日本全国8000万人のキングダムファンに告ぐ──。この記事には盛大なネタバレが含まれているので、どうかヤングジャンプ最新号(2020年新年合併6・7号)まで読んでいない方は、今すぐこの場から立ち去っていただきたい。今すぐ、離脱、せよ。これは、大マジ、だ。
さて、2018年から1年に1度だけ公開される「今年のキングダム予想」も3回目を迎えた。長きに渡った「秦 vs 趙の戦い」も終わりが見えてきたが、果たして今年のキングダムはどうなってしまうのか? 熱狂的ファンを自負する記者4名が予想してみたのでご覧いただきたい。
・マジでネタバレ超注意
しつこいようだが、この記事には盛大すぎるネタバレが含まれている。その衝撃度は、控えめに言って超メガトン級──。キングダムを愛する1人の男として、今すぐ引き返すよう忠告したい。コミックしか読んでいない人は、半年後くらいにでも読み返してみてくれ。
さて、振り返ると2年以上続いた「秦 vs 趙の戦い」もいよいよクライマックスを迎えようとしている。過去2年分の記事を読み返してみたところ、当たっているところも大ハズレしているところもあるが、そんなの関係ねえ。今回も記者たちそれぞれの視線で「2020年のキングダム」を予想した。
いいか?
とんでもないネタバレがあるからな?
言ったぞ?
マジで引き返す人は引き返してくれ。
責任は取れんからな?
それでは行くゾォォォォオオオオオオ!!
・P.K.サンジュンの予想: 信と蒙武の共闘がくる?
龐煖(ほうけん)が死んだ──。信が勝った──。信がどうなるかはさておき、もう鄴を巡る戦いは秦軍の勝利と見ていいだろう。もしかしたら桓騎を中心に鄴周辺でもう一山二山あるかもしれないが、長く続いたこの戦いもそろそろ終わりが見えてきた。
向こう数週間は、出発前に王翦が昌平君に告げた「総司令、頼みがある」などの細かい伏線を回収しながら、鄴の戦いを締めくくるものと思われる。そして信・王賁・蒙恬(もしかしたら羌瘣も?)の3人が将軍に昇格し、この章はめでたしめでたしでフィニッシュするハズだ。
んでもって、難しいのは今後の展開である。しばらくは政を中心とした政争のくだりに入るのか、それとも新たな戦いが始まるのか? いずれにせよ、これだけの大戦が終了してすぐにまた大戦とは考えにくい。
しばしの間は、飛信隊の強化、信と羌瘣と河了貂の三角関係、その後の呂不韋、他国の情勢(特に趙)……などなど、細かいエピソードが続くと予想する。そして秋口くらいから次なる大戦に突入……という流れではなかろうか。
その際、気になるのは「信が誰と組んで戦うのか?」ということ。すでに、騰・桓騎・王翦・楊端和との絡みは描かれているから、ここは満を持して “蒙武” が来ると言っておこう。久しぶりに蒙武の「中華最強は俺だ!」が見たい。
・原田たかしの予想: 桓騎と李牧の絡みに注目
戦いの舞台が鄴周りへと移るようで、いよいよ終わりが見えてきた「秦 vs 趙」の戦い。どれくらいの期間で描かれるのか分からないが、個人的な楽しみはこのところ登場する頻度が少なかった桓騎だ。
以前、李牧と慶舎に「弱点」を見抜かれた描写がある桓騎。キングダムでは残酷非道の “強キャラ” として描かれているが、その弱点を突かれてあっさり負けることなどあるのだろうか。もしくは、李牧が桓騎の手の平の上でクリクリ踊ってぶっ殺されて大グソ漏らすっていう展開になるのか──。
魅力的なキャラクターが多い桓騎軍だけに、叶うことなら長く楽しみたい。オギコも見たいし。また、難攻不落の鄴を「完璧な城で攻め落とせぬ」と言っていた王翦がどう攻略するのかも気になるところだ。
ともあれ、さすがに春くらいには次のストーリーへいくはず。主人公じゃなくなるかもしれない信をはじめ、ところどころに散りばめられた伏線が回収されるターンに入るのではないだろうか。いずれにしても、今年のキングダムもずっと楽しみが尽きないはず!
