あの日以来、いまだに考えている。熱心なロト7ファンであれば、おそらく「あれか……」と感づくことだろう。そう、さる第310回ロト7において1等9億3358万3800円×3口=約28億をゲットした人物についてである。

3口なだけに「3人」という可能性もゼロではないが、あの衝撃の結果を見た誰しもが「絶対に1人だ……」と思ったに違いない。確証はないが、十中八九「1人」なのだ。たった1人が一夜にして28億円をゲットしたのだ。

仮に「1人」と仮定すると、いったいなぜ、彼(もしくは彼女)は、同じ番号を3口も買った……いや、買えたのだろう? 深く推理してみた。

・なぞの28億円おじさん

今回の推理は、夜遅くまで仕事して最後まで会社に残っていた私(羽鳥)を含めた3人で行った。自然発生的に「あの28億円おじさん、どんな人なのかな……」と誰からともなく話し始め、夜な夜な推理合戦が始まったのだ。なお、なぜ勝手に「おじさん」になっているのかについては後述したい。

いちおうメンバーを軽く紹介しておこう。まずは熱狂的ロトファンの私(羽鳥)。続いて、競馬のみならずロト等にも手を出す根っからのギャンブラー・原田たかし。最後に、過去に「宝くじ売り場」で数年間働いていたこともある、姉妹サイトPouchの編集・御花畑マリコの3人である。



・推理その1:買ったか忘れてた説

一体なぜ同じ番号を3口も買ったのか? その答えは、「その回のロト7を買ったのかどうか忘れていた」という可能性もありうると誰かが言った。なぜならば、28億円おじさんは、ネットではなく「イオンモール高知チャンスセンター」でロト7を購入していた。つまりは現場、つまりは紙で。

ネット購入ならすぐに履歴等は確認できる。しかし原始的な「紙(マークシート)買い」となると、「あれ? 番号が書かれた紙、どこだっけ〜」となったりもするし、「買ったかどうか怪しいから、もう一度買っとこ」となるわけである。それを2回どころか3回も繰り返した……という説だ。



・推理その2:口数と回数を間違えた説

長い間、チャンスセンターで実際に働いていた御花畑マリコならではの鋭い推理がこちら。本来ならば「継続回数」を「3」にマークするところを、間違えて「各口数」を「3」としてしまったという説である。

事実、このような間違いをして買ってしまう人は多いらしく、恥ずかしながら当の私(羽鳥)もその昔、ナンバーズにおいて「10回」を買おうとしたのに、間違えて「10口」を買ってしまった経験がある。しかしそれは奇跡的にも当選した(←実話)。それを思い起こすと……この説、ありうる!



・推理その3:強運かつ強欲だった説

まったくもって根拠はないが、誰からともなく「この28億円おじさんは、最初から金持ちだったのでは」と話し始めた。それにはれっきとした根拠があり、なんと今回の伝説の地「イオンモール高知チャンスセンター」は、平成28年のグリーンジャンボ宝くじで1等6億円が出た場所なのだ。

そして、その6億円を当てたのが……なんとまさかの「28億円おじさん」であり、6億円では飽き足らず、その後はジャンボ系からロト7にスタイル転向。豊富な軍資金を武器に着々とロト7の修行を積み、晴れて第310回ロト7にて「6億超え」の28億をゲットした……という夢あふれる説である。



・推理その4:聖地とあがめて勝負に出た巡礼組説

おそらく誰もが、28億円おじさんのことを「高知の人」だと思っていることだろう。しかし、まったく高知とは関係のない人物である可能性も捨てきれない。なぜなら先述の通り「イオンモール高知チャンスセンター」は、平成28年のグリーンジャンボ宝くじで1等6億円が出た聖地のひとつ。

聖地となれば、巡礼あり。まるで四国八十八ヶ所をたどる「お遍路」のごとく、全国の聖地を巡礼する崇高なロト7ファンが「イオンモール高知チャンスセンター」でロト7を3口買った。なぜ3口か。聖地だからである。



・推理その5:1000円あるから3口でいっか説

今回の28億円、最大の謎は「なぜ3口だったのか」という点に尽きる。なぜ同じ番号を3口も……。しかし、その3口は、「わざと」ではなく「なんとなく」の「ついで」だったのではないか? と、誰かが言った。

たとえばこうだ。28億円おじさんは、なんとなくロト7を買おうとしていた。1口300円か。でも、財布の中には小銭がなかった。あるのは1000円札や1万円札。ならば「1000円で3口買っちゃうか!」てな具合である。さらに細かく推理するならば、「小銭が嫌だった」可能性もありうる。



・推理その6:100円玉がほしかった説

上記の推理とは逆パターン。28億円おじさんは、駐車場の料金支払いなり、自動販売機での缶コーヒーの購入なりで、どうしても「100円玉」が必要だった。しかし財布にあるのは1000円札だけ。

どこかで崩せないものか。どこかで……あ! そうだ、宝くじを買えば良い。なになに? ロト7は1口300円で……えっと、テキトーに数字を書いて……はい3口(900円)! おつり100円ゲットだぜ! ……てな塩梅だ。



──以上6つの説が、今回我々3人が軽く1時間以上もかけて話し合った末の結論である。はたして正解はあるのだろうか? その答えは、28億円おじさんだけが知っている……。


ちなみになぜ「28億円 “おじさん”」なのか?


その答えは、男性と女性は「買い方」が違うからだと、元チャンスセンター嬢の御花畑マリコは言う。彼女いわく、「女性は3口買わない」し、「女性はバラ買いが多い」らしい。「同じ数字を3口」は、男性特有の買い方であるらしい。ゆえに、性別は「男」であると我々は予想した。


また、なぜ「おじさん」なのかというと、若者であればスマホを駆使し、わざわざチャンスセンターに行かずともロト7を買えるはず。なんなら「定期購入」なんてメニューもある。私も、原田も、そうしている。

しかし今回の当選者は、わざわざ足を使ってチャンスセンターに行っていた。時間がなければ不可能な買い方。となると、時間に余裕のある「おじいさん」……に近い「おじさん」ではないかと推測したのだ。


この日本の何処かに、必ずや存在する28億円おじさん。私もいつかは、ロト7をズバッと当てて「10億円おじさん」になりたい。いいや、「6億円おじさん」でもいい。いいや、「2億円おじさん」でもいい。いいや……1万円でもいい!!

協力:原田たかし御花畑マリコ
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.