人生何が起こるか分からない。今、話題になっているある男性の「初デートの体験談」を聞けば、誰だってそんな言葉が頭を駆け巡るだろう。

話は、男性が初デートで相手の女性から「ウンコが流れなかったから、窓から捨てた」と告げられるところから始まる。そして最後は、彼のもとに多額の寄付金が集まるのだが……って、一体何があったの?

・初デートで「ウンコを窓から投げ捨てた」と言われた男性

リアム・スミスさんが、ネット上で公開したこの体験談。出会い系アプリで出会った女性と初デートをしたときのことだ。レストランでの夕食を楽しんだ後、2人は彼の家でワインを飲みながらドキュメンタリーを見ていたそう。

そして彼女はトイレに立ったのだが、戻ってきたときに動揺しながら彼にこう告げた。

「ウンコをしたんだけど、トイレが流れなかった。パニックになって、ウンコをトイレットペーパーで包んで窓から外に投げ捨てた」

ううーん、それはちょっとマズいのでは? と焦ったリアムさんは、一緒にウンコを回収しに外に行こうと提案。ウンコを拾って、ちゃんと捨てて、今回のことは全て水に流そうというのだ。「気持ち悪い」などと拒否することなく、こんな対応が取れるだなんて素敵!

・ウンコはまだ家の中にあった

……だが、話はそう簡単には終わらなかった。なんと女性が外に投げ捨てたつもりだったウンコは、まだ部屋の中にあったからだ。

ウンコを投げ捨てられた窓は二重構造で、1枚目の窓のすぐ後ろにもう1枚窓があったのだ。窓は2枚ともはめ殺しだが、内側の窓の上部が少しだけ開いている。女性は窓が二重構造であることに気付かずに、ここからウンコを投げ捨ててしまった。つまり、2枚の窓の隙間にウンコを落としてしまったのである。

・体を張ってウンコを取りにいった女性

体験談と一緒に投稿された窓の写真を見てみると……うーん、これはウンコを拾うのは難しそう。窓は細長い形をしているので、腕を伸ばしても届きそうにないのだ。

リアムさんは「ハンマーで窓を壊すしかない」と考えていたそうだが、女性は窓の上部から体をねじ込み、隙間に入ってウンコを拾う方法を思いつく。隙間は約45センチ。彼女はアマチュアの体操選手で、体の柔軟性にも自信があったもよう。ということで彼女は頭から窓と窓の間に潜り込んだ!

全身をスッポリと隙間にいれた彼女は、体と手を伸ばしてウンコをキャッチ。袋に入れてリアムさんに手渡し、後は脱出すればOK……と、ここで問題が発生。

体が隙間にハマり、出られなくなってしまったのだ。リアムさんが助けようとしても、彼女の体は全然動かない。この時点で女性は15分以上逆さづりの状態になっていたため、リアムさんは消防隊に助けを求めることに。駆け付けた消防隊は窓を壊し、女性を救出したのだった。

・窓の修繕費の寄付を募る

ああ、助かってよかった! けれども窓の修繕費300ポンド(約4万円)は、学生であるリアムさんにとってかなりの痛手。そこで彼は、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』で寄付を募ることにしたのだ。

写真を公開しながら一連の事情を説明したところ、「大いに笑わせてくれたお礼に寄付したよ」「女性の行動も素敵。勇気をもらった」などの言葉とともに多額の寄付が寄せられた。当初の目標額200ポンド(約3万円)を大きく超えた額が集まり、2017年9月7日7時の時点では、約2400ポンド(約35万円)にも達していた。

・余ったお金はチャリティーに

また、目標額よりも多くのお金が集まったら、修繕費以外は全て非営利団体に寄付するとリアムさんは付け加えている。寄付先は、世界中でトイレ設備を整える『Toilet Twinning』と消防士たちを支援する『The Fire Fighters Charity』の2団体だ。

この姿勢にも多くの人が好感を持ったよう。リアムさんの元には「無料で窓を修理したい」という申し出まで寄せられ、全ての寄付金が2団体に回されることになったのだった。うーん、なんだかスゴい流れだ!

・リアムさん「彼女とはデートを続けたい」

女性の身元は明かされていないが、彼女も体験談を公開して寄付を募ることに賛成しているそう。

リアムさんは、女性とのデートを今後も続けるつもりだと話している。英メディア『Bristol Post』や『BBC』に対して「彼女は素敵な女性です。今は論文で忙しいので、今後どうなるかは分かりませんが、また彼女に会うでしょう」「すでに2回目のデートにも行きました。とても楽しかった」と語っている。

こんな奇跡的な状況を2人乗り越えたんだもの。そうこなくっちゃ!

参照元:Go Fund MeBristol PostBBC(英語)、Twitter @AvonFireRescue
執筆:小千谷サチ

▼消防隊もこの件についてツイート。女性を救出した際の写真だ