ウマい酒には、ウマいつまみが必要不可欠だ。それぞれがそれぞれを引き立たせ、その旨みを上へ上へと引き上げる。ところで、一番好きな酒の肴(さかな)は何ですか? と聞かれたら、もしかすると私(あひるねこ)の場合、イカと答えるかもしれない。

煮ても焼いても、生でも燻製でも、どんな食べ方をしても酒に合うイカは偉大である。そんなイカ料理が、なんとオール200円という安さで食べられる有名立ち飲み屋があることを、あなたは知っているだろうか? 東京・荻窪にある「やきや」は、すべてのイカ好きが行くべきまさに聖地である!

・イカでせんべろしたい

1000円でべろべろになるほど安く飲めることを指す言葉、せんべろ。イカでせんべろができればなぁ、と思っている人は、迷わず中央線に乗って荻窪駅で降りるがよろし。南口の仲通り商店街を進んだ先にある小さな立ち飲み屋「やきや」には、めくるめくイカパラダイスが広がっているのだ。

・荻窪の名店

土曜の夕方にお店に着くと、10名ほどが入る店内はほぼ満席。奥に一席だけあるテーブルに着き様子をうかがう。おっさんだらけかと思いきや、意外と若い人も多い。他にもギャルっぽい二人組が立ち飲みしていたりと人種は様々だが、皆一様にイカにかじりつくイカ野郎であることだけは確かだ。私もまた、イカ野郎の一人である。

・イカが激安

とりあえず、まずはホッピーで軽く喉を潤す。ホッピーは税込320円となかなかの安さで、“なか” の量もまずまずだ。さて、それではさっそくイカを頼もうとしようか。壁に貼ってあるメニューに目をやると、まさかの価格に思わず墨を吐きそうになったでゲソ。

刺身も、げそ焼きも、げそ揚げも、塩辛も、イカを使ったつまみはすべて税込200円なのである! おいおい、マジかよこれ。イカ刺しが200円って、そんなことあるのか? しかも元々は全部170円だったところ、値上げしてこの金額らしいのだ。その通り、意味不明である。

・激安なのにこのウマさ

一番高いメニューでも しめさばの270円と、ちょっと感覚がおかしくなってくるな。すると、焼き場の方からイカを焼く香ばしい匂いが。キターーーーーー! イカゲソ焼きだァァァァアアア!! ていうか、これで200円かよ! 十分すぎる量&マヨネーズも付いてきて完璧でゲソ。

マヨに七味をたっぷりかけていただく。うむ! プリップリしていて激しくウマしだ。繰り返すが、これで200円かよ! さあ、ゲソ焼きだけで一杯飲んでしまいそうなので、忘れないうちに他のメニューもじゃんじゃん頼むでゲソ。

・イカ尽くし

イカと言ったら、やはりイカ刺しだけは外せない。イカ刺しなら無限に食える、マジで。というわけで頼んだイカ刺しは、これもとても200円とは思えないほど上質でグッジョブだ。もちろん生臭さはストロングゼロ。さらにイカミミ刺しまであるっていうんだから、頼まない理由が見当たらないぞ。コリコリしていて、こちらも最高である。

・日本酒とイカ

ここらでホッピーからお酒に切り替えよう。酒一杯で税込250円だ。全然関係ないけど、飲み屋で日本酒のことを「お酒」って呼ぶの、なんかいいよな。別に大吟醸ではなくても、それだけで粋な感じがしてこないだろうか。串に刺さったナンコツ焼きに、ボリュームあるゲソ揚げ、自家製塩辛と、すべてがこの酒に合いすぎて参ってしまうでゲソよ。

・結論、イカでせんべろは可能

サクッと飲んでスッと出る。こういう店では、それが正しい飲み方だ。とはいえ、今回は撮影用にたくさん頼んでしまった。ドリンク2杯に料理は6品。まあまあいったかな? 気になる合計は……まさかの1770円と激安! 軽く引っ掛ける程度なら、余裕で1000円を切ってしまうだろう。ちなみに隣のおっさんは800円くらいだった。

最初っから最後までイカ尽くし、かつ圧倒的なせんべろも完成してしまう「やきや」。イカ好きが行くべき聖地と書いた理由が分かっていただけたと思う。近所にあったら毎日のように通いたい名店であることは間違いないゲソ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 やきや 荻窪店
住所 東京都杉並区荻窪5-29-3
時間 16:00~23:00
休日 日曜

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼ホッピーは税込320円

▼イカはすべて税込200円だ!

▼イカ刺身

▼酒一杯は税込250円

▼イカミミ刺身

▼イカナンコツ焼

▼ゲソ揚げ

▼自家製塩辛

▼イカ好きが行くべきまさに聖地!

日本、〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目29−3