私(佐藤)はなぜ気付かなかったのか? 日清がオンラインストア限定でUFOのソースボトル(日清焼そばU.F.O.濃い濃い追いソース!ボトルセット)の販売を開始した瞬間に、気付くべきだった。「ペヤングにUFOのソースをかけると、どちらの味が勝るのか?」という疑問に……。
それを確かめるため、実際に戦わせてみることにした。まさに頂上決戦、本当に強いカップ焼きそばはどっちなのか? ハッキリさせようじゃないか! 焼きそばのなかの焼きそば、出てこいやッ!!
・好敵手(ライバル)
まるか食品の『ペヤングソースやきそば』は1975年に発売開始。相対する『日清焼そばU.F.O.』は1976年に発売開始となっている。ほぼ同時期にうまれた2つの商品は、同じ時代を生き抜いてきたライバル。それぞれがお互いを意識していて当然の関係だ。
・目を背けることはできない
まさかその2つを戦わせることになるとは、私自身も想像していなかった。いや、本当のことを言えば、頭の片隅にその決戦のことを想定していた。だが! それはやってはいけないことのような気がして、躊躇してしまったことを正直に明かそう。
『ペヤングとUFOを混ぜてはいけない』、心の奥底でそう言われた気がして、ケンタッキーフライドチキンにUFOソースをかけるような無粋なマネをしてしまった……。読者からの指摘により、この戦いから目を背けるべきではないという結論に至ったことを、あらかじめ伝えておきたい。
・ペヤングフィールドで
さて、戦いのフィールドはペヤングで行うことにした。ボトル入りのUFOソースがやや優勢であることから、ペヤングフィールドを使用する判断をしたのだ。
ソースを同量(目分量)かけて、味の濃さで勝敗を決める。では早速、両選手の同時入場ですッ!!
両者は四角いリングの上に颯爽と登場! と、同時に、コ、コレは……。
麺の上に、同時に存在してはいけない2つのソースがふりかかったことで、時空が歪んでるッ!?
止めろ! 今すぐ止めて。ストップ、ストーーーップ!! ウワァアアアアアアアアアアアッ!
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終わった……のか?
どうやら2つのソースの間で、麺の上に同居することで何かの折り合いがついたらしい。
2者の優劣がついたのか、それとも……。ゆっくりとかき回して、フィールドで馴染ませる。
そして実際に食べてみることに。まずは匂いだ。ペヤング臭がキツイか? それともUFO臭か? 嗅いでみたところ……
なんてことだ! どちらかが匂いで勝ると思っていたら、どちらでもない! 互いの匂いが調和して、バランスをとっている。こんなことってあるのか? さらに……!
驚いたことに味もしかり! どちらかが上回っているということがない。ペヤングでもUFOでもない、2つが半々で混ざり合った味がしているではないかッ!! 強いて言うなら、第3の味「ペヤFO」とでも言おうか。まるで何かの化学反応が起きて、未知の領域に踏み込んだかのような錯覚に陥る。
・そして伝説へ……
こうして自然界の均衡は保たれ、森羅万象は永遠の揺蕩(たゆた)いを続けているのだろう。この頂上決戦の結果はドローだ。どちらが上でも下でもない。ペヤングとUFOは勝つとか負けるとかそんな小さなことではなく、もっと大きな何かを教えてくれた気がする。
ありがとうペヤング、ありがとうUFO。いつかこの2つが真に手を取り合って、カップ焼きそば界をさらに上へと押し上げてくれることを切に願う。Fin……。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24