ところ変われば、食べるものも変わる。カルチャーショックを受けることは少なくない。記者の出身地である福岡県ではスーパーで豚足が売っていたが、関西に移り住んでからというもの、トンとお目にかからなくなった。豚足好きなんだけどなあ……と、それはさて置き。
屋台などで売られることも多い「イカ焼き」は、丸ごとイカを食べられる贅沢(ぜいたく)な一品だ。しかし、大阪で売っているイカ焼きはよくあるソレと全く違う姿かたちをしていることをご存じだろうか。さすが大阪としか言いようがないイカ焼きの全貌は、以下の通りだ!
・衝撃のビジュアル
イカ焼きと言えばしょう油を使って味付けしたもので、酒のアテに最高というイメージしかなかった記者。ある日、大阪のデパートをブラついていた時のことだ。「イカ焼き」の文字が目に入り、ふらふらと近寄ってみたところ「これがイカ焼き?」と衝撃を受けることになる。
そこで目にしたものは、イカのイの字も感じられないものだったのだ。パッと見は、ほぼお好み焼きに近い。小麦粉か何かを薄くのばしたものをパタンと折り、半月の形に仕上がっている。間に何かが挟まれているようでもない。果たしてこれは一体……!?
・粉もんの一種
さっそく購入し、食べてみたところモチモチの薄い生地に少しばかりイカの切り身が入っていた。モチロン味付けはソースだ。本当に関西人はソースが大好きだなあ。モノによって卵が追加トッピングされてはいるが、所謂(いわゆる)粉もんの一種だ。
それまで持っていたイカ焼きのイメージがガラリ。カルチャーショックを受ける一品だったが、これはこれで美味しい。早いし、安いし、大阪らしさも存分に感じられてワクワクするではないか。ソースのイカ焼きもなかなかイケる。これまで半世紀以上も愛され続けているのも納得だった。
ゴーイングマイウェイ感がすさまじいイカ焼きだが、粉もん文化が浸透し切っている大阪ならではの一品だと言えるだろう。全国的に普及しているイカ焼きに慣れていても全然アリ……というかリピート確実なので、大阪でイカ焼きを見つけたら一度お試しあれ。
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.