高校野球の聖地といえば「甲子園」。球児たちは甲子園のマウンドに立つことを夢見て、日夜練習に励んでいる。では、ブラスバンドの聖地といえば、どこかご存じだろうか?
それは「普門館」だ。全日本吹奏楽コンクールの会場として使用されてきた会場なのだが……2018年12月から解体工事が始まることが明らかになり、ブラスバンド経験者の間で悲しみが広がっている。
・耐震強度の問題
普門館は宗教法人「立正佼成会」が所有する建物であり、1972年から吹奏楽コンクールの全国大会の会場として使用されてきた。しかし2012年に耐震調査を行ったところ、天井の耐震性が不十分であることが判明し、同年から会場を名古屋国際会議場センチュリーホールに移し、全国大会が行われている。
・経験者の憧れ
普門館で演奏することは、吹奏楽部にとっての栄誉であり、当時現役だった生徒にとっては憧れであった。現在は会場として使用されていないものの、思い出が詰まった場所として、ブラス経験者の胸に輝かしい記憶として残っているはず。それが解体されることになるとは……。
・悲しみの声
「普門館でいつか演奏したいと思って頑張ったけど、叶わなかったな」
「普門館立ちたかったなぁーー」
「普門館無くなるんかぁ」
「寂しい!」
「ここで演奏出来たことは、 一生の宝物だ」
「夢の夢のそのまた夢だったけど」
「ここを目指して朝から晩まで練習に明け暮れていた日々」
「結局一度も行けなかった」
「あの舞台で演奏するのを目標に頑張ってた」
「ずっと憧れの舞台だった普門館のステージ」
……など。普門館のステージに立った人よりも、むしろ立てなかった人の方が、その別れを惜しんでいるように見える。ちなみに宇宙海賊として活躍しているお笑い芸人のゴー☆ジャスさんも、高校の時に吹奏楽部で全国大会に出場しているので、普門館には立っているはずだ。ゴーさんもきっと心のどこかで、別れを悲しんでいるに違いない。
なお、普門館解体後は緑地になる見通しで、立正佼成会は具体的な工事内容について、今後改めて報告するとしている。