・あひるねこの予想: 復活の信、立ち上がれ桓騎
うーむ……今年は何とも難しい。そもそも去年1月の時点で、私は王翦と桓騎のキャラクターの深掘りを予想していた。しかしフタを開けてみれば、王翦に関しては「こいつめっちゃ喋るやん」的なシーンが用意されていたものの、桓騎の場合、基本イスに座っていただけである。せめて立てや!
というわけで、今年は予想よりも個人的な願望を書いてみたい。まずは龐煖戦でガッツリ死んだ感じになっている信だが、もちろん死ぬことはないにしても、できれば戦線から一時的に離れて欲しいと思っている。なぜか? 少年漫画において、主人公のパーティー離脱は熱い展開に繋がりやすいからだ。
想像してみて欲しい。大将不在のまま窮地に陥る飛信隊。羌瘣の奮闘もむなしく、もはやここまでか……と思った次の瞬間! 復活した信が駆けつけルアァァァァアアア!!!! 熱いやん……。求む、「るろうに剣心」後半の復活シーンのような熱さ。
で、あとはいい加減、俺たちの桓騎に活躍していただきたいところだ。お前イスに座って壁ばっか見てんじゃないよ。せめて立てや! 函谷関の戦いの時みたく、全力で「お頭……!」と叫びたいのは私だけではないだろう。2020年、そろそろ期待したい。
・和才雄一郎の予想: 真の戦いはこれから始まる
私の予想に行く前に、ヤンジャンでキングダムの最新話を追っている読者に問いたい。みなさんは、朱海平原の展開についてどう思っているのだろう? ……こんなことを聞いても当然受け取り方は人それぞれだろうが、私の感想を言わせてもらえば「心がモヤモヤしている」に尽きる。
なぜなら、秦軍の勝ち方があまりにもパワープレイすぎるからだ。それも、薄氷の上を踏むようなギリッギリッの辛勝。こんなギャンブル性の高い戦い方をするのが王翦軍なのか? 違うだろう! と私は言いたい。「絶対に勝てる戦い」をするのが王翦軍のはずだ。
なのに何だ? 今の王翦の戦い方は。現場の体力と忠誠心と精神力に依存したブラック企業的手法で、運が悪けりゃ全滅でも不思議ではない。結果的に朱海平原では秦軍が勝ちそうだが、この展開を「王翦はすべて読んでいた」とするのだろうか? だとしたら、それはちょっと強引すぎる。
王翦だったら、「一騎打ちはどっちに転ぶか分からない」「難民に紛れ込ませた兵士による食料の焼き討ちは失敗するかもしれない」という前提で、 “どんなに不運でも絶対に勝てる策” を用意していないとおかしいのだ。それが今のところまだ見えない……が! これから始まるに違いない。
──という期待を込めて、私の2020年キングダム予想は、「王翦と李牧の知力による戦いが本格的にスタートする」としたい。つまり、今までの武力勝負は前座のようなもので、本番はこれから。いよいよ、鄴攻防戦の知力勝負が始まり、「そう来たか!」と膝を打ちまくる戦術合戦を見せてくれる……といいなぁ。
ご覧のように、そろそろ「秦 vs 趙の戦い」が終結するため、今後の展開を読むのは難しい。とはいえ、きっと原泰久先生なら……! 原泰久神(はらやすひさしん)なら我々の予想をいい意味で裏切るストーリーを見せてくれるハズだ。先生、マジで期待してます。
というわけで、今年も我々ロケットニュース24は全力でキングダムを応援していく次第だ。真面目な話、キングダムが休載の木曜日は事務所がお通夜みたいになってるからね! 2020年もキングダムに大夢中です!!
参考リンク:キングダム特設サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.