかった。欲を出して道を踏み外した者は、地獄を見ることになるのだ。気になった方もいるかもしれないが、決して真似してはいけない!

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼加熱するまでは本当に美味しい日本酒でした。

▼「チョイ足し」は美味しかったんです。好奇心は猫をも……

▼まさか地獄を見るはめになるとは思わず、カップ麺のフタを押さえる用のフィギュアにキャッキャしてました。

▼お酒初心者なほぼ下戸の許容量をオーバーしていた模様。しかし日本酒は美味しかったので、オススメが知りたい今日この頃です。