運転免許証に有効期間があるのは常識である。違反運転者などは3年間だが、一般的には5年間だ。期限が近づくと通知のハガキが送られてくるため、試験場や免許センターに行って更新の手続きをする必要がある。
つい先日、私(あひるねこ)も免許を更新しに行ってきたのだが、その時ちょっと思った。更新の講習で見せられるビデオって、けっこう容赦ないよな。あれを見るといつも「車怖ぇ……」と震えてしまうのは私だけだろうか。
・免許の更新
約2カ月前、私の元に免許更新のお知らせが届いた。区分は「優良」で講習時間は30分とのこと。正直だいぶ面倒ではあるものの、期間を過ぎたら大変だ。というわけで、新宿都庁にある運転免許更新センターへと行ってきた。
前回の更新からもう5年か……。長かったような短かったような。そんな淡い感慨を抱きながら怒涛の手続きラッシュを終えた私は、最後に別室で講習を受けることに。関係ないけど、この時実施される視力検査の適当さは異常である。
・安全講習ビデオを見る
狭い部屋にギュウギュウに押し込まれる受講者たち。暖房と講師のおじいちゃんのやや聞き取りづらい声により、極度の睡魔に襲われながらも15分を耐えた。残りの15分は、みんなで安全講習のビデオ鑑賞だ。
当たり前だが、いたって真面目な内容である。〇〇キロの状態でブレーキを踏むと止まるまでこのくらいとか、シートベルトを着用してしないと衝突した時どうなるかとか、まあよくある感じだ。
そんな中、やたら印象に残ったシーンが一つだけあった。そこでは飲酒運転による事故が描かれるのだが、これがあまりにも救いがなさすぎるのである。場面は男性が取り調べを受けているシーンから始まる。
・ありがちだが……
警察に「なぜお酒を飲んでしまったのですか?」と聞かれると、40歳くらいの男性はこう答える。「仕事が終わり、部下を労いたいという気持ちがあった」と。その結果、生ビールを5杯飲んでしまったそうだ。
深夜になり、運転代行を頼もうとするも、その日は運悪くどこも空いていない。仕方ないので男性は車の中で眠ることにした。目が覚めると3時間近く経っており、もう大丈夫だろうと自宅まで運転して帰る途中、一時停車をしなかったことで人をはねてしまった、と。
・容赦ない
このシーンの後、男性がどうなったかがナレーションで淡々と語られる。まず、はねてしまった歩行者は死亡。男性は懲役15年を求刑される。仕事は解雇され、最終的に一家は離散したそうだ。
……容赦ねえなオイ。これがフィクションなのかどうかも分からないが、畳みかけるような悪夢ラッシュに眠かった目も覚めてしまった。「一家は離散しました」のところで、思わず「え!?」と言いそうになったぞ。
・車怖ぇ……
これがドラマ仕立ての内容だったら、そこまで思わなかったかもしれない。が、機械的な女性のナレーションでさらりと語ってくるので余計衝撃だった。受講者に「飲酒運転は怖い」と思わせた点において、このビデオはしっかり目的を果たしたと言えるだろう。
講習には20代くらいの若い女の子から、白髪交じりの中年男性まで様々な人間が参加していた。この先どうやったって関わり合うことがなさそうな集団が、大人しくこのビデオを見ている光景はどこかシュールですらあった。みなさん、車の運転には細心の注意を払いましょう。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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