日本人がもっとも消費しているフルーツをご存じだろうか? そう、バナナである。「手軽で・安くて・美味しい」の三拍子がそろったバナナは、“フルーツ界の三冠王” と言ってもいいだろう。そのバナナは99.9%が海外からの輸入物だが、実はわずかに国産バナナも存在する。今回紹介する岡山県産の『もんげーバナナ』もそのうちの1つだ。
なんとこの『もんげーバナナ』は皮まで食べられるバナナで、1本の価格は税込648円、1週間に10本程度しか流通しない幻のバナナである。今回は希少な『もんげーバナナ』を岡山県からいただいたので、さっそく食べてみることにした。
・幻のバナナ
もんげーバナナを生産するのは岡山県の「D&Tファーム」である。通常バナナは熱帯地域でしか栽培できないが、「D&Tファーム」では植物のDNAから太古の記憶を呼び覚ます「凍結解凍覚醒法」でバナナの種を処理し、11月の日本でもバナナの生産に成功したという。
冷涼な土地で栽培するためバナナの天敵がおらず、無農薬で育てられた『もんげーバナナ』は皮まで食べられるというから驚きだ。しかも糖度は24.8(一般的には約18.3)と大幅に高く、強い粘りと豊かな香りが特徴らしい。ちなみに「もんげー」とは岡山弁で “すごい” という意味だそうだ。
本来は岡山県の百貨店「天満屋・岡山店」の青果コーナーのみで販売され、通販にも対応していないもんげーバナナ。週に1度、10本程度しか入荷しない希少なバナナを今回は特別に岡山県から送っていただいた。果たしてもんげーバナナは1本648円の価値があるのだろうか?
・とにかく皮が薄い
まずは届いたバナナを食べ頃になるまで寝かせる。皮の表面にプツプツと茶色い斑点が出てきたら食べ頃のようだ。そしてバナナを受け取ってから放置すること2日──。香りも強くなり、いよいよ食べ頃が来た。
さっそく皮ごとかぶりつく……と行きたいところだが、とりあえずは皮をむいて普通に食べてみることに。皮をむくと驚くほど薄い! 皮が薄い!! おお、これくらい薄ければ皮も食べられる気がしてきたぜ……!!
はやる気持ちを抑えながらまずは身の部分を食べてみると……おお、香りがかなり強く、パイナップル級の南国の香りがフワッと鼻を通り抜けたではないか。確かにコレはいつものバナナではない……。
・皮も余裕!
お次にバナナをスライスし、いよいよ皮ごと食べてみることに。結果からいうと、皮も余裕で食べられた。先述のように皮が薄いため口の中でも違和感がなく、バナナの甘さで皮の味はほぼしない。マジか……! 本当に皮まで食べられるなんて、もんげーバナナ、マジもんげー!!
念のため、コンビニで購入したエクアドル産のバナナも皮ごと食べてみたが、こちらは繊維質が多い上に渋みが強いため食用には向いていなかった。というか農薬を使っている(ハズ)ので、安いバナナの皮を食べることはオススメしない。
というわけで、確かに一般的なバナナとは一線を画していたもんげーバナナ。マジのマジで希少なバナナなのでなかなか手に入らないとは思うが、岡山県にお出かけの際は天満屋を覗いてみるといいだろう。本当にもんげーぜ。
参考リンク:もんげーバナナ 、 天満屋岡山店
取材協力:岡山県
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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