夢と魔法の国、東京ディズニーランド。その魔法にかかり、自分自身が魔法使いになってしまった男が当編集部にいる。彼こそが人呼んで “ディズニーマニア” こと田代大一朗、本籍地はガチな話、東京ディズニーランドだ。
彼はこれまで「体がディズニーランドを受け付けないおっさん」や「2歳児」を相手に、完璧なディズニーツアーを披露してきたが、今回の相手は強敵である。彼の名は中澤星児──。東京ディズニーランドにトラウマを持つ男だ。
・ディズニーに心を閉ざす男
約半年前、私は田代に誘われて約10年ぶりに東京ディズニーリゾートを訪れた。ぶっちゃけ、あのキラキラ感が苦手になっていたのだが、ディズニーマニアの豊富な知識とピュアすぎるハートに撃ち抜かれ、ディズニーが苦手ではなくなった。むしろ今では結構好きだ。
その後も田代とは「メリー・ポピンズ リターンズ」の試写会にも出かけたし、ちょいちょいディズニーの話もする。周囲のメンバーもそれなりにディズニーに興味を持つようになった様子だが、ただ1人だけ「ディズニー」と聞いても微動だにしないのが中澤だ。
サンジュン「せいじくんって、ディズニーダメなの? 行ったことないの?」
中澤「行ったことありますよ。ただ……トラウマがあるんですよね」
サンジュン「トラウマ?」
中澤「小さい頃に大阪から家族でディズニーランドに行ったんですよ。前日は近くの豪華なホテルに泊まって」
サンジュン「いいじゃん、超いい思い出じゃん?」
中澤「違うんですよ。前日にホテルのお風呂で転んでまあまあ大きめの怪我したんですよ、病院にも行って。おかげで翌日のディズニーはお兄ちゃんだけがアトラクションに乗って僕はただ待つだけ……。あれ以来、ディズニーが大嫌いになりましたね」
サンジュン「逆恨みじゃん!」
中澤「いや、でもたぶん一生行かないでしょうね。ハッキリ言ってディズニーランドはトラウマです。もう20年以上行ってないんじゃないかな?」
・ディズニーマニア登場
そんな話をしていたら、どこからともなく現れた田代。やや目をウルウルさせながら、震えた声で中澤に語り掛け始めた。
田代「せいじさん……聞きました。さぞかしツラかったでしょうね。東京ディズニーランドを楽しみにしていた少年の気持ちを考えると……。僕は……僕は……ウッ」
中澤「え?」
サンジュン「え?」
田代「でも、もう大丈夫です。この話を偶然聞いてしまったのは、きっとウォルトが僕に “せいじさんを助けてあげて” と言っているのでしょう。安心してください、ウォルトほど完璧な案内ができるかはわかりませんが、ディズニーを愛する気持ちは誰にも負けません!」
中澤「田代さん?」
サンジュン「田代さんってば」
田代「ただ、トラウマがある東京ディズニーランドに無理やり連れて行くのは荒療治すぎる。どうすればいいんだ……そうだ! 東京ディズニーシーがあるじゃないか!! この20年の間にせいじさんが訪れたことがないディズニーシーが出来ている! これもウォルトの計算……なのか?」
サンジュン「いや絶対に関係ないでしょ」
田代「トラウマとはいえ、せいじさんは心を固く閉ざしてしまっている。これだと東京ディズニーランドの “夢と魔法” はなかなかかからない。でも 東京ディズニーシーの “冒険とイマジネーション” なら……」
中澤「あれ? 僕なんか行く流れになってません?」
田代「さあ、せいじさん!」
中澤「はい?」
田代「冒険とイマジネーションの海が待ってます! 東京ディズニーランドに胸をトキめかせたあの日のせいじさんに戻るときがきたんです!!」
中澤「その頃の僕を知らないでしょ」
……と、やや強引な流れながらも、東京ディズニーシーに出かけることになった中澤と田代(と付き添いのサンジュン)。普通の人間であれば、田代のピュアオーラに圧倒されて心の氷が溶けていくものだが、中澤は手強い。
なにせ「ディズニーシーに行く前にこれだけは観ておいてください」と言われた映画「アラジン」を鑑賞して、敵役の “ジャファー” に感情移入してしまったのだから。詳しくはこちらの記事を参照いただきたいが、中澤を攻略することはウォルト・ディズニー本人でも難しいのではなかろうか?
