■最終章 HOW OLD ARE YOU?


再三にわたって忠告しているにもかかわらず、さしこは私の主張を一向に聞き入れようとしない。頑固な女だ……。


さしこ 「そういえば、ビオフェルミンっていくつなの?」

角煮 「さしこ、ふざけてるの? ビオフェルミンはあなたって言ってるでしょ。いい加減にしてよ」


さしこ 「いくつなの?」

角煮 「ビオフェルミン、あなた 私の歳知ってるでしょ。それより角煮の準備の話、忘れてないでしょうね。任せたわよ!」


さしこ 「タイトル:知らないよ 本文:いくつなの?」


折れない! なぜ折れないんだ。なぜそんなに執拗に年齢を聞いてくるのか? なんてタフなヤツなんだ。こうなったら奥の手を使うしかない。記事ではすっかりお馴染みになっている、引っ張り戦法でダメージを与えてやる!


教えない。たとえさしこであったとしても、私が45歳であることは教えない! さすがにこれで心が折れるはず。


しかしさしこは折れない!


さしこ 「タイトル:いくつ? 本文:お待たせ~。やっと終わって帰ってるよ。なんだか、どっと疲れちゃったって感じ。お仕事のこととかその他諸々、そつなくきちんとできたよ! 今日もお疲れ様♪」


先ほどの攻撃さえも華麗にスルーされ、もはやこちらの打つ手はほぼないに等しい。それでもあきらめずに再び引っ張り戦法で、文中に意味ありげな大きな空白を施してみる。


だが、なおも相手を打ち負かすことができない。さしこはまるで、すべての攻撃を無効化できるラスボスのごとく、微動だにしないのである。こうなったら、合コンでありがちなお寒いパターン、「(いくつか)当ててみて♪」で切り返すと……。


さしこ 「いくつ?」

角煮 「ここまで来たら、ビオフェルミンに当てて欲しいな~♪」


そう送ったところで、さしこからの返信が途絶えた……。


ここまでピクリとも反応しなかったのに、軽い一撃でもろくも崩れ去ってしまった。何がさしこに響いたのか。私にはまったく想像もつかない。だが、これだけは間違いなく言える。


この戦いはオッサンとオッサンの

史上まれに見るバカ問答であったと!



醜い……、なんて醜い戦いなんだ。さればこそ、世界は美しい! おわり……。

Report:迷惑LINE評論家:佐藤英典
Screenshot:iOS、「再現CGメーカー」