吹き抜ける風が肌寒い今日この頃。街にはマスク姿の人がチラホラ見受けられるようになってきた。それもそのはず、もう11月……冬である。
そんな冬の味覚と言えば蟹。そこでカニ缶を探してみたところ、なんと1万円のものが売られていた。いくら蟹が冬の味覚の王者と言えど、缶詰で1万円は高すぎるのではないか? そう思ったため逆に買ってみたぞ!
・開缶の衝撃
ところで、あなたにとってカニ缶とはどういったものだろうか? 庶民である私(中澤)にとっては、カニ缶と言えばほぐし身というイメージがある。蟹チャーハンとかパスタに使うような感じだ。
しかし、1万円のカニ缶の中身は、そんな私のイメージと全然違った。カニ缶の概念を覆されたと言っても過言ではない。なぜならば、缶詰を開けたところ……
\ドーン!/
と音が聞こえそうなほどにぶっとい脚肉が出てきたのである。さらには、金箔までふんだんに使われており、高級感に余念がない。
・食べてみた結果を正直に言う
そんな缶詰の名前は『缶つま極 たらばがに一番脚肉 水煮 金箔入り(税込1万800円)』である。K&Kの缶詰シリーズ「缶つま」の最上位にあたるこの缶詰。ボリューム感のあるカニ肉をギュッと噛むと、カニの旨みが口いっぱいに広がる。ウメエ……。
正直言うと、このカニには唸らされた。缶詰とは思えない……というか、缶詰じゃなくともここまで分厚いカニ肉を食べたのは初めてだ。
そう、ウマイ。蟹自体は「さすが1万円」と思う味だ。しかしながら、私には開ける前からずっともやもやしていることがある。正直言って……
金箔はいらんやろ。
確かに高級感の演出になるし、缶詰を開けた瞬間若干テンションは上がったが、金箔なしで値段が安くなるなら是非ともそうして欲しい。また、金箔は缶などに付着して全部さらえないためもったいない気持ちになるのが残念だ。と、その時私は気づいた。
・缶詰に詰められた想い
あくまで自分で買って自分で食べることを想定していたが、これってひょっとしてプレゼント用なんじゃない? もし、これを人からもらったとしたら、金箔の高級感も逆にテンションぶち上がる気がする。
なんてこった。私は今まで自分のことしか考えていなかった。自分の喜びよりも相手を思いやったこの缶詰は、さながら賢者の贈り物のようではないか。
缶詰はただの保存食ではない。そこにはそれぞれの物語が詰まっている。今回もそんな物語を知ることができた。正直、1万円は非常に安かったと言える。
Report:缶詰評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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