「北朝鮮」と聞くと、入国することすらままならないようなイメージを持っている人は多いだろうが、最近は観光にも力を入れて徐々に外国人旅行者が増えているようだ。
そんななか、北朝鮮の観光当局が英語の観光ページを開設! しかし、2017年6月に同国で拘束されていた米国人学生が死亡したことを受けて、海外メディアが「新たな人質候補を募っているのか!?」と報じているという。
・北朝鮮の観光当局が英語の観光ページを開設
韓国の情報サイト『THE KOREA TIMES』英語版によると、話題となっている観光Webサイト「DPR Korea Tour」は、韓国語・英語の他に、中国語とロシア語、日本語でも閲覧が可能である。
また、見どころや祭典・行事、お勧め観光日程などの情報が盛り込まれているほか、写真や動画も確認できるが……サイトはシンプルなデザインで、充実した内容と言い難い。
例えば、首都の平壌(ピョンヤン)については歴史遺跡や公園・遊園地、スポーツ・観光サービス施設などの情報が掲載されているものの、あくまで参考程度にしかならないという印象を受ける。
・海外メディアは皮肉な注意喚起
旅行会社にしてみたら、海外旅行者を募って利益を上げたいとの狙いがあるのだろう。だが先月、米国人学生オットー・ワームビアさんが政治宣伝ポスターを盗もうとしたとの罪で拘束され、その後、解放されて米国に戻ったが昏睡状態に陥り死亡。
北朝鮮の当局により拷問されたのではないかとの疑いもあり、複数の海外メディアが、「観光ページの開設で、新たな人質候補を呼び寄せようとしているのではないか」と注意を喚起しているのだ。
・米国務省が「北朝鮮を訪れないように」と警告!
ちなみに、ここ10年で16人の米国人が何らかの理由で、北朝鮮当局により拘束されているのだという。問題の観光ページ開設に当たり米国務省は、米国民にオットーさんのような悲劇を繰り返さないためにも、「北朝鮮を訪れないように」と警告を促していると報じられている。
北朝鮮は ‟未踏の地” という印象があるだけに、海外旅行に慣れた人は観光ページが開設されたことで、「一人でも行ってみようかな」という気持ちになってしまうのかもしれない。だが、出来ればツアー旅行を利用するなり、一人での行動は慎んだ方が無難ではないだろうか。
参照元:DPR Korea Tour、THE KOREA TIMES(英語)
執筆:Nekolas
Photo:RocketNews24.