いつから始まったのか、高級食パンブームが続いている。どこの街にもラーメン屋と同じくらい当たり前に店舗が存在し、ほとんどのお店がその日の在庫を完売している。

そんな高級食パンチェーンの中でも「銀座に志かわ」はかなり有名だ。では「最高級食パンい志かわ」は知っているか?

に志かわとい志かわ? ほぼ名前が一緒じゃないか! でも別の会社なんだよね。どっちが美味いかそれぞれの食パンを買って食べ比べてみた!!

・に志かわとい志かわ

まずはそれぞれのブランドについてお伝えしよう。「に志かわ」は2018年9月に1号店を東京・銀座に出店し、またたく間に全国に店舗を拡大。現在(2021年12月)北海道から沖縄まで100店舗以上を展開している。


一方、「い志かわ」は愛知県を中心に店舗を展開しており、福島・三重・静岡・東京にも出店している。運営会社のニュースリリースによると、2016年12月に1号店を出店しているそうだ。

ということは、い志かわの方が先に出店した訳だ


お店の名前の由来は、それぞれホームページに次のように記載している。


に志かわ

「代表取締役社長の名前が髙橋仁志(たかはし ひとし)でございます。この名前の仁志を にし と呼びまして 水にこだわっていますので、その水を意味する「川」をひらがなでつけさせていただきました」


い志かわ

「「い志かわ」の1文字1文字それぞれが持つ、文字本来の意味をつなぎ合わせると「志を大切に前向きに進む」という意味を持ちます。地元名古屋で開業するにあたり、代表である石川が想いを込めて屋号に自身の名を冠すると決め、あえて日本特有の文字のひらがなにしました」


・それぞれの食パン

それぞれの食パンを買って帰った。に志かわの紙袋は白地に黒文字でブランド名の入った簡素なものだ。い志かわは白地に金色で「志」をデフォルメしたブランドロゴが入っている。


もっとも小さいサイズで買い求めたのだが、に志かわは2斤(税込864円)しか販売していない。1斤売りしていないのは、ちょっと残念。1人暮らしならもてあましてしまいそう。




一方い志かわは1斤・1.5斤・2斤の3サイズあるので、1斤(税込777円)を買った。ちなみに2斤は税込1000円。に志かわより割高である。




・焼かずに食べてみると

まずは生食で食べてみよう。


に志かわはカットしている段階で生地のキレが良いことに気づいた。スパッ! と切れる! もっちりとしているように見えるけど、歯切れが良くてなおかつくちどけも良い

噛むほどに甘さが増して、何もつけてなくても十分においしい。ちなみにに志かわは、食パンを購入した1~2日目は生食を推奨している。


それに対して、い志かわは生地がしっとりもっちりとしていて、指で押すとクッキリとその跡が残る。生地に粘りがあって、食べると口にまとわり付くようだ。

に志かわよりも甘さは控えめ。小さな子どもでも食べられるようにマーガリン・はちみつを使っていないという。小麦粉の風味を感じる素朴な味わいだ。

なお、い志かわは3センチの厚切りトーストで食べることを推奨している。


・焼いて食べてみると

続いてはトーストで食べてみよう。


に志かわは表面パリッパリ! で中はふんわりしっとりとしている。生でも甘さが強かったが焼くとさらに甘くなった、美味いんだけど、焼くことで繊細な口当たりが損なわれる気がするので、やはり買ったばかりは生で食べるべきだと感じた。


い志かわの方は焼くとザクザクとしっかりとした歯ごたえに。その食感が心地よく、トーストにしてこそ本領を発揮する気がした。

そして生地はねっとりと粘りが増して食べ応えがある。パンそのものは素朴な味なので、ジャムやバターをしっかり塗って食べると良いだろう。


ということで、生食ならに志かわ。トーストならい志かわが美味しいと感じた。名前は似ているけど、全然違う高級食パンのブランドだ。2社をはじめとする高級食パンのお店がさらに進化して、もっと美味しい食パンが誕生することを願っている。

参考リンク:銀座に志かわ最高級食パン専門店い志かわリアルエコノミーバリュープレス
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24