亀有公園前派出所の警官・両津勘吉の破天荒な日常を描いた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、通称「こち亀」。時事ネタを扱う話からホロッとくる人情話まで、個性的なキャラたちが魅力のマンガである。この度、そんな「こち亀」がSFだったことが発覚したためお伝えしたい。

・伝統のSF賞を受賞

去る2017年7月22日、SF賞『星雲賞』の2017年第48回受賞作が発表された。日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇るというこのアワード。なんと、そのコミック部門を「こち亀」が受賞したのである! マジかよ!? 「こち亀」ってSFだったのか……!

・「こち亀」ははたしてSFか?

言われてみれば、たまにもの凄いテクノロジーを駆使したり、宇宙に行ったり、タイムスリップも結構してる。だが、基本路線は現代人の生活に密着した話が主なので、まさかSFに分類されているなんてビックリだ。

しかし、一体SFって何なのか? というわけで、少し調べてみたところ、ジャンルは多岐に渡り『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような “いかにも” な未来感のあるものだけが SF というわけではないようである。

アメリカのSF作家にして文芸評論家のデーモン・ナイト氏はSFの定義について「その時にそう(SFと)呼ばれたもの」と言ったとか。深い……。

・連載が終わっても夢を見せてくれる作品

ともかく、これまでギネスなどを含め様々な記録を打ち立ててきた「こち亀」。連載は終わったが、その歴史にまた新たなる輝かしい一歩が刻まれた。「こち亀」と共に育った者としては嬉しい限りである。

参照元:第48回星雲賞
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼亀有駅前のこち亀像