パン屋の人気商品といえば、クリームパンやカレーパン、サンドウィッチやクロワッサン、ベーグルなどが挙げられると思うのだが、最近はあの商品が人気らしい。それだけで勝負する専門店も増えつつある。その商品とは「食パン」だ。

私(佐藤)は子どもの頃からあまり食パンが好きではなかった。毎日朝食で食べてはいたのだが味気ない気がして、仕方がなく食べていたフシがある。給食の食パンはパサパサでうまくなかった。生食は辛かったんだよ……。

そんな食パンの専門店では、トーストではなく生食を推奨しているそうだ。信じられない! 焼いた方が絶対ウマいだろ! そう思いながら、高級生食パンの有名店「銀座に志かわ」の食パンを食べてみたところ……うん? アリやな。となった。

・食パンごときで行列!?

このお店は2018年9月に東京・銀座に1号店がオープンして以来、またたく間に人気となり、大阪・京都・三重に1店舗、2019年2月末に池袋に5号店をオープンさせた。この先、3月に吉祥寺、4月には新宿にも出店を予定している。まさに快進撃を続ける食パン専門店である。

池袋のお店に開店時間の11時に行ってみると……。すでに行列! 食パンごときに20~30人が並んでいる状態だ。そんなにウマいのか!?


・1人2本まで

食パンくらいすんなり買えるだろうと思ったが、購入まで意外と時間がかかる。ちなみに購入は1人2本までという制限つき。行列に待機していると、購入券を渡された。


結局1本(864円)を購入するまでに、20分もかかった。まさか食パンごときでそんなに待つことになるとは。なお、予約購入も可能とのこと。事前に電話で予約すれば、スムーズに購入できるようだ。


・食パンのクセに作法?

持ち帰って袋のなかを見てみると、食パンを包装しているビニール袋が完全に閉じられていない。


これはパンから出る蒸気を逃げやすくするための工夫なのだとか。購入後2時間経ったら、袋を閉じて常温で保存するとのことである。なお、冷凍保存する場合は、1枚ずつスライスしてラップに包んで冷凍した方が良いそうだ。


なんかいろいろと気を付けないといけないんだな、食パンなのに……。


さらに食べ方にも注意書きが。美味しく食べる作法として、生で何もつけずに食べなさいとのこと。作法だと? 食パンのクセに……


・ウマい! ウマいけど……

仕方がないので、その作法とやらにのっとって、食べてみるとしよう。


包丁でスライスしてみると、パンの断面のきめが細かいことがわかる。水にこだわっているらしく、アルカリイオン水を使用しているそうだ。水の影響なのかどうかわからないけど、パンはもっちりしっとりとしていて、生地に粘りがあるような気がする。



実際に食べてみると、優しい歯触り。歯にまとわりつくように生地がもっちりとしており、噛むごとに甘さが口のなかで広がっていく。


たしかにウマい。ウマいんだけど、個人的には2018年末に紹介した、同じく食パン専門店『うん、間違いないっ!』の方が美味しかった印象を受ける。あちらの方が香りが高く、口どけも勝っていたと思う。

いずれにしても、食パンは以前と異なり、ジャムやマーガリン、バターさえも塗る必要がないほどウマくなった。今の子どもたちは美味しい食パンを気軽に食べることができる。だから食パンに対して、私よりずっと良いイメージを抱いているに違いない。なんだかうらやましい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 銀座に志かわ 5号店 池袋西口店
住所 東京都豊島区西池袋5-1-3 メトロシティ西池袋ビル1F
営業時間 11:00~18:00(売切れ次第終了)
定休日 不定休

参考リンク:銀座に志かわ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24