忘新年会に年越し準備、子どもたちにはお年玉……年末年始は何かと物入りで、家計がピンチの人も多いかもしれない。全国のみんなは何にどれくらいお金を使っているのだろうか? なかなか聞けない、よそのお宅の懐事情がわかる興味深い意識調査をご紹介したい。
調査を実施したのはソニー生命保険株式会社。全国の20歳~59歳の男女4700名(各都道府県100名)に対し、今年で5回目となる「47都道府県別 生活意識調査」を行ったという。【食べ物の美味しさ自慢】など、その名の通り「意識」を聞く項目も多いが、マネータイプや消費傾向について尋ねている部分が面白い。日本でもっとも貯蓄額が多いのは? 1カ月の小遣いは? 恋愛にお金をかけるのは? など、気になるマネー事情を見てみよう!
・年末年始の予算は?
今年の忘年会にかける金額の全国平均は5419円、同じくお歳暮にかける金額の全国平均は3707円だそう。体感的には、ひと昔前に比べてお歳暮やお中元の習慣がだいぶ薄れてきている気がする。
ただしお歳暮の金額は都道府県ごとの差が大きく、沖縄県の8608円が断トツ。他にも沖縄県は来年のお年玉に1万3160円も渡す予定で全国1位。さらに【家族との時間にお金をかけたい】【家族の仲がいい】【夫婦デートの回数】【夫もよく家事に参加している】の項目でトップで、家族や親族をめちゃくちゃ大事にする県民性がありそうだ。
初詣のお賽銭の全国平均は286円だが、1位の愛知県は平均694円。同県は日本で一番「寺院の多い県」で、神社の数でも上位に入る。実は愛知は京都よりも奈良よりも寺社仏閣が多い県なのだ。
・初売りで使う金額は?
当サイトでも福袋特集が始まっているが、初売りバーゲンで使う予定金額の全国平均は4041円。福袋なら1〜2個というところか。トップの岩手県は7120円だそうで、他にも【クリスマスプレゼントの金額】2位、【自分は浪費家だと思う】3位となっている。
一方で消費増税後、【日用品をケチケチ使う回数が増えた】【買いたいものを我慢する回数が増えた】も岩手県が1位。普段はコツコツ倹約しながらもイベントではパーッと使う、豪気な県民性がうかがわれる。
・小遣いはいくら? どれくらい貯金ある?
1カ月の小遣いの全国平均は1万9402円! 調査対象は20歳~59歳の男女とのことなので、ほぼ働いている世代の大人の小遣いと言える。
ただし1位「東京都」(3万5500円)、2位「静岡県」(2万7250円)、3位「福島県」(2万5150円)と、東京都が2位以下を大きく引き離している。
現在の貯蓄額も東京都(650万9000円)がぶっちぎりの1位。そんなに!? とちょっと焦るが、47都道府県中、600万円を超えているのは東京だけだそう。全国平均はだいぶ下がり、346万5000円。給与水準や物価も違うから一概には言えないが、日々、多くのお金が動いているのが首都・東京と言えるだろう。
・恋愛や美容にお金をかけるのは?
【恋愛にお金をかけたい】1位は神奈川県! なんかわかる! 同県は【友人との交際にお金をかけたい】も5位で、恋に遊びに余念がないリア充感あふれる結果となった模様。
【美容・化粧品にお金をかけたい】では、1位「沖縄県」、2位「福島県」「岐阜県」、【衣類・ファッションにお金をかけたい】では、1位「佐賀県」、2位「福島県」「宮崎県」と、福島県がどちらも2位にランクイン。福島県民は美意識が高い?
【旅行にお金をかけたい】や【食事にお金をかけたい】と答えた人は上位の都道府県では40%、最下位でも20%前後で、多くの人が関心を持っていることがわかる。食べること、旅することは豊かな人生に欠かせないスパイスかもしれない。
・消費増税は気にしている?
消費税が10%になってから【外食(店内飲食)する回数】が減った人は、1位「滋賀県」(40.0%)、2位「福島県」(38.0%)、3位「鹿児島県」(36.0%)と、4割近い人が外食回数を減らしているようだ。
また、ポイント還元が受けられる【キャッシュレス決済で支払いをする回数】が増えた人も1位「愛知県」「奈良県」(同率53.0%)、3位「石川県」「高知県」(同率52.0%)だそう。たかが2%、されど2%。みんなだいぶ意識して節約しているんだなぁという印象。
・金は天下の回りもの
お金をどんな風に使うかは、その人の人生観を示す指標でもある。何を大事にし、何を切り捨てるかが如実に現れてくるからだ。金は天下の回りものとも言うし、正解、不正解はなくともせめて後悔のないよう使いたい。未来に備えるのも大事だが、筆者はいつも「明日死ぬかもしれない」と思って暮らしている。慎ましくも今年も年を越せることに感謝だ。
では、今年最後のBIGを買いに行かなければいけないのでこの辺で。
参考リンク:ソニー生命「47都道府県別 生活意識調査」、宗教統計調査「全国社寺教会等宗教団体・教師・信者数(都道府県別)」
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.