30~40代の男性であれば、子どもの頃に「UFO」「幽霊」と同じくらいに信じていたはずだ。週刊少年ジャンプで連載されていた『魁!! 男塾』に登場する「民明書房」の存在を。私(佐藤)は信じていた! 実在する出版社であると。
これが架空のモノであると知っているかどうかで、その人の「大人度」が試されるといっても過言ではない。そんな民明書房の内容を記述したトランプが存在していた! 私はあろうことか、先日オープンしたばかりの渋谷パルコで思わず買ってしまったのである! 知っているのか雷電!?
・渋谷パルコで男塾
このトランプは、2017年に週刊少年ジャンプの創刊50周年に発売されたグッズの1つである。渋谷パルコ6階のジャンプショップで販売しているのを発見してしまった私は、買わずにはいられなかった。男塾のキャラトランプならわかるけど、民明書房だよ! 買わない手はないッ!!
民明書房とは、先にも述べたように架空の出版社である。大抵は、敵が必殺技を繰り出す際に、その技の説明で民明書房の書籍が登場する。それが男塾のパターンだ。
トランプは全54枚(+無地カード2枚)。ジョーカーは男塾塾長の江田島平八かと思ったら、2枚ともきっちり民明書房からの引用という形を取っている。キャラトランプではないので、主人公の剣桃太郎でさえ1枚もない、徹底的に民明書房だ。
・ドスコイカーン
実際にカードを見てみると、民明書房全開である! 54枚のカードすべてに、作品に登場した架空の書籍の名前と説明がズラリ! 男塾世代の人なら、ず~っと見ていられるはず。それらのなかでも秀逸なものとして、たとえば「地獄相撲(チャガ・ボルテ)」の記述はこうだ。
「ちなみに現代の日本の相撲で使う「どすこい」という掛け声は、この地獄相撲最強の戦士として知られた「ドスコイカーン」の名に由来するという説もある」(魁!! 男塾 民明書房トランプより)
子どもの頃は信じた! 「ドスコイカーンから来たのか~!」って、それを読んで少し賢くなった気さえしていたが、今は思い出とともに、これらの記述を微笑ましく見ることができる。
・7並べを断念
せっかくトランプがあるので、当編集部のYoshioとあひるねこと一緒に「7並べ」をやってみることにした。とりあえず、トランプの図柄を彼らに見せた段階で、面倒なことが起きた。なんと彼らは男塾を知らないというのだ! そんなヤツいるのかよ!?
厄介なことに、彼らは図柄を見るなりいろいろと質問をし始めたのである。
Yoshio「これは?」
佐藤「これは、趨滑襲(すうかっしゅう)、民明書房刊『室内球技における中国文明の影響』だね」
Yoshio「じゃあ、これは?」
佐藤「魔翔流気法(ましょうりゅうきほう)、民明書房刊『バットマンかく語りき』だね」
あひるねこ「こっちは?」
佐藤「砕氷凍界(さいひょうとうかい)、民明書房刊『かき氷屋三代記ー我永遠に氷をアイスー』」
Yoshio「それは?」
佐藤「水龍ぽー球(すいろんぽーきゅう)、民明書房刊『泳げ! 騎馬民族』」
あひるねこ「これは?」
佐藤「大鍾音(だいしょうおん)、民明書房刊『戦国武将考察』」
この調子で、一向に7並べを始めることができなかったので、また次回ということになってしまった。ということで、このトランプは男塾ファン、および民明書房ファンが眺めて楽しむのが1番良いようだ。繰り返すが、民明書房は架空の出版社であることをお忘れなく。