みんな大好きびっくりドンキー。その記念すべき第1号店は、北海道札幌市にある……と思っている人はいないだろうか? いや、ある意味でそれは正しい。運営会社アレフの所在地も札幌である。しかし、実はびっくりドンキーには、原点となるお店が存在するのだ。
と言っても有名なエピソードなので、ご存知の方も多いだろう。その名は「ベル」。岩手県盛岡市にある「ハンバーグレストラン ベル大通店」である。びっくりドンキーの元祖と呼ばれるこちらのお店に、先日生まれて初めて行ってきたぞ。さあ、聖地巡礼といこう!
・いざ聖地へ
我らが「びくドン」の聖地は、盛岡の繁華街の中にあるらしい。盛岡駅から少し歩いて大通商店街を進んで行く。ちなみに、先日ご紹介した盛岡冷麺発祥の店「食道園」もこのあたりだ。んで、通りからちょいと小道に入っていくと……
え、岩!?
・岩があった
岩じゃ。盛岡の繁華街には岩がおる。何やらゴツゴツとした外観の、アトラクション施設みたいな建物がそこにはあった。おそらく、ここが聖地「ベル」なんだろう。味のある古めかしい看板もいい感じだ。
・マジ元祖
ただ、あまりにも「びくドン」感がないというか、本当にここは全国的なハンバーグチェーンの店舗なんだろうか……? 入口付近でキョロキョロしていると、そんな私の不安を感じ取ってか、「ベル」は優しくこう語りかけてきた。
「ご存知でしたか? “べる” がびっくりドンキーの1号店なのです」
はい、ご存知でした! 疑ってすいません!! 実はこれ、びっくりドンキーのホームページにもハッキリ書かれている。1968年12月、ハンバーガー&サラダの店として誕生した「ベル」は、1971年に主力メニューをハンバーグに変更。その後「びっくりドンキー」の名で全国へ展開することになる。
つまり札幌にある びっくりドンキー1号店は、名前が変わってからオープンした最初の店舗ということになるのだ。勉強になりましたね。というわけで、お腹もすいたことだし中に入ろう。
・歴史を感じながら
店内は思っていたよりもだいぶ広く、そしてこれは後で知ったことなのだが、なんと座敷席も選べるらしい。ざ、座敷!? びっくりドンキーで? まるで居酒屋ではないか。さすが聖地。さて、2階に案内される道中にも注目すべきポイントはあるぞ。
階段の壁に飾られたいくつもの写真や資料。これはまさに びっくりドンキーの歴史そのものだ。当時の「ベル」の写真から……
1971年時のメニュー表まで。そこにはハンバーグ200グラムが400円とある。安いッ! と言っても、今の感覚だといくら位なのかはよく分からないが。そしてそれ以上に驚いたのが、メニューにパインバーグがあるってことだ。お前、変化球と思いきや……そんな昔からいたんか!!
・古い洋館のよう
聖地「ベル」は、洋風かつレトロな内装で非常に雰囲気がよろしい。作られた演出としての “レトロ風” ではなく、本気でレトロなのだ。人が通りすぎてすり減ってしまった床に長い年月を感じずにはいられない。ただ、メニュー自体は完全に「びくドン」なので逆に違和感があるな。写真を撮り忘れるくらい、いつも通りの「びくドン」なのだ。
・倍ウマい
結局その日は、安心安定のチーズバーグディッシュを注文。当然いつものバーグが来るわけだが、なぜだろう……いつもよりウマく感じてしまう。時間の流れも心なしか緩やかだ。よく考えたら先月池袋の「びくドン」に行ったばかりなんだけど、まあ、食事って雰囲気も大事よね。
・盛岡に寄った際は
びっくりドンキーのような、でもびっくりドンキーじゃないような……。聖地「ベル」は、そんな不思議な空気が漂う歴史ある名店だった。都心の店舗では決して味わえないであろう温もり、そして独特の匂いがそこにはあったように思う。とびきりの “びっくり” を求め、ぜひまた訪れたいものだ。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ハンバーグレストラン ベル大通店
住所 岩手県盛岡市大通1丁目4-7
時間 9:00~0:00(モーニング:9:00~11:00、ランチ:10:00~17:00)
休日 日・祝
参考リンク:びっくりドンキー
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
▼歴史を感じさせる写真の数々。
▼これがディッシュメニューの原点らしい。
▼おしぼりは「ベル」仕様だ。