2018年6月29日、映画『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』が日本で公開される。アナザーストーリーとしては2016年に公開された「ローグ・ワン」に続く第2弾で、タイトルからもおわかりの通り、ハリソン・フォードが演じた “ハン・ソロ” が主役のストーリーだ。
一足先に公開された海外での反応は……ぶっちゃけ良くない。だがしかし、今作を実際に観てきた記者はこう言いたい、「これは絶対に観ておくべき作品だ」と。なぜなら『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』は、スター・ウォーズの原点ともいうべき “リスクと挑戦の物語” だからだ。
・大きなリスク
ハン・ソロが映画化する──。数年前にそう聞いたとき、記者は率直に「ディズニーはとんでもないところに手を出してきたな」と思った。確かにハン・ソロはシリーズ屈指の人気キャラクターではあるが、その分多くの人にとって “思い入れのあるキャラ” だからだ。
登場人物のほとんどが新キャラだった「ローグ・ワン」と比べても、ハン・ソロは制約が多すぎる……。なぜなら多くのファンにとって自分なりの “ハン・ソロ像” が出来上がっており、それと違うだけで「こんなのハン・ソロじゃない!」とヒステリックな反応が起こると予測されたからだ。
・違和感なし
ファンにとって一番のギャップは、やはり「若き日のハン・ソロが本当にハン・ソロっぽいのか?」ということだろう。今作では「オールデン・エアエンライク」がハン・ソロを演じているが、個人的には映画が始まってから終了するまで、オールデン・エアエンライクは完璧にハン・ソロであった。つまり「違和感は皆無だった」ということだ。
さらに若き日のランド・カルリジアンを演じた「ドナルド・グローヴァー」も実にいい味を出している。言うまでもくチューバッカのビジュアルは基本的に同じだから「こんなの俺の知ってるスター・ウォーズじゃない!」という拒否反応はほとんどないことだろう。
・スター・ウォーズ脳が試される
さて、『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』はエピソード3と4の間を舞台にした物語である。いわゆる帝国が銀河を支配する “暗黒時代” の話だから、当然作品もポップではなくダークな雰囲気で進んでいく。
アクションシーンも多く、宇宙を縦横無尽に駆け回るミレニアム・ファルコン号もド迫力だが、それでも全体的な作品のイメージは暗い。個人的にはその暗さが好きだったが、万人受けするポップな作品とはいえないのかもしれない。
“万人受け” といえば、今作はかなり “スター・ウォーズ脳” が試される作品でもある。もちろん知識が無くても楽しめるが、スター・ウォーズの知識が深ければ深いほど、ニヤリとしてしまうシーンが多いハズだ。CGアニメ「クローン・ウォーズ」及び「反乱者たち」あたりのネタが登場するぞ。
まとめると『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』は “リスクと挑戦の物語” である。そもそもハン・ソロを深掘りしていくことは、それ自体がかなりのリスクなのだ。だがそれに挑戦したキャスト及び制作陣は、見事にその任務を果たしたと言っていいだろう。
思えば公開第1作「新たなる希望」も極端に少ない予算で制作され、全米わずか50館からのスタートであった。SF映画がキワモノとされていた時代、ジョージ・ルーカスがリスクを取り挑戦したからこそ名作が誕生したのだ。そんな意味で今作は、ある意味で “正統派のスター・ウォーズ” ともいえるのではなかろうか。
個人的には「ローグ・ワン」は傑作だと思っているし「フォースの覚醒」や「帝国の逆襲」「シスの復讐」も大好きな作品だ。ただハン・ソロにはハン・ソロなりの良さがある──。今作にしかないその良さは、ぜひ劇場でご覧いただきたい。『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』は6月29日公開だ。
参考リンク:ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー
Report:P.K.サンジュン
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