・最悪のスタート
さらには当日のスタートも最悪であった。テーマパーク自体がかなり久しぶりだという中澤は、待ち合わせ場所になかなか現れない。迷子になってしまったのだ。集合時間ギリギリに登場した中澤のテンションはかつてないほど低い。
中澤「というか、ディズニーシー入る前から広すぎるでしょ。入口をこんなに大きくする必要あります?」
サンジュン「まあまあまあ」
中澤「めっちゃテンション下がった。ちょっと帰りたい」
こんな感じで最悪のスタートを切った「ディズニーがトラウマな男」と「ディズニーマニア」による大冒険。果たして田代は中澤をトラウマから解放できるのか? 気になる続きは2ページ目へGOだ!
参考リンク:東京ディズニーリゾート
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
【検証】「ディズニーがトラウマな男」と「ディズニーマニア」が一緒に東京ディズニーシーに行ったらこうなった(2ページ目)
中澤がややキレ気味という、最悪の空気の中から始まったディズニーマニアによる東京ディズニーシーツアー。だがしかし、聖地に足を踏み入れた田代はご機嫌……なんてもんじゃない。実は1週間ほど前にプライベートでディズニーシーを訪れていたらしいが、まるで初めて念願のディズニーに訪れたんじゃないかってくらいウキウキしている。
田代「さあ、まずはお着換えからです☆ 冒険とイマジネーションの海に出かける準備をしましょう! せいじさんはどのキャラクターがお気に入りですか?」
中澤「ジャファーです」
田代「うーん、残念ながらジャファーのアイテムは見当たらないな……。あ、せいじさんコレはどうですか? せいじさんはワンちゃんが好きですよね? 101匹わんちゃんの帽子はモコモコしてて温かいですし、きっとせいじさんに似合いますよ」
中澤「ああ……任せます」
というわけで、田代の言うがままにコーディネートされる中澤。101匹わんちゃんの帽子に青いディズニーキャラのトレーナーは、ズバリ “海” がテーマだそうだ。
田代「うわー、とってもよくお似合いですよ、せいじさん! これで冒険の準備はバッチリですね!!」
中澤「意外と嫌いじゃないかも。というか、帽子があったかい」
・マーメイドラグーンからスタート
まずやってきたのは、リトルマーメイドのエリア「マーメイドラグーンシアター」だ。この日のために「リトルマーメイド」と「アラジン」だけはDVDで予習してきたという中澤だが、果たして彼の心にアリエルの歌声は響くのだろうか?
田代「マーメイドラグーンは、トリトン王が人間のために作ったテーマポートです。海にいるみんなで人間を楽しませようとしてくれているんですね。なので、ここは海の中……。入口から先に進むと息ができなくなるかもしれませんよ☆」
中澤「いやできるでしょ」
サンジュン「どういうことですか?」
田代「おやおや? 息ができますね? なぜだかわかりますか? 実は入口にいるトリトン王が僕らに魔法をかけてくれたからなんです☆ さあ、先に進みましょう!」
・リトルマーメイドのショーを見ても……
トリトン王の魔法にかかった田代はエネルギー全開。入園してわずか30分で早くもテンションはフルスロットルだ。一方で中澤のテンションはなかなか上がらない。リトルマーメイドのショー「キング・トリトンのコンサート」のコンサートを見ても感心はしても感動までには至っていないようだ。
サンジュン「せいじくん、どうだった? アリエルの運動量めっちゃ凄くなかった?」
中澤「うーん、確かに動きはすごかったですね。良くできてた。ただ “ライブ感” がいまいちだったかなぁ」
サンジュン「ライブ感?」
中澤「なんというか、僕も初めてだからどこまでノッていいのかわからなかったし、参加というよりは観賞してしまったというか。アメリカとかならメッチャ盛り上がると思うんですけど、なんか……見入っちゃた感じですね」
サンジュン「言わんとしていることはわかる。しかも、せいじくんはバンドもやってるからライブ感に厳しいのかもね。ところで田代さんは……田代さん?」
田代「自分……」
サンジュン「はい?」
田代「泣きました」
中澤「え、どこで?」
