本日10月4日はイワシの日! 塩焼き、煮つけ、刺身にちりめんじゃこなど、どんな食べ方でもイケるイワシは最高のユーティリティープレイヤー。どこを守らせてもイケる安定の味は、魚界の木村拓也と言っても過言ではないだろう

そんなイワシは缶詰においても主力メンバーだ。酒の肴にご飯のお供に大活躍の「いわし缶」の中で最もウマイのはどれなのか? 缶詰マニアが選ぶ「最強いわし缶」がこれだ

・缶詰を愛し缶詰に愛された男

その人物の名前は仲川さん。自身が店主を務める鈴木酒販三ノ輪本店では、100種類以上にも及ぶ缶詰を取り扱っている。この膨大な品揃えは趣味によるものなのだとか。

ウマイ缶詰の探求に余念がない仲川さん。まさに、缶詰を愛し缶詰に愛された男と言えるだろう。そんな仲川さんがオススメする「いわし缶」4選は以下の通り。

・その1:高木商店『焼きいわしのアヒージョ』

仲川さん「ニンニクがイワシとよく合っていて濃厚な旨みにお酒が進みます。正直、これがいち推しですね」

まず、仲川さんが自信を持ってオススメしてきたのは高木商店『焼きいわしのアヒージョ(税抜き231円)』だ。缶詰のフタを開けると、ブワッと立ち込めるニンニクの香り。この時点ですでにニンニク好きにはたまらないだろう。

食べてみたところ、缶詰と思えないほどの強烈なパンチ力。しかし、甘みもあり、その2つの味とイワシの豊かな旨みが濃厚に口に広がった。ご飯にタレもろともぶっかけたい……そんな衝動に駆られる逸品である。


・その2:千葉産直サービス『ミニとろイワシ』

仲川さん「使われているイワシが非常に良くて、刺身に使えるくらいサイズが大きく脂も乗っています。味付けが過剰すぎず上品なところも好きですね」

千葉産直サービス『ミニとろイワシ(税抜き300円)』は素材の力が違うとのこと。それもそのはずこの缶詰は、銚子港で獲れた新鮮で脂が乗ったサイズのマイワシだけを厳選したものだという

味付けは甘辛いが、いやらしくはなく、何よりその味を超えるほどにイワシの旨みが迫ってくる。この素材力には脱帽だ。


・その3:マルユウ『いわし水煮・醤油煮』

仲川さん「ウロコの混入が少なく、脂が乗っていてなめらかな食感は素晴らしいです。イワシも大きく食べごたえがありオススメですね」

根室で獲れるブランドイワシ・根室七星を使用したマルユウの『いわし水煮・醤油煮(税抜き429円)』。開缶してみると、ギッシリと詰まったイワシが140グラム

以前の記事で幻のさんま缶をご紹介したメーカーだが、「いわし缶」も負けず劣らず大迫力である。私(中澤)が購入したのは水煮だが、圧倒的な脂の乗り方とボリューム感は変わらない。さすが北海道根室の星


・その4:竹中罐詰『天の橋立 オイルサーディン』

「イワシの缶詰の中ではかなり有名ですね」と、最後に仲川さんが教えてくれたのが竹中罐詰『天の橋立 オイルサーディン』だ。その価格はAmazonで1個税込835円! 缶詰を開けてみると小イワシがお行儀よく並んでいる。

ひと口でイケてイワシの旨みを噛みしめられるそのサイズ感は酒の肴にピッタリ。味付けは薄めなので、パスタなど他の料理に使う場合の汎用性は高いと言えるだろう。


──以上である。全ての缶詰を食べてみた結果、私個人としては、高木商店『焼きいわしのアヒージョ』が段違いにウマかった。これで税抜き231円って神かよ


というわけで、缶詰マニアにいわし缶を4つ厳選してもらったが、あなたが欲しいものは見つかっただろうか? もし、気になるものが見つかったのなら、イワシの日である本日、酒の肴の参考にでもしていただけると幸いだ。

執筆:缶詰評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.