人間には理性がある──。理性があるからこそ感情をコントロールできるワケで、動物ではなく人間らしく振る舞えるのだ。そういう意味で「理性こそが人間が人間たる根幹を支えている」ことは明白であろう。だがしかし……。

感情は理性でコントロールできても、体が “ヤツ” をコントロールすることは非常に難しい。春先になると意志とは無関係にあふれ出す鼻水や涙、つまり “花粉” である。おい花粉よ……何が望みか知らないが、そろそろいい加減にしてくれないか?

・特に鼻水がヤバい

私、P.K.サンジュンは20代の序盤で花粉症を発症した、約20年来のスギ花粉症患者である。年によっても違うがヒドいのは鼻水の方で、水が上から下に流れるように、ハンバーグから肉汁があふれるように、ごくごく自然に鼻水が垂れ出てくるのだ。

数年前、処方された薬を飲んだこともあったが、とんでもないノドの渇きを覚えて以来、薬は飲んでいない。真面目な話、ティッシュを鼻に詰めてマスクを装着する、これがここ数年で私が辿り着いた「一番マシな花粉症対策」である。この状態が例年なら1カ月ほどは続く。


とはいえ「ティッシュ & マスク」も普通に息苦しいし、できる事なら花粉症を克服できないまでも軽減したい。何とかならんのか……! そんな時、ネット上で話題になっていたのが「ヤクルトが花粉症に効く」というウワサ話である。

・ヤクルトが効くらしい

ネット上には「ヤクルト歴3年、花粉症がなくなった」とか「明らかに前より楽」とか「ヤクルトだけはガチ」……などと、ヤクルトを絶賛する声が相次いでいた。マジかよ……! ヤクルトを飲むだけでイイなんてお手軽すぎる……!! というわけで、ワラにもすがる思いでヤクルトレディに連絡を取った。

ちなみに、ヤクルトレディによると「特に花粉症に効くというセールスはしていませんが、花粉症にも効くね、という声はよくいただきます」とのことである。どんなメカニズムかはわからないが、とにかくこの花粉症が軽減されるならばそれでイイ……! というわけで、ヤクルト400とヤクルト400LTを2週間分購入した。

・2人で検証

また、私1人だとデータが不十分すぎるので、当編集部のあひるねこ(花粉症キャリア約8年)にも2週間ヤクルトを飲み続けてもらうことに。あひるねこも春先はマスクが欠かせないヘビー級の花粉症患者なので、今回の検証にはうってつけの人物であろう。頼むヤクルト……効いてくれ。


そして2週間後──。


1度も欠かすことなく毎日1本のヤクルトを飲み続けた2名。ぶっちゃけ「こんなんで効くのかよ?」というほどお手軽で、そこは逆に心配になった。だってヤクルト飲むだけですから。そして気になる効果はというと……!


P.K.サンジュン:「俺は効いた気がする。なぜなら、あひるねこが “今日はキツイ” と言ってる日でもノーマスクで凌げたことが何日かあったからだ。ただ普通にヤバい日も結構あったから、完全にヤクルトが体に染み込んではいないんだろう。飲み続ければさらに効く……と思う」


あひるねこ:「良くもなっていなければ悪くもなっていない。正直、ヤクルトの効果は感じられなかった。でもヤクルトは美味しかった。以上」


結論をいうと「個人差がある」ということになるのだろうが、ネットには「飲み続けることが大切」という意見が多かった。一部では “暗殺マシン” との異名を持つクールなあひるねこでも、ヤクルトを飲み続ければ効果が感じられる……のかもしれない。

・単なるウワサ話ではないらしい

なお、ヤクルトが発表している「プロバイオティクスの花粉症に対する効果」によると、ヤクルトに含まれる乳酸菌シロタ株は、花粉症などの原因となるIgE(抗体)の生成を抑え、アレルギー症状を軽減することがマウス実験で証明されているらしい。つまり「ヤクルトが花粉症に効く説」は、根も葉もないウワサ話ではないということだ。

とにもかくにも、花粉症にお悩みの方はヤクルトを試してみるのもいいのではなかろうか? 何より手軽なので、その気にならなくても続けられそうなところが非常にイイ。近い将来「花粉症対策にはヤクルト」があたり前になっている……のかもしれない。

参考リンク:ヤクルト「プロバイオティクスの花粉症に対する効果」(PDF)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼ちなみに、台湾ではヤクルトを逆から飲むらしい。

▼真面目に効く……気がする。