田代「アリエルが登場するところで、夢と魔法ってやっぱりあるんだ……って。何回も見てるんですけどね、でもなんだか勝手に涙があふれてきちゃって……」
サンジュン「想定より泣くのが遥かに早い」
ちなみに中澤はショーよりも、マーメイドラグーン内にある「アリエルの部屋」や「アースラのダンジョン」が妙に気に入ったようだ。むしろショーよりも長い時間、隅々を見渡していた。
中澤「僕はこっちの方が好きですね」
サンジュン「よく出来てるよね。でも子供の遊び場というか、アトラクションではなくない?」
中澤「いや、二次元で見たものがこういう形で立体化されるのか……すごい精密ですよ」
田代「いいところに気付きましたね! ここマーメイドラグーンは、まさにアリエルの世界がそのままに再現されてるんです。例えば、ここは海底なので直線のものがほとんどないんですよ。ベンチや手すりをよく見てください。すべてウネウネと曲線になってるでしょ☆」
中澤「こういうところはスゴイ」
・アラジンのアトラクションへ
お次にやってきたのは、アラジンのショー「マジックランプシアター」だ。先述の通り、中澤はアラジンを観て、敵役のジャファーに感情移入している男。さらにランプの精「ジーニー」には特に納得がいっていないようである。
サンジュン「来たよ、アラジン」
中澤「来ましたね。でもジーニーか……。何度考えてもあいつには納得がいかない。ジャスミンやアラジンがジャファーを嫌うのはまだわかるんですよ。でもジーニーはランプの精ですよ? 中立であるべきじゃないですか?」
サンジュン「言われてみればそんな気もするね。ランプの精なら好き嫌いがあったらおかしいかもね」
中澤「ですよね? あいつ、ノリだけでジャファーを嫌ってるように見えるんですよ。みんなが嫌いだから俺も嫌い、みたいな。ネット民かよ」
田代「せいじさんの視点は斬新でした。僕はそういう見方があっていいと思います。ヴィランズ(敵役)にはヴィランズの物語がある……。嫌われ役のジャファーに心優しい味方ができて、きっとウォルトも喜んでいるハズです!」
サンジュン「前向きすぎる」
田代「さあ、ここマジックランプシアターは、ジーニーが “自分の魔法でみんなを楽しませたい!” と願ってできたアトラクションです。このエリアには隠れミッキーや隠れジーニーもいるのでぜひ探してみてくださいね!」
マジックランプシアターは3Dメガネをかけてショーを鑑賞するアトラクションである。ジーニーの他、意地悪なマジシャン「シャバーン」が中心になって繰り広げられるパフォーマンスは、中澤の目にどう映ったのだろうか?
サンジュン「せいじくん、どうだった?」
中澤「僕、やっぱりジーニーダメですわ。あいつ、今回も完全にノリだけでシャバーンを嫌ってる。だってシャバーンがご主人様なんですよ? 嫌ったらダメじゃないですか?」
サンジュン「たしかに」
中澤「あと、シャバーンの演者さんが素直に良かった。引き込まれるというか、ライブ感がありましたね」
サンジュン「出た! ライブ感!!」
中澤「というか、このショーはシャバーンありきのショーでしょ。いや、良かったですよシャバーン」
田代「せいじさん……」
中澤「はい?」
田代「自分、感動しています。そうなんです、このショーに欠かせないのがシャバーンなんです。ジャングルクルーズのお兄さんと同じくらい、マジックランプシアターを楽しめるかどうかはシャバーンにかかっているんです。よく1回で気付いてくれました!」
中澤「ちょっと」
田代「多くの人はジーニーに魅了され、ショーが終わる頃にはシャバーンの存在を忘れてしまう……。そう、シャバーンは日の当たらないキャラクターなんです。そのシャバーンをここまで褒めてくれるなんて……せいじさんはなんて心の温かい人なんだ……!」
中澤「そ、そうですかね?」
サンジュン「そうじゃないでしょ。価値観がメチャクチャ」
徐々に田代のペースに引き込まれ、なんだかんだ言いながらも東京ディズニーシーを楽しんでいるように見える中澤。ただ、まだ心の底から感動しているとは思えない。奇跡は起きていないのだ。
だがしかし、ディズニーシーを去る最後の最後で奇跡は起きた──。果たして夜のディズニーシーで何が起きたのか? ディズニーマニアが、そして東京ディズニーシーが起こした奇跡とは? 気になる続きは最終ページへ急げ!
