先日「茶こしをレンズ前に掲げることで、キラキラ効果を得ることができる」という内容の記事を書いたのだが、読者からの指摘で衝撃的な真実が発覚した。なんと、その記事では「茶こしを掲げるだけで」と言っておきながら、 “茶こしではないもの” で撮影していたのだ!

調べると、それはセリアで売っている「アク取り 大」だったのだが、このままでは最悪「記事を信じて撮影に臨んだ結果、写真には茶こししか写っていなかった」などという悲劇が起きかねない。

そこで今回は、セリアで売っていた本物の「茶こし」をはじめとする複数の金網製品で再検証してみた。その結果、実践する際に注意すべき点や、いけるように見えて実はNGな金網製品についても明らかになったのでご覧頂きたい。

・網目の大きさでキラキラ感が変わる

というわけでやってきたのは、雨降る近所の路地裏午前2時

前回の海とはえらい違いだが、しばらく悪天候が続いているため検証に適した陽光は期待できない。夜中の街灯でテストするのが良いだろうとの判断だ。

ここまで環境が変わるとキラキラ効果にも影響が出ると思われるので、比較のために前回茶こしだと思って使用していた「アク取り 大」も一緒にテストする。また、スマホと一眼レフで撮り比べ、違いを確かめてみたぞ。


・まずはアク取りでテスト

何かすげぇええええええええ!


スマホの方は肉眼で見るよりもかなり派手に! 写真全体に光のラインが入りまくっていて、まるでビームで攻撃されているかのようだ。

やたらと派手な結果となったのは想定外だった。でも日中であればそれなりにイイ感じになるのは前回の記事の通りなのでそこは安心して欲しい。

一方でデジタル一眼の方はキラキラした部分のほとんどがシマ模様のようになってしまっている。この辺は微妙な明るさの違いやレンズに対しての角度が影響しているのだろうか?


・続いて本物の「茶こし」

相変わらず派手だが、スマホとデジタル一眼共に「アク取り 大」と大体同じ結果だ。この効果は網目の細かさや、網に使われるワイヤーの太さに依存する。セリアの「アク取り 大」と「茶こし」の金網はかなり似ているので納得である。

とりあえずこれで、「茶こし」でも前回海辺で使用した「アク取り 大」と大体同じ結果が得られることはお伝えできたのではないだろうか。


・「カス揚げ 大」

そして次は「カス揚げ 大」。こちらは明らかに他の2つよりも網目が大きく、ワイヤーも太い。結果も違ってきそうだが……

全体的にキラキラ感にシャープさを感じる。ワイヤーが太いからだろうか? ビームで例えると、アク取りや茶こしはシールドやバリアで弾かれてしまいそうなのに対し、カス揚げは防御を貫通してきそうな感じだ。

ということで3つの金網製品を試した。深夜に街灯を被写体とするのであれば、個人的にはカス揚げが一番キレイに感じる。まぁこの辺りは好み次第だと思うので、興味がある方は家にある金網製品で色々と試してみると面白いかもしれない。


・初見殺しなNGアイテム

最後に、この目的のためにはNGな金網製品があったのでお伝えしたい。しかもそれは滅茶苦茶向いてそうに思えるため、かなり凶悪な初見殺しのトラップとなっている。それは……

まさかの茶こしである! 茶こしでキラキラできると言った直後で何を言い出すのかと思われた方、少し待って欲しい。しっかり説明するぞ。

まずはNGな理由だが、これをレンズの前に掲げて撮るとがっつりと写り込んでしまうのだ。

この仕組みについて手短に解説するため、テストに使用した茶こしをそれぞれの製品名から「ステンレス」、写り込んでしまう茶こしを「70号」と呼ぶことにする。

両者の一番の違いは底の深さだ。「70号」は「ステンレス」の倍くらいの深さがある。

この底の深さゆえに、「70号」は一部がはっきりと写真でわかる感じでレンズの画角内に入ってしまうのだ。


ということで実際にやってみようと思った方は、ある程度目の細かい金網製品というのはもちろん、底の深さも使用する撮影機器に合った物を選ぶのが良さそうだ。梅雨が明けたら金網製品とカメラを持って是非試してみて欲しい!

Report・イラスト:江川資具
Photo:Rocketnews24.