
近頃の若い人は、「ヤバい」のことを「ヤバたにえん」というそうだ。なんだソレ! 言葉の乱れは心の乱れ。もっときれいな言葉を使おう! とおじさんの私(佐藤)は言いたくなってしまう。が! おそらく感情が自分の許容量を超えてしまうと、興奮のあまり言葉が乱れてしまうらしい。そのことを私自ら実感した。まさに今日のことだ。
東京・六本木にある「御曹司 松六家」には大変評価の高い和牛ひつまぶしがあるという。いつか食べたい! と思っていたら、その願いが今日叶った。それを食べた瞬間に思わず「ヤバたにえん!!」と心で叫んでしまったことを、ここに告白しよう。この味は、お茶漬けのトップメーカー永谷園も嫉妬するレベルである。マジで……。
・いつも売切れ
お店は東京メトロ六本木駅から約3分のところにある。私はここに何度も来たことがある。ウマいと噂のひつまぶしを食べたいと思って、何度か挑戦したがいつも売切れ。ランチ限定30食のため、食べ逃していたのである。
この日は幸い、早くから六本木にいることができたので、ランチ開始時刻の11時30分を少し過ぎたあたりでお店に向かってみると、無事に入店することができた。とはいえ、私が入った後にすぐに満席。通された席も他のお客さんとの相席だった。相変わらず高い人気を誇っている。
・ランチはこれだけ
ランチのメニューは、極上黒毛和牛ひつまぶし(2000円)のみ。追加の単品鮮魚のお造り(600円)もあったが、この日はすでに売切れとなっていた。メニューの裏にはひつまぶしの食べ方が記されている。これに倣(なら)って食べるとしよう。
・30分も待たずに
オーダーをすると、スタッフは「30分ほどお時間を頂くかもしれません」という。結構時間がかかるとは思ったが、せっかく入店できたのに、諦める訳にはいかない! 当然待つことにした。
混み合っている様子だったので、30分以上かかるのかな? と思ったら、20分程度で出てきた。お、なんか得した気分。これがあの夢にまで見たひつまぶしなのか!
・官能的な一品
さすが会席料理を提供するお店だけあって、小鉢が充実している。しかし、正直なところそんなのどうでもいい! 食べたいのは、あくまでもひつまぶしだ。私の眼中にはそれしかない!! それにしても……
なんという美しきビジュアル!
赤と白のエクスタシー、これほど「官能的」と呼ぶにふさわしい料理があるだろうか? 見てるだけで、心の奥底からあるひとつの言葉が突き上がってくる。
YABA-TANIEN(ヤバたにえん)
今をおいてほかに、この言葉を使うタイミングは人生に訪れないのではないかと思うほど、しっくりくる。「ヤバい」では足りないのだ、「ヤバい」の一言では片づけられない。そんな雰囲気をこの料理は醸している。
・食べるのが惜しい……
肉を一切れ口に入れると、脂の甘さと肉の歯触りを残して、静かに消え去っていくようだ。食べるのが惜しい! たった一切れ食べただけで、残りの7切れの肉をどう食べていくべきかで頭がいっぱいになってしまう。
そのまま食べる、ご飯と共に食べる。どう食べても不満がない。むしろ「味の掛け算」状態でウマさが増しているように感じるじゃないか。ゆっくり味わっているつもりが、すでに4切れを消費してしまった。楽しい時間はあと半分で終わってしまうのか? そう思ったら……。
埋蔵金発掘?
ご飯の下にも肉がいるじゃないか! これはうれしいサプライズ。しかもご飯にはタレと肉の旨味がしっかり浸透している。一瞬「シェフを呼んでくれ! お礼が言いたい」と言いそうになったのを必死でこらえた。これ考えた人、天才でしょ!
・楽しみは終わらない!
食事も後半に差し掛かったところで、さらなるお楽しみ。おかわり用のご飯のおひつと、茶漬け用の出汁が出てきた。やけに奥行きのある天国だな、このやろう~! おじさん喜んじゃうよ!! ということで、すぐさま茶漬けタイムに突入。
・お茶漬けといえば?
お茶漬けといえば、やっぱり永谷園である。日本人の9割に「お茶漬けといえば?」と尋ねたら、即座にそう答えるはずである。しかし私は今日からそれをやめる!
私は茶漬けといったら「松六家」と答えることにしようと決めた。たった今、決めた! この味はマジで永谷園も嫉妬するに違いない。もしこの味を永谷園が再現して、家でも食べることができたなら、その時こそ私は、「お茶漬けは永谷園!」と胸を張って言えるだろう。そんな気がした44歳の晩春であった……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 御曹司 松六家
住所 東京都港区六本木4-10-2
営業時間 11:30~14:00、17:00~23:30
定休日 日曜日、年末年始
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
佐藤英典










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