参考リンク:東京ディズニーリゾート
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
【検証】「ディズニーがトラウマな男」と「ディズニーマニア」が一緒に東京ディズニーシーに行ったらこうなった(最終ページ)
・中澤の希望で「タートルトーク」へ
3つ目のアトラクションは、中澤が唯一「行ってみたい」とリクエストしていた「タートルトーク」である。個人的にはジェットコースター系のアトラクションにも乗りたかったが、中澤はいわゆる絶叫系がダメらしい。今回のコースはそんな中澤の特性をベースに田代が組み立てている。
さて、タートルトークは映画「ファインディング・ニモ」に登場した亀 “クラッシュ” が登場するアトラクションだ。観客からの質問にクラッシュが変幻自在の回答をするというが、果たして──。
中澤「タートルトークだけは来てみたかったんですよね。ネットでもよく話題になってるじゃないですか」
田代「よくご存じですね! そうなんです、クラッシュの切り返しは本当にスゴいんです!! ユーモアセンスは抜群だし、間の取り方も受け答えも素晴らしいものがあります。さすが100歳以上生きている亀ですよね☆」
サンジュン「僕も初めてなんですけど、観客と亀がしゃべるんですか? アドリブで? え? 機械が? それとも人間が?」
田代「サンジュンさん、クラッシュはクラッシュですよ☆ さあ、ショーが始まりますよ!」
サンジュン「めっちゃ華麗にスルーされた」
初めてのタートルトークはというと……想像の20倍くらいおもしろかった。というか、すごかった。田代の言う通り、クラッシュのユーモアセンスは抜群で、常にこちらの予想を上回る切り返しの連続。クラッシュすげえ。ダテに100歳以上生きていない。
サンジュン「いやー! タートルトークすごかったね!! ちょっと感動したよ! せいじくんもコレは良かったでしょ!?」
中澤「これは……」
サンジュン「これは?」
中澤「これは良かった! ライブ感があった!! いやー、タートルトークだけずっと見てたいですね。いやー、すごいライブ感あったなー」
サンジュン「確かにライブ感あったわ。引き込まれた」
中澤「これなんですよ。観客とクラッシュが1つになってたというか。ネットとかですごいって聞いてましたけど、これは予想よりすごかった。ライブ感あったわー」
田代「せいじさんが喜んでくれてよかったです! 僕は数えきれないくらいタートルトークを観ていますが、クラッシュが観客の質問に対して同じ返しをしたことはありません。そこはまさしく、せいじさんの言うところのライブ感満載のアトラクションですね」
サンジュン「せいじくん、これは感動した?」
中澤「……しましたね。うん、感動しました」
サンジュン「うーん、そうじゃねーんだよなぁ。もっとパッションが欲しいのよ。泣くとかさ。なんとか泣けない? 田代さんみたいに」
中澤「いや、タートルトークで泣くのは無理でしょ。楽しいアトラクションだし」
田代「自分もタートルトークで泣いたことはありませんね。感動はしますけど。でも、ディズニーのキャラクターと実際におしゃべりができるってことはスゴイことですよね。巧みな話術が注目されがちですが、キャラクターと会話できるってすごいことじゃないですか?」
サンジュン「言われてみれば」
中澤「たしかに」
タートルトークがズバッとハマり、入園以来もっとも楽しそうな中澤だが、彼はロックミュージシャンにして口数の少ない男。タートルトークを後にすると、いつもの中澤に戻ってしまった。かかり切らない……魔法にかかり切らないのだ。
だがしかし、そんな私の心配をヨソに田代に慌てる様子は見られない。私にそっと「大丈夫です、魔法にはまだかかっていなくても、せいじさんのイマジネーションは確実に刺激されているハズです」と耳打ちするではないか。ここまで来たらディズニーマニアを信じるしかない。
・そして起きた奇跡
やがて日も暮れた頃、田代が中澤にどうしても見せたかったというショーにやってきた。夜8時から開催される「ファンタズミック!」である。「ファンタズミック!」は敷地の中でも最も大きい港 “メディテレーニアンハーバー” で開催されるショーで、ディズニーシーの1日を締めくくるのに相応しいビッグショーらしい。
サンジュン「東京ディズニーランドでいうところの “エレクトリカルパレード” みたいなものなのかな? 位置づけ的に」
