突然だが、カプセルトイの「ダブり率」は体感的にどれくらいだろうか? 筆者の感覚だと、特定の1種を狙ったり、コンプリートを意識するとかなり難しいが、「違う種類で何個か欲しい」という程度なら簡単に達成できる。

おそらく店員さん側に「ある程度バラけて出るように筐体にセットする」コツがあるのではないかと想像している。今回もその調子で、「何回かやれば出るだろう」と簡単に考えて100円玉を投入し始めた。

新年早々「やっちまう」とも知らずに……。


・「可愛い嘘のカワウソ カプセルぐっずだぬ!2」(300円)

普段キャラクターグッズはあまり買わないのだが、店頭で一目ぼれした商品があった。イラストレーターLommyさんの「可愛い嘘のカワウソ」グッズである。

「だぬ」が口癖のカワウソで、クレーンゲームのプライズになるなど公式グッズも展開されているから、きっと見たことがあるだろう。

全6種で、うち2種入っているトートバッグが超絶カワイイ。どちらの絵柄でもよかったから、確率1/3だと考えればミッションは容易である。

記事でご紹介する予定はなかったので、完全に趣味の世界。この1年を占う、新春運だめしといってもいい。

最初に出たのはカモちゃんのラバーコースター。こちらまで笑顔になってしまうような愛らしさである。大きめのカプセルに入っていて、少しクセがついていたけどすぐに直った。

続いて出てきたのは、ちょっと小さいカプセル。マスキングテープ(春夏秋冬)だ!

ああ、商品によってカプセルのサイズが違うのか!!

四季折々のイラストが描かれている。これも可愛いが、欲しいのはトートだからもうちょっと頑張ろう。

むむ、カモちゃんのラバーコースター(2個目)である!

幸いにも、カプセルは外側から中身がわかる半透明タイプだった。手早く確認して、次いってみよう。


ところが


回しても


回しても


回しても


ラバーコースターかマスキングテープである。おかしい。こんなことはめったにない。筆者は「ははーん」と膝を打った。

トートバッグはサイズ的に「大カプセル」に入っていると思われる。筐体の中で大カプセルと小カプセルが入り混じっていると、商品口に到達しやすいのは小カプセルなのではないか。そこでバランス崩壊が起きているのではないか……!

ということは後半になればなるほど大カプセル、すなわちトートバッグが出るはずだ。なにせ1/3の確率なんだから。ここまでくると、もう「途中でやめる」という選択肢はない。

もちろんトートバッグが欲しいという気持ちもあるが、「このまま終わってたまるか」というような、「絶対に負けたくない、コンチクショー」というような、謎のアドレナリン噴出状態である。自分でもなにと闘っているのかわからない。


その後も回して


回して


回して


回して


「いくら使ったのか考えたくもない」という領域に到達した頃、筐体の中のカプセルが数えられるくらいになった。先述のとおり、カプセルは半透明で中身が透けて見える。そこで筆者は知った。


残りのカプセルにも、トートバッグは入っていない、と……。


・出なかった理由

なぜだろう。もちろんカプセルトイはブラインド販売であり、特定の商品が出ることを保証するものではない。たとえ1万円つっこんでも、出ないものは出ない。

けれど、過去にはこんなことはなかった。だいたい5~6個もダブりが出た時点で目的のものが手に入るのである。

帰宅後、筆者はバンダイ公式サイトの商品説明を見ていてあることに気づいた。そこにはこう書いてあったのだ。


「1カプセル1個入り 全6種 不均一」


不均一……不均一……不均一……不均一~~~~!!!!!!


つまり「6種が均等に入ってるよ」なんて最初からだれもいっていなかったのである! いわばトートバッグは「当たり」的存在で、ごく限られた数しか入っていなかったに違いない。そしてそれは、すでに排出されていたのである。

やっちまったぁぁぁぁぁ


なお、件(くだん)のトートバッグは、メルカリなどにも出品されているし、そもそも「コンプリートセット」のような形でインターネットショップで購入することもできたと思う。しかし、それでは主義に反する。

筆者はコレクターではなく、あくまで「遊び」でカプセルトイを楽しんでいるので、「出た」「出ない」も含めてエンタメなのである。それを狙い撃ちで「購入」してしまったら矜持を失う。

散々な結果に終わった今年の運だめしであったが、これに懲りず精力的に回していきたい。今年もなにとぞよろしく、だぬぅぅぅ……。


参考リンク:ガシャポンワールド
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.