見てきました、映画『キングダム』を。映画の公開前にマスコミ向けの試写会で鑑賞したのですが、会社に帰ってきて、気づいたらオフィスで傘振り回してましたね。

そしてそれをスローモーション撮影したらさらに “アレ” っぽくなるということに気づきまして、最近は傘を見るたびに「振り回してスローモーション撮影したい欲」と戦っています。ちなみに、当方現在37歳です。

つまり何が言いたいかというと、映画『キングダム』のアクションはそれだけ心に刺さったということです。爽快で、思わず真似したくなるほどカッコよかったです。

ブルース・リーの映画を見たら誰もがヌンチャクを振り回したくなるように、実写版キングダムを見たら傘(理想を言えば「物干し竿」)を振り回してスローモーション撮影し、“アレ” を再現したくなるのではないでしょうか。

たぶん、10人が映画を見たら8人はアレをやるでしょうね。「ウフッ♡」とか言いながら。


・原作の素晴らしさを再確認

“アレ” が何なのかは、実際に映画を見たときのお楽しみにしていただくとして、私がもう1つ言いたいのは「映画を通して漫画キングダムの素晴らしさを再確認した」ということです。“プロットの素晴らしさ” って言うんですかね。

だって、映画版キングダムは原作にめっちゃ忠実ですから。映画の制作スタッフからしたら、「どれだけ考えても、ここは いじりようがないわ」という部分がいっぱいあったのではないでしょうか。アレンジしようにも、元が良すぎて大きくアレンジできないというか。

もちろん、カットされてたり、多少変更されていた点はありました。しかし、それは大きな変更ではありません。私のように漫画を読み込んでいる人なら、展開はもちろん次のセリフまで予想できるレベルの変更です。私は映画の鑑賞中に、「やっぱりそれ言うんかい!」と何度思ったか分かりません(笑)

ようは、「漫画『キングダム』は序盤のエピソードだけでも映画になるレベルの面白さなんだなぁ」と、私は改めて感じた次第です。まあ、実写化される前からそうだろうとは思っていたので、「やっぱりな」という感じなのですが。


とはいえ……!


「ネガティブなポイントなんて1つもない」という映画は、誰にとってもレアでしょう。どんな名作でも、「ここはちょっとなぁ〜」という部分があることは、むしろ当たり前なのではないでしょうか。

そのようなポイントについても語らないと「正直なレビュー」とは言えないかと思いますので、以下で紹介したいと思います。


・キャスティングについて

これは何も『キングダム』だけの話ではなく、日本のドラマ・映画によくあることなのですが、なぜ有名なイケメンと美女が主な役どころを固めるのでしょうか?

私は男性ですから、もちろん美女は大好きです。しかしそれでも、「あ〜、またあの有名な美人が “きれいどころ” やってるわ。ほんで、またあの人気イケメンが “ええ役” やってるわ」と思ってしまうと、個人的には映画を見るテンションがガクッと下がってしまうのです。


なぜなら……


・このように想像してしまう

「制作側はどれだけのエネルギーをかけて、役に合う役者さんを探したん? もっと言うなら、有名・無名問わず、幅広い俳優・女優さんの中から “役にピッタリな人” をガチで探したん? それをした結果、偶然にも有名なイケメンと美女だけがメインどころに選ばれるって、あり得る?

もしかして、『女性ファンを取り込むために有名なイケメンをガンガン入れとけ』とか、『漫画には男性のファンが多いから、女性役は男性人気の高い美人にしとけ』とか、下手したら事務所的なしがらみとか、そういう思惑が入ってのキャスティングって可能性はないの?

もしそうなら、つまり『有名・無名問わず、とにかく役に合う人』ってポイントに100%の注力をしてキャスティングしてなかったら、その時点で映画のクオリティを高めるために100%の力を出したとは言えへんのとちゃうの?」


──と、考えてしてしまうからです。


こんなことを言うと、「役者がダメだと思ったの?」と思う人がいるでしょうが、そうではありません。誤解しないで欲しいのですが、私は役者さんが役にハマってないとか、演技がダメだったとか、そういうことが言いたいわけではありません

むしろ、実際に映画を見てみると「この人のこの役、ハマってる〜!」とも思ったりしました(個人的イチオシは成蟜!)。そして冒頭で述べたように、役者さんのアクションに魅せられました。

・ガッカリした理由

ただ、キャスティングが発表されたときに「あぁ、毎度おなじみの有名なイケメンと美女だらけか。“無名だけど役にピッタリ” って感じの俳優さん・女優さんはいなかったのかな? そもそも、無名だったらまったくチャンスがない世界なのかな? つーか、イケメンじゃないとダメなのかな?」と思ってしまったこともまた事実なのです。まぁ……


そう思った理由は……


私の中で……


「こんなにイケメンばっかりが選ばれるんやったら、俺が次回作に出られる見込みゼロやんけ! こっちはキングダムめっちゃ好きやねんぞ! 今回はなぜか声がかからへんかったけど、次があったら……! 次があったら……!!」


──という気持ちが強すぎたからなのは否めませんが。

参照元:キングダム
Report:和才雄一郎
Photo:(c)原泰久 / 集英社、(c)2019映画「キングダム」製作委員会 / RocketNews24.
★こちらもどうぞ → ロケットニュース編集部員の「映画キングダムレビュー

▼アレ。スローで撮影すると、蛍光灯がチカチカしてエフェクトがかかったみたいになった

スロー撮影の方法はこちらの記事をどうぞ。

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P.K.サンジュンのレビューに……

原田たかしのレビューもあるぞ!