田代「そうですね。僕はどうしてもこのショーをせいじさんに観てもらいたかったんです」
中澤「なんでですか?」
田代「ファンタズミック! を言葉にするならば、これぞイマジネーションです。イマジネーションそのものなんです」
中澤「言ってる意味がよくわかりません」
サンジュン「同じく」
田代「ディズニーは長い歴史の中で、絶えずイマジネーションの大切さや素晴らしさを訴えかけてきました。でもイマジネーションって実体がないじゃないですか? もしイマジネーションを具現化したら……それがファンタズミック! なんです」
サンジュン「複雑だ」
中澤「そもそもイマジネーションって具現化できるのか?」
田代「観てもらえればきっとわかります! ショーが終わる頃には2人とも、自分の中のイマジネーションがキラキラあふれ出すハズです!」
そうして始まったファンタズミック! のショー。水上で行われるショーは初めて見たので、奥行きの深さや演出には確かに感心した。しかも明かりがあるとはいえ、視界が悪い中で行われるショーなのである。演者たちは相当なトレーニングを積んでいるのだろう。
だがしかし……。正直に言って私には田代の言う、イマジネーションの意味がサッパリ分からなかった。いいショーである、素晴らしいショーである。ただ、どこがイマジネーションだというのか……? どうやら中澤も私と同じような意見らしく、感心はしても感動には至っていない様子だ。
そんな感想をぶつけると、この日初めて寂しそうな表情を見せた田代。「そうですか……」と呟くと、最後に花火を見て帰ることになった。やや気まずい空気の中、打ちあがる花火。そんな中、奇跡は起きた──。
中澤が花火を見上げながらこう呟いたのだ。
「この瞬間にみんなで同じ花火を見てるのがプライスレス」
田代「せ、せいじさん? 今なんて言いました?」
中澤「いや、同じ空間、同じ時間を共有した人たちが同じ花火を見てるってすごいなと思って……」
田代「それなんです! それこそがイマジネーションなんです!! もっと詳しく聞かせてください!」
中澤「いや、今日ディズニーシーで楽しんだ人たちが、1つのものをみんなで見てるってプライスレスだなー、と思って」
サンジュン「たしかに」
中澤「あ、そうか。ディズニーシーにいた人だけじゃないか。通勤電車の中から花火を眺めている人もいますよね。そう考えると余計にプライスレスですね」
田代「せいじさん……」
中澤「はい」
田代「自分感動しました! そして通勤電車の中にいる人にまで気が回らない自分が恥ずかしいです!! せいじさんのイマジネーションはスゴイ……! ウォルト並みのスケールの大きさと思いやりがある……僕はディズニーファン失格です!!」
サンジュン「よくわからないけど、とりあえず良かった」
こうして「ディズニーにトラウマを持つ男」と「ディズニーマニア」の長い1日は終わった──。
中澤は園内の造形物などに感動したようで「アトラクション乗らなくても全然楽しめますね。海外旅行感覚で来たい」とも語っていたので、トラウマからは解放されたのだろう。そして何より「みんなで来ると楽しいですね」と話していた。……あまり楽しそうに見えなかったことはさておき、本人がそう言うならばそれでイイ。
また余談ではあるが、田代は朝から晩までずっとYシャツで過ごしていたことも記述しておきたい。取材をしたのは2月……真冬の東京ディズニーシーである。何度も「寒くないんですか?」「本当に寒くなんですか?」と聞いたが、田代はそのたびにキラキラした笑顔でこう答えてくれた。
「自分、暑がりなんで!」
とにもかくにも、今回はかなりの強敵であったものの、見事に1人の男をトラウマから解放したディズニーマニア。夢と魔法、冒険とイマジネーション、そしてディズニーマニアの可能性はまさに……プライスレスである。
参考リンク:東京ディズニーリゾート
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼こちら「ディズニーが無理なおっさん」とディズニーマニアの話。
▼こちらは「2歳児とディズニーマニア」の大冒険。
▼中澤がアラジンを観たらこうなった。
▼中澤は「ディズニーってロックだな」とも語していた。良かった。
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