2018年11月9日に販売開始されたばかりの、Xperia最新機種『Xperia XZ3』。ソニーのフラッグシップ機で、Android派からすれば今最も気になるモデルの一つだろう。実は筆者も11月13日にXperia XZから機種変更し、Xperia XZ3を入手。

さっそくレビュー的な記事でも書こうかと思っていたら、本体のフロントとバックパネルにガタつきを確認。翌日購入した店舗に出向いたところ、メーカー送りで修理! しかも費用は見積もり待ち……だと? と言うことで、同様の悲劇を回避するための方法を書いていくぞ!

・「初期不良」はあくまで筆者の主張

さて、本題に入る前に、本記事内での初期不良という表現について述べるべきことがある。実は筆者、いわゆる「開封の儀」の様子をレビュー的な記事の冒頭に持ってくるつもりだったため、機種変更後はスマホを弄ることなく帰宅。



その後、特に落としたり傷一つつけることなく普通に写真を撮りながらメモリーカードを入れたり初期設定をしたりしていた。そこまでの段階で外装の故障につながるような事態は一切発生していない

しかし対応としてはメーカー送りで、筆者の負担で修理費が発生する可能性があるという。これはショップのスタッフが決めたことではなく、スタッフが30分くらい「メーカーの担当者」なる人物と電話でやり取りした結果だ。

対応は筆者による故意、あるいは不注意による破壊と同じ扱い。ゆえに、メーカーとしては初期不良、つまり不良品であったとは認めない姿勢であると考えるべきだと思うのだ。ということで、あくまでも本記事内での初期不良という扱いは筆者の主観的主張ということを先に明らかにしておこう。

・フロントとバックパネルがガタつく

肝心のガタつきはこうだ。まずXperia XZ3の外装はディスプレイ、外枠、バックパネルという感じで、大まかに3つのパーツで構成されている。筆者が選んだのは赤のモデルなのだが、どうもこの3つのパーツの接着が万全ではないようなのだ。

具体的には、ディスプレイを上にした際に、左下と右上の角のあたりが浮き上がっているように感じた。四隅を指で軽くタップしていくと、左下と右上に関してのみ薄い樹脂同士が振動で触れ合った時特有の高く響くような異音がする

また、バックパネルはフロントと違い、右上を除く3つの角で異音を確認した。この様子は動画で記録しYouTubeにアップロードしてあるので、気になる方は確認してみていただきたい。なお、途中で筆者の爪がボディに当たって異音とよく似た音がなる場面があるが、それは別である。

・確認方法は四隅を指でトントン

もしこれから本モデルの購入や、機種変更を考えている方はスタッフの目の前でチェックすることをお勧めする。確認方法は、四隅を指でトントンすればいい。動画だと思っていたよりわかり辛いが、実際にやれば一目瞭然だと思う。

実際筆者も、ショップにて「初期不良だと思うんですよね」とだけ告げて、スタッフの前で「四隅トントン」を実行しただけで特に説明はしなかった。それだけで「通常ではないパネルがガタつく音」だと認識できるということだ。

・絶対に購入完了前にチェック!

もう一つ念を押したいことがある。それは……


契約完了前にチェック!


いいな? 絶対だぞ? さもないと後悔しても知らんぞーッ! その理由はこうである。筆者の筐体が費用を自己負担でのメーカー送りになった際に聞いたのだ。


筆者「もし、昨日の契約中に気づいていたらどうなっていたんですか?」


それに対するスタッフの答えは


スタッフ「その場合は店舗の在庫とその場で交換ですね♪」


……契約なり購入が完了する手前が運命の分かれ目だったらしい。ひとたび完了してしまうと、あとはすべからく自己負担でのメーカー送り。最低で2週間は使えないどころか、出費がかさむ未来しか待っていない。

ただ例外もあるようだ。中身、つまりソフトウェア面での不具合であれば契約や購入のやり取りが完了したあとでもショップで新品と交換になるそうだ。まあ、このあたりはショップの方針やスタッフの親切さによっても変わる可能性があるような気がする……。

・秘密のコードでディスプレイやタッチパネルもチェック

さらにお勧めするなら、四隅をトントンした後に以前お伝えした秘密のコードを入力すべきだろう。これに関しては、筆者は機種変更当日にショップで実行したが、本機種でも使用可能だ。

パネルのガタつきには気づかなかったものの、タップ感度やディスプレイの表示具合、ジャイロセンサーなどはコードを入力してチェックしまくった。スタッフはいぶかしんでいたが違反ではないだろうから知ったことではない。

機能面に関しては、その段階では特に異常はなくかなりイイ感じだった。今回の敗因は、そこで安心して外側のチェックがおろそかになった点だろう。保護シートが貼られていて、いまいち外装をチェックできなかったのもある。



・キャリア3社のショップのデモ機で試す

なお、この話にはおまけがある。実を言うと「スマホがこんなカタカタなるのはおかしいなぁ」と思いつつも、確信はなかったのだ。そこで、近所のdocomo、au、ソフトバンクショップのデモ機として展示されているXperia XZ3でもチェックしてみたのだ。

再現性もあると思うので全てさらけ出していくが、筆者が訪れたのは家から近い埼玉県のふじみ野駅から最寄のショップである。もしこれら全てのデモ機の四隅をトントンして、結果が筆者の筐体と似たようなものならそういう仕様だろう。

その結果、驚くべきことにdocomoとauショップのモデルはどちらも筆者の筐体とは違う箇所で異音を確認。ディスプレイ側では異音が無くても、バックパネルはガタガタだったりといった具合だ。

あまりの高確率に、衝撃の吸収とか放熱とかその手の目的で、あえて余裕を持たせてあるのではないかと思ったレベルである。しかしその場合、逆にしっかり接合されている箇所があるのは矛盾する

そして最後に訪れたソフトバンクショップで「こいつは初期不良だ」と確信に至った。なぜならソフトバンクの展示機の四隅を指でつつき回しても、筆者の物を含む試した全ての筐体で確認できた異音が、全くしなかったからである。

ダメ押しで、筆者に話しかけてきたショップのスタッフが「ネットでパネルの不具合の噂を知って、自分たちの店の展示機は大丈夫かチェックした」と教えてくれた。実は筆者もパネルの隙間を問題視するレビューは事前に知っていた。

しかしメーカーのソニーには、ことネット上での活動に関しては元気のある過激なアンチと過激な信者が両方それなりについている。少なくとも筆者はそう考えているので、ネット上のレビューは内容を問わず8割くらい信用していない。Amazonのレビューと同じような物だ。

また、実際にパネルの接合に不具合のある筐体を引き当てた今でも、それらのレビューは話半分な扱いだ。接合に不具合があると感じるものの、その結果どんな障害が起きるのかは不明瞭だからである。

もし経費だったら迷わず分解したり、水没させて隙間から空気が漏れ出るかどうか位のテストはしたのだが、今回はガチに自腹。普通にプライベートで使うスマホなのでそこまではやっていない。

タップするとカタカタ鳴って、ちょっとした楽器として使えそうな他にどんな影響があるのかは全く未検証。この記事ではあくまで「メーカー送りになる状態のものが、埼玉のショップと筆者の購入品で確認された」というまでにとどめたいと思う。

まだ見積もり中で実際に幾ら請求されるのか、それとも無料でやってもらえるのか。あるいは、戻ってきたけど相変わらず出来損ないのカスタネットじみたままなのか……。これについては筆者もまだわからない。また何かあればお伝えしようと思う。

Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

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