とても看過できない商品がカルディに売っていた。その名も、『卵のいらない卵かけご飯の素』である。目の錯覚ではない。『卵のいらない卵かけご飯の素』である。

言うまでもなく「卵かけご飯」において卵は絶対的な存在。卵とご飯のコンビで「卵かけご飯」のはずだ。それなのに「いらない」と一蹴、あっさり戦力外にしてしまうとは……! そこまで不仲だったとは知らなかった……。と思いきや、ご飯は「卵かけご飯」というコンビ名で活動を続けると。そんなこと許されるのか!? いっただきま〜す。

まずはパッケージ裏の原材料を確認。なるほど……たしかに卵は入っていない。しかし、しょうゆの次に書いてあるのが「卵黄加工品」なる存在。……ほう、彼が「卵さん」の後釜というわけか。卵さん抜きで「卵かけご飯」を名乗るのは容易ではないぞ。

開封すると、銀色した2つの袋が。中には液体が入っているもよう……って、そ、そうか! もうわかった……つまり……この中に……「すでに溶いた卵みたいなもの」が入っている……! そういうことか……。あとはもう、「かけ」るだけという段階……。


ならば!


最高のステージを用意……!

炊きたてのごはんに……

『卵のいらない卵かけご飯の素』を……

!!!!

リ、リアル……! 超リアルっ……!!

何がリアルかって、「ニオイ」が そのまんま「卵かけご飯」なのであるっ……!! これで味すら完全に「卵かけご飯」だったら、本家本元「卵」さんの立場が……!! ヤバイっ……ヤバイぞ、卵さんっ……! 後釜の「卵もどき」は、相当なる実力者っ……!!


──と思いきや、そうでもなかった。


まずひとくち食べた直後の感想は、ずばり「かっ、辛ぇっ……!!」であった。味が相当に濃いというか、「鰹だし+しょうゆ+卵の味」が強すぎて、あわててお茶を飲んだ次第。

ここまで濃いのであれば、自分の流派ではないのだが「ぐちゃぐちゃに混ぜる式」で行くしかない。見栄えは悪いが、こうして薄めないと食べられない。ぐちゃぐちゃ……

──で、食べてみたら、そこそこ美味いし、そこそこ「卵かけご飯」なのではあるが、やはり本家本元「卵かけご飯」とは似て非なるものがある。かなり近いが、やっぱり違う。モノマネに例えるなら、「宇多田ヒカル」と「ミラクルひかる」くらいの違いだ。

しかしながら、あらためて本物の「卵さん」の実力を知る機会にはなるとは思う。そして思い知ることだろう。卵かけご飯に「卵は、いる」と。卵アンドご飯、解散は、ありえない。

参考リンク:カルディ「卵のいらない卵かけご飯の素」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.