2017年7月20日、日本でも絶大な人気を誇る米ロックバンド「リンキン・パーク」のボーカル、チェスター・ベニントンが短すぎる人生に別れを告げた。
あれから約半月、タイの少年達が自国の伝統楽器でバンドの代表曲『Numb』をカバーする動画が、ネットで話題になっているので紹介したい。楽器が持つ独特の音色とアレンジが美しく、その動画を見たら、ファンはチェスターを思ってジ~ンと胸が熱くなってしまうのではないだろうか。
・タイの伝統楽器でカバーされたリンキン・パークの代表曲
タイのバンコクで開催されたバンコク・ストリート・ショーで、5人の少年がリンキン・パークの『Numb』をカバー。動画を見たところ、手前にいる少年3人が奏でているのは「キム」と呼ばれる伝統楽器で、後ろの少年は「チャケー」という弦楽器を弾いている様子。もう1人の少年は、木箱をドラムのように叩いてリズムを取っている。
この演奏が YouTube に投稿されたのは2016年のことだが、チェスターの死を受けてネットで話題となっているようだ。
・重いテーマの曲が違う印象に
2003年にリリースされたアルバム『メテオラ』に収録され、シングルカットされた後に大ヒットとなった『Numb』。この曲は皮肉にも、長年にわたりチェスターが抱えていたアルコール・ドラッグ依存症の問題と鬱(うつ)、子供時代に受けていた性的虐待など、彼が経験した苦しみを歌った曲だ。
・チェスターに贈った別れの曲のようなアレンジ
そんな曲が、心の闇を歌った歌詞やヘヴィなギターサウンドではなく、タイの美しい伝統楽器で奏でられると、まるでチェスターに贈った別れの曲のように思えてくる。特にキムは鉄琴のような音色を奏でる楽器で、その金属的で軽快な音が重いテーマを歌った『Numb』に違う印象を与えている。
一味違ったアレンジで演奏される『Numb』を聴いていると、「二度とチェスターの生の声を聞くことは出来ないのか……」という気持ちになり、ファンは胸が熱くなってしまうのではないだろうか。
このカバーをチェスターが聴いたら、きっと気に入ったのではないかと思う。数々の名曲を残し、世界中のファンの心に触れた彼の冥福を心よりお祈りしたい。
▼タイの少年達が自国の伝統楽器でバンドの代表曲『Numb』をカバーする動画
▼こちらはリンキン・パークの『Numb』