4年に一度の「ラグビーW杯」が9月20日に開幕するまであと少し。すでにカウントダウンは始まっており、国の威信をかけたガチンコ勝負がここ日本で見られる。ホスト国として日本代表の活躍に期待したいが、圧倒的なド本命はやはりW杯2連覇中のニュージーランドで揺るがない。

通称・オールブラックス──ラグビーに詳しくなくてもその名を聞いたことがあるだろうが、漆黒のジャージをまとう彼らの強さは異次元中の異次元。なんと言っても、世界のあらゆる国に勝ち越しているのだ。一体何が不可能と思われているものを可能にしているのか、そして他国と違って何がどう秀でているのだろうか。

・ラグビーが人生

理由として最初に挙げられるのは「育った環境」だ。ニュージーランドで生まれた子どもたちは、幼い頃からラグビーに触れて育つ。当然ながら夢はオールブラックスの一員になること。黒いジャージを着用して伝統の舞「ハカ」を踊ることができるのはほんの一握りだけに、彼らはオールブラックスに対する思いが強いし、プライドを持って戦う。

そしてこれはオールブラックスの選手に直接聞いた話だが、国を背負って戦う「黒いジャージ」に袖を通して涙を流す選手もいるらしい。そう、彼らにとってラグビーというスポーツは人生そのもの。厳しい競争のピラミッドを勝ち抜き、夢を実現させた猛者(もさ)中の猛者……つまり超エリート集団が全身全霊で戦うから強いわけだ。

・経験が正しいプレーを選択させる

また、幼い頃からラグビーに触れている彼らは高いレベルのプレーを瞬時に共有することもでき、何度も失敗を経験してきたことでどの場面でも正しい判断を下せるという。どこに行くか分からない楕円球で常に正しいプレーを選択する──実際に遂行するのは難しいように聞こえるが、可能にしているのがオールブラックスである。

それでいて彼らは頭脳プレーも華麗にこなす。ラグビーはガチンコでぶつかり合うスポーツと思われがちだが、いかにミスをせず陣取りしていくかという顔も持ち合わせる。相手の些細なミスを逃さず、時と場合に応じてプレーできるのも強みだ。

・なぜオールブラックスが強いのか分かる動画

さて、それらを踏まえた上で YouTube にアップされている動画「Every All Blacks try in 2018」をご覧いただきたいのだが、内容はずばりオールブラックスのトライ集(2018年)だ。再生時間はおよそ12分とちょいとばかり長いように感じるが、実際にはあっという間。さまざまな形でトライを奪っていることが分かるため、一度再生してしまえば見入ってしまうだろう。

中でも注目して欲しいのは、基礎を忠実に守っているところ。ラグビーにおいて欠かせない「自分を犠牲にして仲間を活かす」プレーを全員が遂行している。ポジションはあってないようなもの。黒いユニフォームがどこからともなくフォローに顔を出すことで、迫力のある波状攻撃が生み出されているのがよく分かる。

他にも、異常なほど早いリカバリーをはじめ、体重が100キロ近い選手の独走、オフロードパス(自分を犠牲にしながらも仲間へ繋ぐパス)、ここぞという場面で使うキック……。攻撃のバリエーションの多さも目を引く。

・ニュージーランドの初戦は必見

ルールが難しいと言われがちなラグビー。しかし、前に落とす&投げることが反則だと分かっていたら、実はそんなに難しいことはないのでぜひW杯をじっくり観戦してみよう。なお、前人未到の3連覇に挑むオールブラックスの初戦は9月21日の南アフリカ(スプリングボクス)戦。いきなりの好カードなので注目だ。

参照元:YouTube
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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