さる2017年8月12日、米ヴァージニア州シャーロッツビルで、白人至上主義者の集会が行われた際に暴動が勃発。死者1人、負傷者30人以上の大惨事となったことは、ご存じの読者の方もいるだろう。
そんななか、人種差別が原因となった暴動で揺れる米国で、「日本生まれのゲームキャラ」が反人種差別主義のシンボル的存在となり、人気を博しているというのである。
・日本生まれの人気キャラが反人種差別主義のシンボルに!
米ニュースサイト『Mashable』によると、反人種差別主義のシンボル的存在になっているのは、ソニック・ザ・ヘッジホッグ。日本が誇るセガグループのビデオゲームに登場するキャラクターで、通称は「ソニック」。日本生まれではあるが、どちらかというと、本国よりも海外で圧倒的な人気&地位を築いているキャラである。
それでは、なぜソニックが反人種差別主義のシンボル的存在になったのか、その経緯を説明したいと思う。
・ソニックは反体制のヒーロー
米コネチカット州で開催された反人種差別主義を訴える集会に、ベン・エーチさんという男性が、ソニックがプリントされたTシャツを着て参加。そのTシャツには、「Sonic Says NO to fascism and racism:ソニックが “ファシズムと人種差別主義に反対しよう” と言っている」とのメッセージが書かれているのである。
なぜ、彼がソニックを選んだのかというと、ソニックは反体制のヒーローで、いつも全体主義体制に反抗してきたからなのだとか。全体主義とは、個人の利益よりも全体の利益を優先させる政治体制のことで、ナチズムやファシズムもこれに相当する。
また、彼はTwitterで「スーパーマリオは金と女のために戦うが、ソニックは正義のために立ち上がるんだ」ともコメント。ソニックは反人種差別主義を訴えるキャラクターとして、まさに適役だったのだ。
そんなベンさんが、反人種差別主義を訴える集会に参加する画像がネットで拡散! 彼の意図するところがネット民の心をつかんだのか、一躍ソニックが、反人種差別主義のシンボル的存在になったという訳である。
単に娯楽のためだけでなく、日本生まれのキャラクターが平和を訴えるために一役買っているとは、なんとも嬉しい限りである。人種差別は、簡単に解決を望めないほど根が深い問題ではあるが、このような暴動事件が二度と起こらないことを願うばかりだ。
参照元:NHK、Twitter @jonnyathan、@SonicTheAntifa、Mashable(英語)
執筆:Nekolas
▼こちらがソニックの反人種差別主義を訴えるTシャツ
Only came for that sonic kid or teen pic.twitter.com/3x1GBCne2A
— i vant to die (@TheNewBlueHed) 2017年8月14日
▼この画像がネットで大拡散して反人種差別主義のシンボル的存在に!
Standing in solidarity with hundreds in West Hartford. Together we denounce white supremacists, KKK, neo-Nazis who spur hatred. pic.twitter.com/QSzXOmMuti
— Richard Blumenthal (@SenBlumenthal) August 13, 2017
computer, enhance image pic.twitter.com/64B2J3iUIf
— Jonny (@jonnyathan) August 13, 2017
▼「ソニックは反体制のヒーローだ!」とのベンさんのコメント
That is precisely why Sonic is my go-to resistance hero. That, and he's always resisted totalitarian regimes.
— Ben Aech (@SonicTheAntifa) 2017年8月14日
▼「ソニックは正義のために立ち上がるんだ」との言葉も!
In other words, Mario does it solely for the money and for the women. Sonic does it because it's the right thing to do. Sonic > Mario.
— Ben Aech (@SonicTheAntifa) 2017年8月14日